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不動産売買における瑕疵担保責任とは?責任範囲や期間、契約解除事例まとめ

 

一戸建て、マンションを売ろうとしたときに、「物件の不具合や不都合を、どこまで正直に話したら良いか」について悩まれる方も多いのではないでしょうか。

 

「マイナスなことを伝えると、物件の値段が下がったりしないだろうか…」

「売却までに時間が掛かったり、最悪、買い手が付かないなんてこともあるんじゃ…」

 

──さて、こういった一戸建て、マンション物件の不具合や不都合を、「瑕疵(かし)」といいます。

不動産売却をする方にぜひ知っておいてほしいのが、「瑕疵担保責任」(かしたんぽせきにん)。

おそらく、名前自体は聞いたことがあるのではないでしょうか。

今回はその瑕疵担保責任と、一戸建て、マンションを売却するときに必ず知っておきたい、瑕疵に対する考え方、ポイントをお伝えしていきたいと思います。

不動産売買における瑕疵担保責任とは?

瑕疵担保責任ってどういう意味?

不動産の売買で用いられる「瑕疵担保責任」とは、「不動産売買契約で、売った人が買った人に物件の不具合や不都合の責任を負うこと」のことです。

もうすこしかみ砕いて表現すると、つまりは「売買契約の際に気づけなかった不具合、トラブル等がありましたら、その部分については売り手が責任を持ちますよ」ということですね。

一戸建てやマンションといった不動産物件の場合、購入前に慎重な検討や審査があったとしても、物件のすべての特徴を把握しきれないこともあるでしょう。

そして、購入後に万一大きな瑕疵・不具合があったら、買い手の方はとても困りますよね

瑕疵担保責任は、そういった買い手のリスク・不利益を保証するために用意された制度です。

瑕疵担保責任は、法律(民法・宅建業法)で定められている!

瑕疵担保責任については、売り手と買い手の間でのみ取り交わされる・・・というものではなく、民法・宅建業法でも定められています。

ここでは、民法・宅建業法の明文や詳しい説明は割愛しますが、どういうことが書かれているかを簡単に説明しましょう。

民法における瑕疵担保責任に関する取り決め

強制競売を除き、不動産を売った人は、その物件に隠れた欠陥・不具合があったとき、買い手に対して責任を持ちます。

買い手は売買契約時に隠れた欠陥・不具合があったことを知らず、かつその為に購入の目的を果たせない場合(家に住むことができない等)は、契約の解除、また契約の解除ができないときは損害賠償の請求をすることができます。

契約の解除又は損害賠償の請求は、買い手がその事実を知った時から「一年以内」にしなければなりません。

 

民法における瑕疵担保責任の取り決めを見ると、かなり売り手に厳しい内容となっているのが確認できます。

唯一、「瑕疵の事実を知ってから1年以内に請求しないと無効になる」という期限はあるものの、売買が成立してからいつまでの間・・・といった、瑕疵担保責任の発生する期間は明示されていません。

その為、不動産売買においては契約書にて、瑕疵担保責任発行の有効期限を明示するのが通例となっています。

売り手が個人の場合、瑕疵担保責任の有効期限は2〜3ヶ月という期間で設けることが多いようです。

続いては、宅建業法の瑕疵担保責任の取り決めについても見てみましょう。

宅建業法における瑕疵担保責任に関する取り決め

宅地建物取引業者(不動産会社)が不動産を売る場合は、とくに強い責任を持って臨みます。

具体的には、建物を引き渡してから2年の間、瑕疵に対する責任を持ちます。

新築住宅の場合、宅地建物取引業者(不動産会社)は、住宅の主要構造部分等(基礎、柱、屋根、外壁等)について10年間は瑕疵担保責任を負わなければいけません。

 

先ほどお話した、「瑕疵担保責任発行の有効期限」について、宅地建物取引業者(不動産会社)は2年間持つように(新築住宅の場合は10年間)、と明示されています。

また、それ以下にすると買い手が不利になるので駄目ですよ、と強い制限があります。

つまり、「不動産会社はプロなのだから、買い手に対する瑕疵責任はしっかり持つようにしてください」というメッセージが込められている、ということですね。

ここまでお読みになられて、一度想像してみてください。

もし、あなたが瑕疵担保責任について何も知らずに、物件の不具合や不都合を隠して売買して、あとから買い手がそのことに気づいたら・・・

損害賠償を要求されたり、最悪は契約の解除を言われることもありえるでしょう。

また、それに関してかかるコストはお金だけではなく、多大な時間も掛かることになります。

つまり、「瑕疵担保責任」についてまったく知らずに、もしくは関心を示さずに不動産売買を行うというのは、大きな損失やトラブルにつながるリスクがある、ということです。

「瑕疵担保責任について、もう少ししっかり知っておかないと…」と思われた方、不安になられた方はご安心ください。

次から瑕疵担保責任の詳しい内容と、実際の事例などをお話していきますので、この記事をお読みになられた後は、おそらくそのご不安は払しょくされていることでしょう。

瑕疵担保責任の範囲

瑕疵担保責任の概要を把握した後は、次は「瑕疵担保責任は、どこまでが責任範囲なのか」が気になってくるところでしょう。

続いては、瑕疵担保責任の範囲について見ていきたいと思います。

瑕疵担保責任の具体的な項目範囲は・・・

実際に不動産の瑕疵担保責任に問われる具体的な項目は、大きく以下が該当します。

・雨漏りなどの不具合

・シロアリの害

・建物構造上主要な部位の腐食(特に木部)

・給排水管の故障、損害

・その他、買い手の心理的負担を著しく与える事実、状況(過去に自殺や殺人事件があった等)

 

雨漏りの不具合がある場合は、発生している場所を修復するなどの損害賠償が必要となります。

また、シロアリの被害がある場合は、薬剤の散布、更に柱などに実害が確認される場合はその箇所を修復します。

3つ目の「構造上主要な部位」とは、柱や梁、小屋組、土台、筋交いなどの家屋の構造上主要とされる部分を指します。

これらの個所が構造耐力上において「現在危険である」と判断される場合は修復します。

4つ目の「給排水管の故障」の給排水管は、物件敷地内の埋設給排水管を含めた設備配管を指します。

この部分の欠陥、破損が見られる場合は修復をします。

最後の項目は、「心理瑕疵」と言われ、買い手にとってそのことが大きな心理的負担につながるようなケース(例えば過去に自殺や殺人事件があった等)です。

実際にこのケースで瑕疵担保責任が追及された事例はいくつもあり、契約解消や多額の損害賠償の支払いといった判決が下されています。

瑕疵担保責任は「無過失責任」!

かりに買い手が「瑕疵担保責任」を負うように求めてきた場合、売り手がいくらこれまでの誠意や不義が無かったことを主張したとしても(例えば、「細心の注意を払っていた」であったり、「売り手の自分に、落ち度や過失はなかった」といった主張しても)、瑕疵担保責任の責を免れることはできません

これを「無過失責任」と言います。

つまり、「瑕疵担保責任は、過失のあるなしに関わらず、責任を負わなくてはいけませんよ」ということですね。

物件の不具合個所はしっかりと告知するよう意識しておきましょう!

さて、上記のような不具合個所がある、もしくは不具合が発生する可能性があることを、売り手が可能性を把握していたにも関わらず、買い手に告知しなかった場合、仮に売買契約で瑕疵担保責任の有効期間を3ヶ月としていたとしても、その期間を過ぎても責任を追及されてしまいます。

どのようなときにそのようなケースが起きるかというと、例えば売り手が「屋根裏、天井の雨漏れする箇所を応急処置的にパテなどで補修していて、そのことを買い手に伝えずにいて後で買い手がその修繕の後を発見した──という場合です。

この場合は、売り手は応急処置ではなく根本的な修繕を買い手から要求されてしまう、ということですね。

事前に不具合があることを知っていたのなら、正直に買い手に告知しておいたほうが無難です。

そのほか、瑕疵について告知した箇所に関しては、「売買契約書」に記載しておくと良いでしょう。

事前に告知しておいた内容については、その内容の範囲内でトラブルが起きたとしても、責任は買い手にあって、売り手に遡って追及されることは(ほぼ)なくなります。

瑕疵担保責任の期間

続いては、瑕疵担保責任の期間についてもまとめてみたいと思います。

売り手が瑕疵担保責任を追及されるのは(もしくは買い手が瑕疵担保責任を追及できるのは)、いつまでの期間になるか──、これは、前にも少し述べていますが、不動産物件を「不動産業者が売る場合」と「個人が売る場合」でも変わってきます。

それぞれの場合について、詳しく見ていきましょう。

 

不動産業者が物件を売る場合

前にお話した通り、不動産物件を宅地建物取引業者(不動産会社)が売る場合は、瑕疵担保責任は厳しく設定されます。

不動産会社の瑕疵担保責任の期間は、「引き渡しから最低2年間」となっています。

更には、新築住宅の場合、住宅の主要構造部分等(基礎、柱、屋根、外壁等)についての瑕疵担保責任の期間は10年間にも及びます。

ちなみに、これよりも短く設定したり、無しと設定した場合は、民法のルール(→ 期間に関わらず、瑕疵が見つかってから1年の間だったら買い手は損害賠償を請求できる)が適用されます。

この内容については、不動産売買の契約書にも条項として記載されますので、実際に売買をされる際は併せて契約書の内容もチェックしておくと良いでしょう。

個人が物件を売る場合

続いては、個人が物件を売る場合も見ていきましょう。

「手持ちの一戸建て・マンションを売りたい」と個人が不動産を売る場合、瑕疵担保責任の期間についての決まりやルールはありません。

ですが、だからといって期間を決めないまま売買契約を結んでしまったら、売買が成立して10年後に損害賠償を請求される・・・なんてことにもなりかねません。

そこで、個人が物件を売る場合も、瑕疵担保について期間を決めて責任を負う設定をするのが一般的です。

どれくらいの期間かというと、中古住宅などの場合は、3ヶ月という設定が多いようです。

個人が不動産を売買するときの、売買契約書内の瑕疵担保責任についての条項例

1. 売り手は、買い手に対し、建物の専有部分における次の建物の隠れたる瑕疵についてのみ責任を負い、それ以外の建物の瑕疵および土地の瑕疵ならびに共用部分に原因がある瑕疵について、責任を負わないこととする。

(1)雨漏り
(2)シロアリの害
(3)給排水管の故障

なお、買い手は、売り手に対し、対象不動産について、前記瑕疵を発見したとき、すみやかに通知して、修復に急を要する場合を除いて立会う機会を与えなければならない。

2. 売り手は、買い手に対し、前項の瑕疵について、引渡完了日から3カ月以内に請求を受けたものにかぎり、責任を負うこととする。
なお、責任の内容は、修復に限るものとし、買い手は、売り手に対し、前項の瑕疵について、修復の請求以外、売買契約の無効、解除または損害賠償の請求をすることはできないものとする。

 

不動産の売買契約を結ぶときは、売買契約書内に上記のような条項を入れて、瑕疵担保責任の期間を決めて契約を結ぶのです。

瑕疵担保責任の時効までの期間

前述のとおり、瑕疵担保責任は「買い手が瑕疵を発見してから1年以内」とされています。

時効とされるのは1年、結構長いですね。

実際に不具合があった場合に、黙って「それまでの期間を何とかやり過ごそう」と思ったとしても、やや無理のある期間ですので、売り手の方が瑕疵を認識している場合は、誠意をもって、正直に伝えるようにしましょう。

その方が、買い手の信頼にも繋がりますし、結果として売り手の皆さんのリスク回避にもなります。

瑕疵担保責任における契約解除、賠償責任の事例まとめ

さて、ここからは、更に瑕疵担保責任のイメージを持ってもらえるように、実際に瑕疵担保責任で「賠償責任を問われた」、「契約解除になった」という事例を紹介しておきたいと思います。

ケース1 「マンション物件で、過去に当時の所有者の妻がそこで自殺していた」

平成1年9月7日横浜地裁判決で判決された事例です。

内容としては、マンション物件の売買契約後、約6年前にそのマンションの持ち主の妻が自殺したことが発覚された、というケースです。

──いわゆる、前に述べた「心理瑕疵」に当たるケースですね。

判決は、「瑕疵担保責任にあたる」として、買主による契約の解除が認められました

ケース2 「土地物件で、過去に敷地内の家屋で猟奇的な殺人事件があった

平成12年8月31日東京地裁で判決された事例です。

内容としては、「農村地域の土地を購入したところ、そこにあった家屋で50年前に殺人事件があったことが発覚された

──というケースです。

判決は、「瑕疵担保責任にあたる」として、買主へ賠償金支払いが売主に命じられました。

50年という歳月が経っても遡って請求された、というのは驚きですね。

・・・ですが、現地の人々の間ではその生々しい事件が語り継がれており、その土地は長らく近寄ることもなかった(未開発のままであった)とのことです。

買い手の心理からすれば、当然の要求とも言えそうです。

ケース3 「土地物件で、後日地盤が軟弱であることが発覚された」

平成24年5月31日東京地裁で判決された事例です。

内容としては、「購入された土地(売却額3870万円)が、後日になって地盤が軟弱であることが発覚され、その補修・補強工事に777万円の費用がかかることが分かり、売主に損害賠償を求めた」──というケースです。

どのような判決になったのかというと、売主は「地盤補強の懸念は不要だと説明したものと同然の対応でこの土地を売却した」とみなされ、多額の賠償金支払いが命じられました。

その額は、合計1,771万円!──内訳は、・追加建築費用633万円余、・追加設計費用58万円余、・家賃6か月分61万円、・慰謝料150万円、・弁護士費用90万円、更に「軟弱地盤により生じた損害」として750万円となっています。

判例の内容からは、売り手がどこまでの恣意があっての行動だったかは読み取れませんが、不動産を売ろうとされている方からすると、身の引き締まる事例ではないでしょうか。


 

以上3つの事例をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。

売り手の心情からすると、「かなり厳しい判決だ」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、もし買い手の立場に立ってみたらいかがでしょうか。

人生に一度あるかないかの大きな買い物にて、何かしらの瑕疵が【後になってから】発見されるというのは、非常に大きな心理ストレスでもあるはずです。

そのことを想像すれば、紹介した事例も、納得のいくところではないでしょうか。

ポイントは、瑕疵の存在うんぬんよりも、瑕疵が後になって気づかれるということです。

あらかじめ伝えておけば、すくなくともこのような大事にはならないでしょう。

瑕疵担保責任免責とは

最後に、「瑕疵担保責任免責」について説明します。

最後に「免責」とあります通り、「瑕疵担保責任が免れる=物件に不具合や破損があったとしても、後から売り手が責任を負うことはない」条件のことを指します。

これまで瑕疵担保責任の重要性を述べてきましたので、「そんな条件ってあるの?」と不思議に思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。

ですが、以下のようなケースの場合は、買い手の方も事情を察して瑕疵担保責任について強く要求してこない(瑕疵担保責任を堅実に結ぶことがあまり合理的ではないと判断される)こともあります。

 

・そもそも対象の物件がかなり古く、とても瑕疵担保責任を負えそうもない状態

・建物が古い事に加えて、売り手自身もこの建物を中古の状態で購入している場合

・買い手が、建物をリフォーム・解体も想定して購入を検討している場合

 

上記のようなケースにおいて、売り手・買い手双方の合意で「瑕疵担保責任の条件は契約に含めない」となったときに、瑕疵担保責任免責となります。

瑕疵担保責任面積は「売り手・買い手双方の合意による」というところがポイントです。

売り手の一方的な主張のみでは成り立ちませんので、その点をご注意ください。

どのような物件に「瑕疵担保責任免除」の条件が付くケースが多いかというと、「築40年」などの築年数の古い物件に多く見受けられます。

築年数が一定古くなると、そもそも売却価格自体もかなり低くなりますので、そういった建物の劣化も織り込み済みの価格設定となっている──ということですね。

ここで注目しておきたいのが、「瑕疵担保責任免除された物件=不良物件という訳でない」というところです。

また、買い手も上記のようなケースから「瑕疵担保責任は重要視しない」という考えの方もいらっしゃるでしょう。

その点も踏まえて、瑕疵担保責任免除を理解しておくと良いでしょう。

まとめ 一軒家・マンションを売買する際は、「瑕疵」と、「瑕疵担保責任」の理解を必ず押さえておく!

ここまでお読みになられて、いかがでしたでしょうか。

ポイントとなる点を、まとめておきたいと思います。

・「不動産における瑕疵担保責任」とは、「不動産売買契約で、売った人が買った人に物件の不具合や不都合の責任を負うこと」のこと

・瑕疵担保責任は、民法で「不動産を売った人は、その物件に隠れた欠陥・不具合があったとき、買い手に対して責任を持つ」と定められている

・瑕疵担保責任の範囲は主に、以下が挙げられる。
  雨漏りなどの不具合
  シロアリの害
  建物構造上主要な部位の腐食(特に木部)
  給排水管の故障、損害
  その他、買い手の心理的負担を著しく与える事実、状況(過去に自殺や殺人事件があった等)

・瑕疵担保責任の期間は、売り手が個人か不動産かで変わる

・個人の場合 明確なルールはないが、売買契約で3ヶ月間とされるのが通常不動産会社の場合 2年間 新築住宅の場合、住宅の主要構造部分等については10年間

・瑕疵担保責任の有効期間は、瑕疵が発覚されてから1年間

・買い手と売り手双方が合意する場合、瑕疵担保責任を免除する「瑕疵担保責任免責」を取り交わすことができる。

 

瑕疵担保責任について、ここまで把握しておけば、大丈夫です。

お読みになられた皆さんが、今後不動産売買で「瑕疵担保責任で思いもよらないトラブルに悩まされる・・・」ということはまず起きなくなることでしょう。

大切なことは、「瑕疵担保責任についてきちんと知っておくこと」、そして、「瑕疵はきちんと伝えて、共有しておくこと」です。

これから一戸建てやマンションを売却予定の方は、その点をしっかり意識したうえで、売却活動を進めていただければと思います。

家の売買は人生の中でも特に大きなライフイベントのひとつです。

皆さんが家の売買を実施するとき、今回の記事が少しでもお役に立てることを、心より願っています!