空き家をそのまま売るか取り壊すかの判断基準と税金特例の要件

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相続などで親の住んでいた実家が空き家となることがあります。昨今では「空き家問題」として社会全体で解説すべき問題として挙げられています。

そんな空き家ですが、不要な空き家は維持コストがかかるため、売却することをオススメします。

空き家を売りたいと考えている人が悩める疑問

  • 「家の中にモノがいっぱいで、どうしたら良いのだろうか?」
  • 「取り壊すべきかどうか迷っているが、誰に相談したら良いのだろうか?」
  • 「空き家を売るときには、どのような税金がかかるの?」

そこでこの記事では、「空き家を売る」ことについてフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、空き家を売るための準備と取り壊すべきかどうかの判断方法、税金の特例について知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

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1.空き家を売る前に準備する2つのこと

空き家を売る前には、「遺品整理」と「仏壇の引越」を行い売る準備をすることが必要です。

準備1.遺品整理

家を売るには、遺品を整理し、家具等が残っていない状態にすることが必要です。

遺品整理は自力で行うのは大変なため、遺品整理業者に依頼することをオススメします。

遺品整理の相場は、物量にもよりますが、15万円~50万円程度です。

準備2.仏壇の引越

仏壇の引越に関しては、菩提寺に相談するようにして下さい。

仏壇は「魂抜き」、「魂入れ」という法要を行うことで、引越させることが可能です。

料金としては、お布施として1~3万円程度です。

別途、お車代として5千円程度渡すこともあります。

空き家から今の自宅に仏壇は引越すことができますので、仏壇が残っている場合には早速移動させましょう。

以上、ここまで空き家を売る準備について見てきました。

では、空き家を取り壊すべきかについてはどう判断すればよいのでしょうか。

そこで次に、素人でも取壊しを判断できる判断方法について解説いたします。

2.一括査定サイトで取り壊すかどうかを判断する方法

この章では、素人でも空き家を取り壊すかどうかを判断できるようにするために、一括査定サイトを使った判断方法についてご紹介します。

不動産一括査定とは、その名の通り「不動産の査定相談を複数の不動産に一度でお願いできるWEBサイト(サービス)」。

不動産一括査定サイトのイメージ

不動産一括査定サイトのイメージ

まず原則として、空き家は必ずしも取り壊さないと売れないというものではありません。

戸建住宅でも、作りがしっかりとしている建物は、築30年を過ぎていても取り壊す必要が全くない建物もあります。

取壊しは、築何年だから取り壊すというように一律に決めることができないため、プロに見てもらった上で判断すると無駄がありません。

取り壊すべきかどうかというのは、一律ルールで決まるものではなく、個別に売却できる価格を見てからの判断ということになります。

取り壊しの判断は不動産会社1社の意見をうのみにしない

取り壊しの判断に関しては、不動産会社の1つの意見に過ぎませんので、必ず複数の不動産会社からの意見を集めた上で決める必要があります。

不動産会社からすると、古家付の不動産よりも更地の方が重要事項説明の調査項目が少ないため、仕事は楽になります。

楽な仕事を選びたいという感覚の不動産会社に聞いてしまうと、ろくに検討もせず「取り壊した方が良いですよ」というアドバイスが返ってくることがあります。

このような不動産会社のアドバイスを妄信して取壊しを行うと、取壊し費用が無駄になります。

取り壊すべきかどうかは、1社だけの感覚論では決めずに、きっちりと論理的に決める必要があります。

論理的に決めるには、意見の偏りをなくすため、複数の不動産会社にアドバイスを求めるべきです。

複数の不動産会社にアドバイスを求めるために一括査定サイトを利用する

複数の不動産会社にアドバイスを求めるには、一括査定サイトを利用するのがとても便利になります。

一括査定サイトなら4~6社に無料で査定を依頼することができます。

ここで、一括査定サイトを利用した際、各社には以下の2つの価格を査定依頼するようにしてください。

不動産会社にお願いする2つの査定価格

  1. 取壊さずに売却した場合の価格
  2. 取壊して売却した場合の価格

取壊さずに売却した場合の価格とは、土地価格と建物価格の合計額を求めることになります。

それに対して、取壊して売却した場合の価格とは、土地価格(更地価格)のみを求めることになります。

ただし、取壊さずに売却する場合でも、多くの買主が購入後、取壊しを前提として購入するような場合、取壊さずに売却した場合の価格は土地価格から建物取壊し費用を控除した価格になります。

そのため、取壊さずに売却した場合の価格でも、取壊して売却した場合の価格(更地価格のこと)を下回ることがあります。

この場合、空き家は取り壊すべきと判断することができます。

取り壊すべきと判断される空き家は、取壊さずに売却した場合の価格が以下のような算式で求められる場合です。

【取り壊すべき空き家の査定価格】

査定価格 = 土地価格 - 建物取壊し費用

よって、そのまま売るのか、取り壊して売るのかに関しては、2つの価格がそれぞれ以下のような関係となる場合に判断することができます。

そのまま売るか取り壊すかの判断基準

  • そのまま売る:「取壊さずに売却した場合の価格」>「取壊して売却した場合の価格」
  • 取り壊して売る:「取壊さずに売却した場合の価格」<「取壊して売却した場合の価格」

一括査定サイトを利用して、複数の不動産会社から「取壊さずに売却した場合の価格」と「取壊して売却した場合の価格」の2つの価格を取り寄せるようにして下さい。

2つの価格の上下関係は不動産会社によって異なりますが、多数決を取って、そのまま売るのか、または取り壊して売るのかを決めるようにします。

この方法であれば、意見の偏りもなく、かつ、理論的に取り壊すべきかどうかを決めることができます。

取壊し費用は、木造戸建て住宅の場合、坪4~5万円程度かかります。

30坪の家なら120万円~150万円となります。

取壊し費用は大きな金額であり、無駄にしないためにも、一括査定サイトを使って客観的かつ論理的に決めるようにしましょう。

不動産のプロが厳選!不動産一括査定の選ぶ基準とオススメ4サイト

ここからは、筆者が厳選したオススメの不動産一括査定4サイトを紹介。

筆者の厳選基準は下記4つ。

オススメの不動産一括査定サイトの基準は4つ

  • 基準1.参加不動産会社が魅力的である(大手~地域密着まで査定できる)
  • 基準2.実績が豊富(利用者数+運営歴)
  • 基準3.セキュリティ対策をしている(プライバシーポリシーの取得)
  • 基準4.不動産会社をしっかり審査している(悪徳不動産業者の排除)
これら4つの基準を満たす一括査定サイトは下記4つになります。

厳選したオススメの不動産一括査定サイト4選

  1. すまいValue
  2. HOME4U
  3. イエウール
  4. リガイド

それぞれの不動産一括査定の特徴を一覧表にしました。

比較項目すまいValueHOME4Uイエウールリガイド
運営会社小田急不動産(株)、住友不動産販売(株)
東急リバブル(株)、野村不動産アーバンネット(株)
三井不動産リアルティ(株)、三菱地所ハウスネット(株)
株式会社NTT
データスマートソーシング
株式会社Speee株式会社ウェイブダッシュ
サービス開始年2016年2001年2014年2006年
査定数非公表累計30万件20万件非公表
サイト利用者数非公表年間700万人累計1,000万人非公表
提携している不動産会社の数大手6社約1,300社約1,700社約700社
特徴国内最大手に頼める。 都会に強く地方に弱い傾向がある。NTTデータグループなので安心感はトップ。 一括査定の歴史最長の老舗。参加企業数がNo.1で、企業一覧と特徴も見ることができる。厳選された不動産会社がウリ。 運営も長く、旧SBIグループの安心感がある。

※2019年11月時点の情報

不動産一括査定の上手な使い方は併用利用する

紹介した不動産一括査定は、どれも安心して利用できます。

ただし、それぞれの不動産一括査定には弱みがあります。その弱みを防ぐ方法があります。

弱みを防ぐには不動産一括査定を併用利用(組み合わせ利用)するのです。

都心部や県庁所在地などの人口が多い都市の方:すまいValue+HOME4U+SRE不動産(※旧ソニー不動産)
オススメの組み合わせ:「すまいValueHOME4USRE不動産(※旧ソニー不動産)

三井のリハウスや東急リバブルなどの国内最大手の不動産会社は、「すまいValue」にしか参加していません。

そして、大手・中堅・地域密着の不動産会社参加の「HOME4U」は、NTTグループ運営で最も安心して利用できるサイトの一つ。

つまり最大手の不動産会社に依頼「すまいValue」+大手・中堅・地域密着の不動産会社に依頼「HOME4U」を組みわせるのです。

ただ、大手は両手仲介の可能性が高いです。対象地域(一都三県+大阪、兵庫)の方は、売主専門としている「SRE不動産(※旧ソニー不動産)」も合わせて申し込んでおくと安心です。

地方や郊外の方:HOME4U+イエウール
オススメの組み合わせ:「HOME4Uイエウール

大手の不動産会社は都心に強いですが、地方や郊外では対応できない場合があります。

特に「すまいValue」を使って依頼できる最大手の不動産会社は地方や郊外は対応していない可能性があります。

地方や郊外の方は「HOME4Uイエウール」を併用するといいでしょう。

最大手の不動産会社に依頼できるのは「すまいValue」だけ

すまいValue

すまいValue

すまいValueは国内最大手6社(三井のリハウス、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、東急リバブル、小田急不動産、野村の仲介plus)が共同で運営する一括査定サービス。

強力な販売ネットワークとノウハウを持っていますし、営業担当者の質も全体によいので、確実に依頼はしたいところ。

ただし、お伝えした通り大手は両手仲介の可能性が高いです。

対象地域(一都三県+大阪、兵庫)の方は、売主専門としている「SRE不動産(※旧ソニー不動産)」も合わせて申し込んでおきましょう。

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※「机上査定」を選ぶと電話なしで、メールで概算査定額がわかります。

NTTグループが運営の安心実績「HOME4U」

HOME4U

HOME4U

2001年から運営と最も長い、一括査定の老舗。

運営がNTTデータグループという安心感は抜群で、個人情報保護やセキュリティ対策などの技術力も信頼できます。

参加している不動産会社は、大手から中堅・地元密着まで約1,300社。

イエウールの1,900社と比べると1,300社で少なめに見えますが、厳しい審査を通過した不動産会社だけが参加しているというのが売りです。

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参加不動産会数No.1の「イエウール」

イエウール

イエウール

参加している不動産会社は大手、中堅、地元密着型まで約1,900社と最多。

つまり一番不動産会社が見つかる可能性が高いということです。

サイト運営の歴史は比較的浅いですが、利用者も多く、安心して利用できます。

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投資用物件に強い「リガイド」

リガイド

リガイド

旧「SBI不動産一括査定」というサイトで、「HOME4U」の次に運営が長い老舗サイト。

入力はYahoo!やFacebookから情報を引き継ぐこともでき、入力しやすいフォームです。

最大10社まで一括で査定依頼できるので、効率良く多数の会社に査定依頼したい人にも向いています。

HOME4Uなどと比べると600社で少なめに見えますが、独自審査を通過した優良不動産会社というのが売りです。

また、投資用物件にも強く、資産の組み換えも相談できます。

3分で最高額がわかる!リガイドをチェック

※「机上査定」を選ぶと電話なしで、メールで概算査定額がわかります。

不動産一括査定サイトは、無料で利用できますので、まずは申し込んで信頼できる不動産会社に査定相談をしてみることをオススメします。

不動産一括査定については下記記事でさらに詳しく解説しています。

以上、ここまで一括査定サイトで取り壊すかどうかを判断する方法について見てきました。

では、空き家を売却した際に税金はどのようにかかってくるのでしょうか。

そこで次に、空き家売却で使える3,000万円特別控除について解説いたします。

3.空き家売却で使える3,000万円特別控除

相続した空き家のうち、要件を満たす物件は、3,000万円特別控除という特例を使って税金を節税することが可能です。

この章では空き家売却における3,000万円特別控除について解説します。

空き家を売却したときの税金の基本

個人が不動産を売却した場合、譲渡所得がプラスになると、所得税および住民税、復興特別所得税が発生します。

売却時の譲渡所得とは、以下の式で計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

※譲渡価額とは売却額
※取得費とは土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した後の価額
※譲渡費用は、仲介手数料や測量費など土地の譲渡に要した費用

取得費が分からない場合には、「譲渡価額の5%」が取得費となります。

この取得費は概算取得費と呼ばれます。

税率については、不動産の所有期間によって決まります。

所有期間は5年以下であれば短期譲渡所得、5年超であれば長期譲渡所得とされます。

それぞれの税率は以下の通りです。

種類所得税住民税合計税率
短期譲渡所得30%9%39%
長期譲渡所得15%5%20%

復興特別所得税の税率は、所有期間に関係なく、2.1%となります。

ここで、3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得は以下のように計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

3,000万円特別控除を利用すると譲渡所得が大幅に減額されるため、節税が可能となります。

尚、3,000万円を控除した結果、譲渡所得がゼロ(マイナスの場合もゼロ)となった場合には、税金は発生しないことになります。

3,000万円特別控除を利用するには、次に示す「適用期間」、「空き家の要件」、「譲渡の要件」のそれぞれを満たす必要があります。

特別控除の適用期間

相続空き家の3,000万円特別控除を利用するには、相続の発生と譲渡の適用期間の間に、以下の対応関係が必要です。

相続の発生譲渡の適用期間
平成25年1月2日~平成26年1月1日平成28年4月1日~平成28年12月31日
平成26年1月2日~平成27年1月1日平成28年4月1日~平成29年12月31日
平成27年1月2日~平成28年1月1日平成28年4月1日~平成30年12月31日
平成28年1月2日~平成28年4月1日~平成31年12月31日

特別控除が受けられる「空き家」の要件

売却する空き家には、以下の要件が必要になります。

空き家の要件

  1. 相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋であること
  2. 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること
  3. 区分所有建築物(マンション等)以外の家屋であること
  4. 相続の開始直前においてその被相続人以外に居住していた者がいなかったこと
  5. 相続の時から譲渡の時まで事業の用、貸付の用または居住の用に供されていたことがないこと

(取壊して売却する場合)

相続した家屋を取壊して土地のみを譲渡する場合には、取り壊した家屋について相続の時からその取壊しの時まで事業の用、貸付の用又は居住の用に供されていたことがないこと、かつ、土地について相続の時からその譲渡の時まで事業の用、貸付の用または居住の用に供されていたことがないこと

空き家を取り壊さない場合には、空き家が昭和56年5月31日以前に建築されていることが必要となります。

3,000万円特別控除の対象となる「売却」の要件

3,000万円特別控除の対象となる売却は、以下の要件を満たす必要があります。

3,000万円特別控除の対象となる売却の要件

  1. 相続人(譲渡する人)に要件としては、被相続人居住用家屋および相続の開始の直前においてその被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地等を相続又は遺贈(死因贈与を含む)により取得した人であること。
  2. 譲渡価格が1億円以下(相続のときからその譲渡をした日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に2回以上に分けて譲渡した場合は合計で1憶円以下)であること
  3. 家屋を譲渡する場合(その敷地の用に供されている土地等も併せて譲渡する場合も含む)、その譲渡時において、その家屋が現行の耐震基準に適合するものであること

空き家を取り壊さない場合には、空き家が現行の耐震基準を満たしていることが必要となります。

特別控除の手続きには確定申告が必要!必要書類は?

3,000万円特別控除を利用するには確定申告が必要です。

確定申告においては、空き家を「取り壊さずに売る場合」と「取り壊して売る場合」において、それぞれ以下の書類を添付する必要があります。

取り壊さずに売る場合の必要書類

  1. 譲渡所得の金額の計算に関する明細書
  2. 被相続人居住用家屋およびその敷地等の登記事項証明書等
  3. 被相続人居住用家屋およびその敷地等の売買契約書の写し等
  4. 被相続人居住用家屋等の確認書
  5. 被相続人居住用家屋の耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し

取り壊して売る場合

  1. 譲渡所得の金額の計算に関する明細書
  2. 被相続人居住用家屋およびその敷地等の登記事項証明書等
  3. 被相続人居住用家屋等の確認書
  4. 敷地等の売買契約書の写し

相続空き家の3,000万円の特別控除は、要件が厳しく、ひょっとしたら適用できない空き家も多いかもしれません。

ただ、節税効果は非常に大きいので、空き家を売却する際は、要件を確認することをおススメします。

まとめ

以上、ここまで、空き家を売るための準備と方法・税金の特例について解説してきました。

空き家を取り壊して売却するか否かは、一括査定サイトで「取壊さずに売却した場合の価格」と「取壊して売却した場合の価格」の2つの価格を査定依頼することがポイントです。

3,000万円特別控除の要件も確認し、損をしない空き家売却を目指しましょう。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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