競売物件とは何か?購入する前に知っておきたい8つの特徴

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不動産を安く購入したいと思っている人の中には、「競売物件」に興味のある人も多いのではないでしょうか。

競売は不動産を安く購入できる数少ない選択肢です。

競売物件に興味がある人の中には、

競売物件に関する疑問

  • 「そもそも、競売物件はどういう物件なの?」
  • 「競売物件って、どんなリスクがあるの?」
  • 「競売物件を見極めるときに、注意すべきことはあるの?」

等々のことを思っている人も多いと思います。

そこでこの記事では、「競売物件とは」ということにフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、競売物件とは何かということや、購入する前に知っておきたい8つの特徴について知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

1.競売物件とは

競売物件とは、裁判所が債権者(お金を貸している人)のために物件を売却し、売却代金をローンの返済にあてるために行う売却の物件

住宅ローンなど、借金を行う際、不動産に抵当権を設定します。

抵当権とは、債務者(お金を借りる人)が不動産などを自分の手元に留めたまま、債務の担保として提供し、債権者がその担保目的物から優先的に弁済を受けることができる権利

債務者がローンを返済できなくなると、債権者は抵当権を実行します。

抵当権の実行とは、債権者が裁判所に競売の申立を行い、競売を実行すること

競売は、債権者のために行いますが、できるだけ高く売却するために入札形式で行います

競売物件を購入するには、入札で一番高い金額を提示した人が購入できることになります。

抵当権については下記記事をご確認ください。

以上、ここまで競売物件とは、ということについて見てきました。

では、競売物件にはどのような特徴があるのでしょうか。

そこで次に、競売物件の8つの特徴について解説いたします。

2.競売物件の8つの特徴

この章では競売物件の8つの特徴について解説します。

競売物件8つの特徴

  1. 価格が安い
  2. 法的な問題は整理されている
  3. 価格の透明性がある
  4. 検討期間が短い
  5. 取り下げられてしまうことがある
  6. 資金調達しにくい
  7. 競合相手はほとんどプロである
  8. 落札できるとは限らない

特徴1.価格が安い

競売は物件を比較的安く購入できる可能性があります。

競売では、入札前に鑑定評価によって「売却基準価額」が求められます。

「売却基準価額」は、「評価書」と呼ばれる資料の中に記載されており、入札参加者は必ず確認することができます。

評価書に記載されている「売却基準価額」は、市場価格の70%程度となっています。

競売では、「売却基準価額」の80%を買受可能価額としており、この買受可能価額が最低売却価額となります。

競売の結果、買受可能価額に誰も届かなかった場合には、再度、価格を落として競売を行います。

実際の競売の落札価格は、「売却基準価額」の1.2~2.0倍程度です。

「売却基準価額」は、市場価格の70%ですので、「売却基準価額」の1.2倍だと市場価格の84%程度ですので普通に買うよりも安く購入できます。

一方で2.0倍にもなると、市場価格の1.4倍となるため、普通に買うよりも高くなります。

このように、競売は市場価格よりも常に安いわけではありませんが、安く購入できる場合もあります

正直言うと、思いのほか高いのですが、安く買える物件もあるというのが特徴です。

特徴2.法的な問題は整理されている

競売は、裁判所の執行官が前所有者や賃借人、不法占有者等を全て排除した形で物件を引渡してくれるため、法的な問題は整理された状態で物件を購入することができます

昔は、競売を妨害するために占有屋という人たちがいた時代もありましたが、平成16年に民法の短期賃貸借の保護制度が廃止されたことにより、今ではそのような占有屋は存在しません。

法律改正や情報公開が進んだため、競売は、今ではクリーンな物件が購入できる市場となっています。

一方で、競売はクリーンな物件となってしまったため、落札価格は高くなっています。

前節で見たように、「売却基準価額」の2.0倍程度で落札されている物件も多く、結局、市場で買うよりも高いといったケースもあります。

競売をきちんと理解している人は、競売物件でも問題はないことを知っているため、普通に高く購入しているのです。

特徴3.価格の透明性がある

競売は、裁判所が運営する不動産競売物件情報サイト(通称「BIT」)にて、過去の競売物件の「売却基準価額」や実際の「売却価額」がすべて公表されています。

誰でも入札に参加できますし、情報公開がきちんとなされており、ある意味、透明性が非常に確保されている市場です。

実際の売却価額は、一般の市場ですら公開されていません。

実際の成約価格はいくらなのかというのは、不動産会社しか知らない情報です。

また、ローンを返済できなくなった場合、任意売却も行われるケースがあります。

任意売却とは、競売という手段を使わずに、任意で売却してローンを返済する売却方法

任意売却は、非常にクローズドな市場で取引されるため、成約価格はおろか、売り値すら一般の人には分かりません。

任意売却は、市場価格の80%程度で売買されていることから、安く購入するなら任意売却の方が確実です。

しかしながら、任意売却はどこでどのように取引されているのか一般人には分からないため、かなり不透明な世界です。

透明度は競売が最も高いため、情報も入手しやすく、過去の傾向も分析できることから、安心して入札に参加することが可能です。

任意売却については下記記事をご確認ください。

特徴4.検討期間が短い

競売は、BITで情報が公開されてから2週間後に入札となります。

調査できる時間が2週間しかなく、検討時間が短いのが最大のネックです。

ただし、競売は本当に競売にかかる物件は2週間しか検討期間がありませんが、「競売になるかもしれない物件」に関しては4ヶ月近くの検討期間があります。

競売では、債権者が競売の申立をした後、裁判所の方で配当要求終期の公告というものが行われます。

ローンが返せなくなった債務者には、A銀行の他、B銀行やCカードローン会社、D消費者金融等のように他にも債権者がいる可能性があります。

裁判所は、A銀行から競売の申立を受けると、他の債権者に対しても、「この物件に競売の申立がされています」と知らせる必要が出てきます。

それが配当要求終期の公告です。

配当要求終期の公告は、家庭裁判所に行くとその情報を見ることができます。

インターネットでは公表されていませんが、家庭裁判所では基本的に誰でも見ることが可能です。

これから競売にかかる競売予備軍の情報を見ることができますので、配当要求終期の公告を利用すれば、物件の検討期間を十分に取ることができます。

特徴5.取り下げられてしまうことがある

競売は、債権者によって取り下げられてしまうことがあるという特徴があります。

競売の取り下げとは、競売を申立てた債権者が、「やっぱり競売はやめます」とストップすること

配当要求終期の公告で公開される物件は、全て競売にかかるわけではありません。

せっかく事前に情報を得たとしても、競売に至らないことが多いということを知っておく必要があります。

競売が取り下げられる理由は、ほとんどが任意売却への切り替えです。

配当要求終期の公告によって、任意売却業者が債務者に営業をかけることで、かなりの物件が任意売却に寝返ってしまいます。

任意売却業者が高く売れそうな物件を選んで営業することから、良い物件ほど任意売却となってしまいます。

欲しいと思った物件でも、競売まで至らないことが多いというのも知っておきましょう。

特徴6.資金調達しにくい

競売は、2週間と準備期間が短いため、その間に資金調達がしにくいというのがネックになります。

プロの不動産会社は、普段から競売用に借入をしていますので、短期間で資金調達することができます。

しかしながら、個人の場合は、借入がかなり難しいです。

そのため、貯金で購入できるように、あらかじめ貯金を用意しておく必要があります。

特徴7.競合相手はほとんどプロである

競売は、検討期間が短く、資金調達もしにくいため、入札の参加者はほとんどがプロの不動産会社です。

プロの不動産会社は、転売用に仕入目的で競売に参加します。

ただし、プロは転売用にできるだけ安く購入しようとするため、プロが多く参加することで、価格がある程度抑えられているのも事実です。

プロも過去の落札価格の傾向をBITで研究した上で入札に参加します。

そのため、過去の研究は非常に重要であり、逆に過去の傾向を掴めば素人でも落札できる可能性は十分にあるということです。

競売に参加するのであれば、BITで過去の落札結果を十分に精査した上で参加するようにしましょう。

特徴8.落札できるとは限らない

競売は、入札ですので落札できるとは限らないという特徴があります。

せっかく良い物件を見つけたとしても、購入できない可能性は高いです。

プロの不動産会社でも、だいたい3分の1程度の確率でしか落札していません。

プロは高く買い過ぎると商売にならないため、決して無理をしていないというのも理由です。

個人であっても、無理せず安い価格で買うには、やはり落札できるのは良くて3分の1程度の確率になるものと思われます。

安く物件を買うのであれば、気長に構えて、何回も競売に参加するのがコツになります。

以上、ここまで競売物件の8つの特徴について見てきました。

では、競売物件はどのように見極めれば良いのでしょうか。

そこで次に、競売物件の落とし穴とヤバイ物件の見極め方について解説いたします。

3.競売物件の落とし穴とヤバイ物件の見極め方

競売は、とっくの昔にクリーンな世界になっていますが、昔の印象が強すぎて、いまだに落とし穴やヤバイ物件があると思っている人も多いようです。

競売は、最終的に裁判所が物件を綺麗にした状態で引き渡してくれるため、何らかの法的な問題を抱えているということはありません。

そのため、競売物件だから「ヤバイ」とか「落とし穴がある」ということは無いです。

しかしながら、競売は検討時間が短く、情報も少ないため、物件の状態が十分に分からないというリスクがあります。

売主にヒアリングをすることもできませんし、間に不動産会社が入って調査してくれることもありません。

短い期間の中で、良い物件を見極めるのは、基本的に誰がやっても難しいです。

では、プロの不動産会社はどのようにしているかというと、基本的に「更地」や「相当に築古の建物がある戸建」をターゲットに物件を購入しています。

更地であれば、ほとんどリスクがありませんので、安心して購入することができます。

また、相当に築古の建物がある戸建なら、落札後、取り壊して更地で売却すれば、建物のリスクを全て回避した状態で売却することができます。

競売に限らず、不動産で問題を抱えているのは、多くの場合、建物です。

雨漏りや家の傾き、シロアリによる床下の腐食等、ほとんどの問題は建物に起因します。

そのため、ヤバイ物件を買わないようにするには、まずは「更地を狙う」というのが一番良い方法です。

取壊し費用も負担できる余裕があれば、築古の戸建を購入しても構いません。

いずれにしても、建物は何が潜んでいるのか分からないため、最初に戸建ては手を出さないことをおススメします。

競売で物件を購入するのであれば、更地を安く購入するために利用するのが良いです。

解体費用については下記記事で詳しく解説しています。

4.まとめ

以上、ここまで、競売物件とは何かということや、購入する前に知っておきたい8つの特徴について見てきました。

競売物件は、大きな問題はありませんが、買いにくいのは事実です。

なかなか手が出にくいですが、欲しい物件が競売で出たらチャレンジしてください。

配当要求終期の公告を利用して、できるだけ先に情報を集めながら購入の準備をするのが良いでしょう。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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