競売とは?競売物件の特徴と購入するための入札金額の決め方

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

不動産を安く買う方法の一つに競売があります。

不動産は安く購入するが難しい資産ですが、競売は不動産を安く購入でき、一般人に開かれた数少ない貴重な市場です。

競売で不動産購入を検討している人が悩む疑問

  • 「競売って、どんな特徴があるの?」
  • 「興味はあるけど、どうやって競売に参加すればいいの?」
  • 「競売で物件を購入するときは、何に注意すればいいの?」

そこでこの記事では、「競売」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、競売で物件を購入する前に知っておきたい基礎知識について知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

1.競売物件の特徴

この記事をお読みいただいている人は、既に競売の関心が高いため、競売に関する誤解は少ないものと思われます。

かつて、競売はダークなイメージがあり、リスクの高い物件と考えられていました。

昔は「占有屋」と呼ばれる人たちが存在し、競売で購入した後の物件が占有屋に居座られるということがありました。

しかしながら、平成16年に民法の短期賃貸借の保護制度が廃止されたことから、競売は一気に改善され、現在は一般人でも利用しやすい状況に変わっています。

現在の競売では、裁判所の執行官が法的な問題を全てクリーンな状態に片づけてくれるため、競売は個人でも安全な物件を購入できる市場になりました。

競売で購入する物件自体には問題はありません。

昔に比べると競売価格は上がっている

そのため、競売は昔に比べると価格が高くなっています。

ただし、競売は入札期間が1週間だけであり、スピーディーな対応を求められるため、入札できる人が限られています。

購入者が限定されるという点では、価格は上がりにくいので、普通に買うよりは安くなります。

昔のようにリスクがあるから安いというのではなく、手続きが早過ぎて買いにくいというのが現在の競売の安い理由です。

以上、ここまで競売物件の特徴について見てきました。

では、競売までどのようなことをしておけば良いのでしょうか。

そこで次に、競売までの流れについて解説いたします。

2.競売が実施されるまでの全体の流れ12ステップ

競売を理解するために、債務者が債務を滞納したから競売が終了するまでの全体の流れについて解説します。

競売が実施されるまでの流れ12ステップ

  1. ローンの滞納
  2. 金融機関からの催促状の送付
  3. 債権者の移行
  4. 競売申立
  5. 現状調査
  6. 配当要求終期の公告
  7. 債務者への入札通知
  8. BITでの情報公開
  9. 期間入札の開始
  10. 開札
  11. 売却の決定
  12. 物件の引渡

それぞれのステップを簡単に見ていきましょう。

ステップ1.ローンの滞納

競売の「ことの発端」は、ローンの滞納です。

ローンの滞納が3ヶ月以上続くと、債務者はブラックリストに載ります。

ステップ2.金融機関から督促状の送付

ローンの滞納が開始されると、金融機関から催促状・督促状が届きます。

これを無視すると、ローン残債の一括返済が求められます。

ステップ3.債権者の移行

ローンの滞納から4~6ヶ月を過ぎると、債権者が銀行から保証会社や債権回収会社(サービサー)に移行されます。

この間に、任意売却に移行してしまうことが多いです。

ステップ4.競売申立

任意売却されなかった物件は、その後、1~2ヶ月の間に債権者が競売申立を行います。

申立てが受理されると、競売開始決定の通知が債務者へ届きます。

ステップ5.現状調査

競売開始決定から1ヶ月ほど過ぎると、執行官や鑑定人による物件の現地調査が行われます。

ここで権利関係や価格が調査され、その内容が3点セットに反映されます。

3点セットについては第3章で解説します。

ステップ6.配当要求終期の公告

現地調査が終わった後、1ヶ月ほどすると「配当要求終期の公告」というものがあります。

配当要求終期の公告とは、これから「こういう物件が競売に係りますよ」という予告です。

本来は競売を申し立てた債権者以外の債権者のために行うものです。

配当要求終期の公告は、裁判所に行くと誰でも閲覧可能です。

配当要求終期の公告の期間は2ヶ月です。

競売は物件の情報公開期間が2週間と短いですが、配当要求終期の公告を見れば、事前にどういう物件が今後競売にかかるのかを知ることができます。

競売で物件を買うには、配当要求終期の公告で、ある程度物件の目星を付けておくことがポイントとなります。

ステップ7.債務者への入札通知

配当要求終期の公告が終了すると、債務者の元に入札の通知が届きます。

その後、2ヶ月ほどすると、裁判所が運営する不動産競売物件情報サイト(通称「BIT」)に3点セットが公開されます。

ただし、この2か月間の間でも、まだ競売を取り下げることが可能です。

債務者が債権者と交渉し、任意売却に切替えるなどの措置を取ると、債権者から競売が取り下げられることになります。

そのため、せっかく配当要求終期の公告で上昇を先行入手したとしても、競売にならない物件も多くあります。

配当要求終期の公告では、任意売却業者も情報確認をしており、そこから債務者に営業をかけて任意売却に切替えさせることがあるからです。

配当要求終期の公告で確認した情報は、全てが競売にかからないと理解しておく必要があります。

ステップ8.BITでの情報公開

配当要求終期の公告以降、任意売却に切り替わらなかった物件は、いよいよ競売になります。

BITで3点セットの情報公開が行われますが、その期間は2週間のみです。

2週間で物件の良し悪しを判断し、お金の目途を付け、入札の準備を整えます。

ステップ9.期間入札の開始

2週間の情報公開期間が終わった後、入札が開始されます。

入札期間は1週間です。

ステップ10.開札

入札が終了し、1週間経つと開札が行われます。

ステップ11.売却の決定

開札後、1ヶ月過ぎると売却が決定されます。

ステップ12.物件の引渡

物件の引渡は、売却の決定後1ヶ月程度です。

債務者からすると、競売はローンの滞納から物件の引渡まで1~1.5年程度の長期にわたります。

一方で、買受人(競売で購入する人)にとっては、BITの情報公開で2週間、入札で1週間となり、3週間しか時間がありません。

BITの情報公開から入札締め切りまでの3週間が勝負となります。


以上、ここまで競売までの流れについて見てきました。

では、競売物件に関する書類はどのように読めば良いのでしょうか。

そこで次に、3点セットの読み方について解説いたします。

3.競売物件の書類「3点セット」の読み方

競売される物件は、BITで3点セットの情報公開が行われます。

3点セットとは、「物件明細書」、「現況調査報告書」、「評価書」の3つの書類のことを指します。

物件明細書

物件明細書には、「売却基準価額」と「買受可能価額」の2つの価額が記載されています。

このうち、「買受可能価額」がいわゆる最低入札価額となり、入札では「買受可能価額」よりも高い金額を入れることになります。

また、「買受申出保証額」というものがあります。

これがいわゆる保証金と呼ばれるものです。

保証金は入札までにお金を用意し、入札期限終了までに納付しなければなりません。

「買受申出保証額」は、「売却基準価額」と「買受可能価額」との差額です。

「買受申出保証額」は、「売却基準価額」の20%に相当します。

入札では、金額だけ記入しますので、入札時に実際に用意するお金は「買受申出保証額」のみになります。

保証金は、落札できなかった場合には、返金されます。

現況調査報告書

現況調査報告書は、裁判所の執行官が作成する書類です。

現況調査報告書には、主に以下の事項が書かれています。

  1. 土地の現況地目
  2. 建物の種類・構造
  3. 不動産を占有している者の氏名
  4. 占有者の権限等

競売物件は、原則、中を見ることができませんので、現況調査報告書はしっかりと読み込む必要があります。

現況調査報告書には執行官が作成した間取図も載っています。

建物の内部がどのようになっているかは、間取り図と写真をしっかり見て確認するようにして下さい。

評価書

評価書は裁判所から選任された不動産鑑定士が行った鑑定評価書になります。

評価書の評価額が売却基準価額となります。

売却基準価額は、概ね市場価格の70%程度です。

競売は、市場価格の70%で購入できるわけではなく、この70%の価格が入札のスタートラインとなるだけです。

応札する金額は、売却基準価額を元に考えます。

過去の入札結果を良く見て、売却基準価額からどれだけ金額を積めば落札できるのか、研究した上で応札するのが良いでしょう。


以上、ここまで3点セットの読み方について見てきました。

では、入札の前には何をすれば良いのでしょうか。

そこで次に、札入れ前に分析すべきポイントについて解説いたします。

4.札入れ前に分析すべきポイント

競売で物件を購入していくには、実際に落札できるかどうかがポイントです。

当然、高い金額を提示すれば落札はできますが、せっかく安く購入できる制度なのに、高過ぎる金額を提示しても旨みがありません。

そこで、札入れ前に過去の入札はどの程度の金額で落札されていたかを分析することがポイントです。

競売は非常に透明性の高い取引であるため、BITで過去の落札情報も全て公開されています。

ここで、東京地方裁判所における開札期日が平成30年12月6日の戸建ての売却結果一覧を示します。

所在地 売却基準価額 売却価額 倍率
新宿区住吉町72番地他 117,830,000 227,934,000 1.9倍
台東区三筋一丁目33番地4 81,600,000 151,111,111 1.9倍
板橋区志村二丁目8番地1 41,520,000 61,555,558 1.5倍
東京都大島町元町三丁目3番地2 2,590,000 3,168,000 1.2倍
練馬区石神井町八丁目1697番地44 20,210,000 26,500,001 1.3倍
豊島区池袋本町二丁目322番地1 15,240,000 18,721,000 1.2倍
杉並区和泉二丁目686番地24 52,100,000 75,432,100 1.4倍
葛飾区堀切二丁目57番地23 8,130,000 16,000,000 2.0倍
新宿区富久町19番地54 42,560,000 60,000,000 1.4倍
世田谷区代田三丁目767番地24 43,220,000 57,620,000 1.3倍

筆者の方で「売却価額」は「売却基準価額」の何倍なのかを「倍率」の欄で計算して示しています。

戸建ての落札結果は概ね「売却基準価額」の1.2~2.0倍の中に集中しています。

平均すると1.5倍という計算です。

物件にもよりますが、分析結果より売却基準価額の1.5倍程度の金額で応札すれば、落札できる可能性があります。

どうしても欲しい物件であれば、1.9倍程度の金額を入れると、かなりの確率で落札できるものを思われます。

このように、応札金額を決めるには、過去の入札結果を分析することが重要です。

競売で物件購入するプロも、過去の結果を分析しながら応札価格を決めています。

プロは決して高く買わないため、打率としては3割程度です。

焦って高く札を入れず、「このくらいかな~」という金額で、3回に1回程度で落札できているイメージです。

競売で高く買うのは馬鹿馬鹿しいので、「落とせればラッキー」程度に考え、気楽に参加するのが良いでしょう。

5.まとめ

以上、ここまで、競売で物件を購入する前に知っておきたい基礎知識について見てきました。

競売の落札金額は、思いのほか高いです。

すごく安く買えるわけではないのですが、普通に買うよりは安いです。

競売では色々な物件が次々に出てきますので、一発で決めようとせず、何回かチャレンジしながら感覚を掴むことをおススメします。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

takataka

「この記事を人に教えたい!」と思ったらシェアをお願いします。

コメントを残す

avatar
  Subscribe  
Notify of