空き家対策特別措置法とは?なるべく簡単にわかりやすく解説

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少子高齢化や地方の衰退、東京一極集中など、これらを原因に全国的に問題となっているのが「空き家」の増加。

空き家問題については「【2019年版】空き家問題とは?最新のマンション空き家事情も含めて対策を解説」で言及しています。

空き家の増加は国全体の問題となっており、2015年5月には「空き家対策特別措置法」が成立しました。

空き家対策特別措置法について知りたい人の中には、

空き家対策特別措置法についての疑問

  • 「空き家対策特別措置法ってどんな法律なの?」
  • 「空き家対策特別措置法によって、自分の空き家はどうなってしまうの?」
  • 「特定空き家に指定されないようにするにはどうしたら良いの?」

等々のことを思っている人も多いと思います。

そこでこの記事では、「空き家対策特別措置法」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、空き家対策特別措置法の概要や、特定空き家とはどういうものか、特定空き家に指定されない方法等について知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

空き家対策特別措置法とは

空き家対策特別措置法とは、正式名称が「空家等対策の推進に関する特別措置法」という法律の略称

2015年5月より施行された法律になります。簡単に言うと、地域の中に存在するボロボロの空き家を、行政が強制的に取り壊しをできるようになった法律。

地域の残された空き家の中には、所有者が全く管理をせず、ボロボロになっている空き家が存在します。

このような空き家は、例えば犯罪組織のアジトや、放火の対象、ゴミの不法投棄場所となったりすることがあります。

また、地震や台風によって崩壊や倒壊の危険性もあり、歩行者や周辺住民に危害をもたらす恐れもあります。

このような空き家が地域の中に放っておかれると、周辺住民や住環境に悪影響を及ぼしかねないため、行政としては何とか取り壊したいと考えていました。

ところが、空き家には所有権があるため、いくら行政であっても他人の空き家を勝手に壊すわけにはいきません。

空き家対策特別措置法により空き家所有者のための法ではない

そこで新たに法律を作って、行政が強制的に空き家を取り壊すことができるようになったのが空き家対策特別措置法になります。

空き家対策特別措置法は、空き家周辺の住民を守るための法律であり、空き家所有者のためのものではありません。

また、何でもかんでも取り壊せるというわけではなく、「特定空き家」と呼ばれる空き家に指定されてから、指導や勧告、命令といった行政指導の段階を経た上で取り壊されることになります。

行政が取り壊しを行いますが、もちろん、取壊し費用は空き家所有者へ費用請求されます。

空き家対策特別措置法は、今まで野放しにされていた困った空き家を、地域住民のために強制力を持って行政が取り壊せるようになったという法律

以上、ここまで空き家対策特別措置法とは、ということについて見てきました。

空き家対策特別措置法が対象とするのは、「特定空き家」です。

そこで次に、特定空き家とは、ということについて解説いたします。

特定空き家とは

特定空き家とは以下のようないずれかの要件に該当する場合、自治体が指定する空き家

特定空き家と判定するための要件

  1. そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

上記のような空き家が特定空き家となりますが、行政が特定空き家を指定するために、常にウロウロとパトロールしているわけではありません。

特定空き家のきっかけとなるのは、そのほとんどが近隣住民からの「タレコミ」です。繰り返しになりますが、空き家対策特別措置法とは、空き家所有者のための法律ではなく、空き家の近隣住民を守るための法律。

自治体は、近隣住民から「あのボロ空き家、なんとかしてくれ!」という「タレコミ」が入ると、まずその空き家の調査を行います。

調査の件か、上記の特定空き家の要件を特段満たしていない空き家であれば、特に何もしません。

一方で、特定空き家に相当する空き家であると判断された場合には、特定空き家と指定されることになります。

つまり、特定空き家は、空き家の所有者が自ら特定空き家として申請するものではありませんし、行政が積極的に探索して指定するものでもありません。

あくまでも近隣住民からのタレコミ情報を元に、特定空き家を指定していくのです。では、実際に近隣から行政にタレコミがあるのかというと、タレコミは存在します。

空き家対策特別措置法が制定されたのは、タレコミ情報が多かったため

元々、空き家対策特別措置法が制定されたのも、近隣住民からのタレコミ情報が多かったためです。

タレコミや苦情が多かったにも関わらず、行政が何もできなかったことが、空き家対策特別措置法のきっかけとなっています。

空き家対策特別措置法ができたことで、行政も住民からのクレームに対処できるようになりました。

もし、自分の持っている空き家が特定空き家に指定されたとしたら、それは既に近隣住民に対して相当の迷惑をかけていることになります。

特定空き家に指定されてしまったら、近隣のために迷惑を解消していく必要があるのです。

以上、ここまで特定空き家とは、ということについて見てきました。

特定空き家に指定されても、すぐに取り壊されるわけではありません。

そこで次に、指定から行政代執行までの流れについて解説いたします。

指定から行政代執行までの流れ

特定空き家の指定から行政代執行までの流れは以下の通り。

特定空き家の指定から行政代執行までの流れ

  1. 特定空き家の指定
  2. 特定空き家の所有者に対する助言
  3. 特定空き家の所有者に対する指導
  4. 特定空き家の所有者に対する勧告
  5. 特定空き家の所有者に対する命令
  6. 行政代執行

助言とは、簡単な注意です。「あなたの家は特定空き家に指定されましたよ、今後はきちんと管理してくださいね」という程度の内容。

助言に従う様子がないと、次に指導が来ます。

指導とは、いつまでに何をどのように改善するかの期限付きかつ具体的な対応が求められる

指導に従う様子がないと、勧告を受けます。勧告を受けてしまうと、土地の固定資産税が上がります。

土地は、その土地の上に住宅が建っていると、住宅用地の特例が適用されています

この住宅を取壊して更地にすると、土地の固定資産税はだいたい3~4倍程度に上昇します。

本来であれば、取り壊さないと土地の固定資産税は上がらないのですが、勧告を受けてしまうと、住宅が残ったまま土地の固定資産税が上がることになります。

さらに、建物の固定資産税は引き続きかかりますので、更地にするよりも固定資産税が高くなってしまいます。

特定空き家に指定されたら、勧告を受ける前に是正するのが基本。勧告を受けても是正する様子がないと次は命令となります。

命令に背くと罰金50万円が課されます。

放置しておくと「行政代執行」になる

最後、命令にも従わないと、行政代執行です。行政代執行の段階まできて、ようやく、行政が建物を強制的に取り壊すことになります。

取壊し費用は行政から建物所有者に請求されます。請求額を支払うことができなければ、土地は公売にかけられ、売却されることになります。

そのため、空き家対策特別措置法では、最終的に土地まで失う可能性があるということ。

資産を失いたくないのであれば、とにかく特定空き家に指定されないことが重要となります。

以上、ここまで指定から行政代執行までの流れについて見てきました。

では、自分の空き家が特定空き家にならないようにするためにはどのようにしたら良いのでしょうか。

そこで次に、特定空き家に指定されないための対策について解説いたします。

特定空き家に指定されないための3つの対策

感覚的な話をすると、空き家は相当に放置をしない限り、特定空き家には指定されません。

きちんと対応をしておけば、むしろ特定空き家には指定されないことの方が多いです。

特定空き家に指定されないための対策は、以下の3つになります。

特定空き家に指定されないための対策3つ

  1. 定期的な管理をする
  2. 取り壊す
  3. 売却する

対策1.定期的な管理をする

まず、定期的な管理をすることが特定空き家とならないための基本。

特定空き家となるきっかけは、近隣からのタレコミがほとんどですが、逆に言えば近隣のクレームが発生しないような空き家であれば、築何年目であっても特定空き家となることはありません。

近隣からのクレームを発生させないためには、空き家はしっかりと管理する必要があります。

空き家の管理といっても、定期的な清掃や空気の入れ替え、排水口の水流し、郵便受けの管理、不法投棄ゴミの処分等、自分でもできる内容ですので、特段難しいものではありません。

自宅の近くに空き家がある場合には、自分で管理することも十分に可能です。

ただし、空き家が遠方にある場合、地元の不動産会社を使って有料で管理を依頼する方法もあります。

空き家の管理は月1回のペースですが、管理料は月1回あたり2,000円~5,000円が目安です。

対策2.取り壊す

特定空き家に指定されない最も確実な方法としては、空き家を取り壊すこと。

原則として、古い空き家は取壊して更地にした方が売却しやすくなるため、将来的に売っても良いという人であれば取り壊すことをオススメします。

取り壊し費用については下記記事で詳しく解説しています。

空き家対策特別措置法も、結局のところ、所有者に空き家を取り壊すことを誘導している法律ですので、取壊しの判断は極めて自然な流れです。

取壊し費用は、木造戸建て住宅の場合、「坪4~5万円」あたりが相場になります。

延床面積が30坪の戸建て住宅であれば、120万円~150万円が取壊し費用の総額です。

対策3.売却する

売却するというのも、空き家の所有者としては有効。

売却後、新しい空き家の所有者のもとで特定空き家に指定されてしまうかもしれませんが、とりあえず今の所有者が所有者責任を逃れるには売却が確実ということになります。

現在、地方ではタダでも売却できないという地域があります。

このような地域は、今後ますます広がっていくものと予想されます。

そのため、都市部ではない空き家は売れるうちに売ってしまうのが賢明です。

場合によっては100万円を下回るケースもありますが、値段が付けば御の字です。

売却すれば今後、固定資産税を支払わなくて済みますので、売れるうちに手放してしまうのが良いでしょう。

家として売却するか更地にして売却するかの判断については下記記事で詳しく解説しています。

また、空き家の売却については下記記事で詳しく解説しています。

まとめ

以上、ここまで、空き家対策特別措置法とは何か、なるべく簡単に、かつ分かりやすく見てきました。

空き家対策特別措置法とは、特定空き家を指導の段階を踏んで行政が取り壊せるようになった法律です。

所有者に適切な管理や取壊しを誘導している法律になります。

空き家対策特別措置法ができた以上、空き家は放置せずに管理や取壊し、売却等の対策を取るようにしてください。

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