スムーズな住み替えに必要な計画と資金繰り方法・税金の注意点を解説

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子供の進学や転勤、転職、退職などライフステージの変化は、住み替えを考えるタイミングでもあります。

スムーズに住み替えるには、スケジュールと資金繰りの計画を十分に立てることが重要です。

また税金の特例の知識を持っていると損をせず住み替えすることが可能となります。

住み替えについて知りたい人の中には、

住み替えについての疑問に思ってる人の悩み

  • 「住み替えって、どのタイミングですればいいの?」
  • 「住み替えの計画って、どうやって立てればいいの?」
  • 「住み替えたいけど…資金の問題は、どうすればいいの?」

等々のことを思っている人も多いと思います。

そこでこの記事では、「住み替え」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、スムーズな住み替えに必要な計画と資金繰り方法、税金の注意点について知ることができます。

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1.住み替えのタイミング

住み替えのタイミングは、「自分たちに住み替えが必要となった時期」に住み替えるというのが結論です。

自分たちに住み替えが必要となった時期とは、例えば以下のようなタイミングです。

住み替えのタイミング一例

  • 子供が生まれて家族が増えた
  • 子供が小学校に入学する
  • 子供が就職して家を出て家族が減った
  • 転勤を言い渡された
  • 転職することになった
  • 親の介護が必要となった
  • 退職した

たまに、築年数で売却のタイミングを考える人もいますが、結論からすると、築年数にはいつまでに売却した方が良いという答えはありません。

以下に、東日本不動産流通機構による築年数別の首都圏におけるマンションと戸建ての価格の推移を示します。

マンションも戸建ても、築年数を追うごとに価格は下がっており、「何年までなら高く売れる」といったものはありません。

価格は建物価格がゼロとなり、土地価格のみで取引されるまで毎年下がり続けます。

マンション築年数別価格 戸建築年数別売却価格

住宅は、一旦購入した以上、下がり続ける資産ですので、損したり得したりするタイミングというのは存在しないのです。

よって、住み替えのタイミングは、あくまでも自分たちの都合で、住み替えが必要となったときに住み替えれば良いということになります。

以上、ここまで住み替えのタイミングについて見てきました。

住み替えのタイミングを見据えて、住み替え計画を立てる必要があります。

そこで次に、住み替え計画を立てることについて解説いたします。

2.住み替え計画を立てる

住み替えには、売却を先に行う「売り先行」と、購入を先に行う「買い先行」の2つが存在します。

「売り先行」と「買い先行」のそれぞれのメリットとデメリットは以下の通りです。

 メリットデメリット
売り先行・売却代金が先に入金されるため資金繰りが楽になる。 ・ローンが残っていれば二重ローンとはならない。 ・焦らずにしっかりと売却ができる。・住みながら売却することになり、売りにくい。 ・焦って購入してしまうことがある。 ・購入先が決まらないと仮住まいとなり、2回の引越等の余計な費用がかかる。
買い先行・購入物件を焦らずにじっくりと探すことができる。 ・退去した状態で売却するため、売りやすい。・購入する住宅との二重ローンが発生する場合は経済的負担が重くなる。 ・売却代金を購入物件の頭金にすることができない。

売り先行とは

売り先行とは、売却を先に行い、購入は後で行う住み替え方法

売り先行は売却を先に行うため、その売買代金を購入に充てることができます。

また、住宅ローンを返済中の人は、購入物件との二重の住宅ローンの発生を回避することができます。

そのため、資金的な負担は売り先行の方が軽いため、住み替えでは売り先行を利用する人が多いです。

ただし、売り先行では「住みながら売却する」ことになり、売却しにくいというデメリットがあります。

家は、引越後の空き家の状態にした方が綺麗な印象を与えることができます。

また、購入希望者の内覧(購入希望者に家を見せること)も不動産会社に任せてしまうことができます。

売り先行は、売主が内覧の対応もしなければならいため、売りにくいというデメリットがあります。

売り先行の流れのイメージは、以下の通りです。

売り先行の流れ

売り先行の流れ

売り先行のスケジュールは、売却後の購入がかなりアクロバティックであり、物件をあわてて購入してしまうというリスクもあります。

住みながら売却する方法については下記記事にさらに詳しく解説しています。

買い先行とは

買い先行とは、購入を先に行い、売却は後で行う住み替え方法

買い先行は、焦らずじっくり物件を購入することができます

また空き家の状態で物件を売却することができるため、売却もしやすいです。

ドラマの「家売るオンナ」では、やたらと空き家状態の物件を売却しているシーンが多かったですが、三軒家万智は売りやすい家を売っていたことになります。

売買のしやすさに関しては、買い先行の方が良いですが、買い先行は売却資金をあてにせず購入することにあるため、資金的に余裕のあるキャッシュリッチな人しかできません

住宅ローンを既に完済している人や、次の物件を貯金でポンと買えてしまう人が買い先行を選択します。

買い先行の流れのイメージは、以下の通りです。

買い先行の流れ

買い先行の流れ

買い先行は、スケジュールとしては理想的な住み替え方法となります。

以上、ここまで住み替え計画を立てることについて見てきました。

計画が立ったら、資金の問題を解決しなければなりません。

そこで次に、資金繰りの問題を解決することについて解説いたします。

3.資金繰りの問題を解決する2つの方法

資金繰りの問題を解決するのは、以下の2つの方法があります。

資金繰りの解決策2つ

  1. 住み替えローン
  2. つなぎ融資

解決策1.住み替えローン

住み替えローンとは、売却物件がオーバーローン(※)となる場合、購入物件で借りるローンに売却で返済しきれなかったローン残債を上乗せして借りることができるローン
※オーバーローン:住宅ローン残債が売却額を上回っている状態
住み替えローン融資額

住み替えローン融資額

住み替えローンのメリットは、オーバーローンでも物件を売却できるという点です。

一方で、住み替えローンのデメリットは、担保価値以上に借り過ぎているという点になります。

銀行からすると担保価値以上にお金を貸すため、大企業に勤めている人など、条件の良い人でないと貸すことができません

一部の人しか利用できないのが住み替えローンの特徴です。

住み替えローンについては、下記記事に詳しく記載しています。

解決策2.つなぎ融資

つなぎ融資とは、住み替えで売却を先行させるつもりだったのに購入が先になったときに使う融資

つまり、売り先行を選択した人でタイミングが合わなくなったときに利用する融資になります。

売却と購入を同時に進めようとすると、売却が長引いたり、気に入った購入物件が早く見つかったりすることがあります。

気に入った物件が現れたとき、売却が終わっていなくてもパッとお金を調達できるのが買い替えのつなぎ融資になります。

つなぎ融資を使うと、疑似的に売り先行が買い先行のような状態となります。

売却も購入もしやすくなるので、つなぎ融資のメリットは大きいです。

つなぎ融資については、下記記事に詳しく記載しています。

以上、ここまで資金繰りの問題を解決することについて見てきました。

住み替えの場合は、税金にも注意する必要があります。

そこで次に、住み替えで使う税金特例の注意点について解説いたします。

4.住み替えで使う税金特例の注意点

住み替えでは、売却する不動産に譲渡損失が発生した場合、「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」というものが利用できます。

譲渡損失とは、以下の計算式で求められるマイナスの値
 譲渡損失 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 < ゼロ
・譲渡価額…売却額
・取得費…土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した後の価額
・譲渡費用…仲介手数料や測量費など土地の譲渡に要した費用

居住用財産と呼ばれるマイホームを売却して、譲渡損失が発生した場合、その損失を他の給与所得等に合算することができます。

これを損益通算と呼びます。

例えば、給与所得が700万円の人が、売却により譲渡損失▲1,000万円を発生させたとします。

すると、損益通算によりその人の所得は▲300万円(=700万円―1,000万円)となります。

給与所得者は、会社が所得700万円を前提に所得税等を天引きしていますが、最終的にその人の所得は▲300万円と確定したため、300万円を前提として支払っていた所得税等が払い過ぎていたということになり、還付を受けるという仕組みです。

さらに、この▲300万円は翌年も繰り越すことができます。

これを繰越控除と呼びます。

「居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を使うには、売却物件と購入物件で以下の要件を満たす必要があります。

売却物件の要件

2019年12月31日までの間に譲渡される自己の居住の用に供する家屋またはその敷地で、その譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもののうち、次の1から4のいずれかに該当するものであること (1)現に自分が住んでいる住宅 (2)以前に自分が住んでいた住宅で、自分が住まなくなった日から3年後の12月31日までの間に譲渡されるもの (3)(1)や(2)の住宅及びその敷地 (4)災害によって滅失した1の住宅の敷地で、その住宅が滅失しなかったならば、その年の1月1日における所有期間が5年を超えている住宅の敷地 ただし、その災害があった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡されるものに限る。

購入物件の要件

(1)譲渡資産の譲渡した年の前年の1月1日から翌年12月31日までの間に取得される自己の居住用に供する家屋またはその敷地 (2)その家屋の居住部分の床面積が50㎡以上であること (3)その取得の日から取得した年の翌年の12月31日までの間に自己の居住の用に供すること、または供する見込みであること (4)繰越控除を受けようとする年の12月31日において、買換え資産に係る住宅借入金等(返済期間10年以上のローン契約等によるもの)の金額を有していること

注意点としては、購入物件で10年以上のローンを組む必要があるという点です。

住み替えでは、売却物件で現金が入るため、購入物件で住宅ローンを組まない人もいます。

特例を使えると思っていたのに、10年以上のローンを組まなかったがために、特例が使えなかったというケースがあります。

譲渡損失が出る人は、住み替え前に要件を良く確認した上で実行するようにしましょう。

住み替えの特例については下記記事でさらに詳しく解説しています

5.まとめ

以上、ここまで、スムーズな住み替えに必要な計画と資金繰り方法、税金の注意点について見てきました。

住み替えには入念な計画と資金繰りが必要です。

税金の要件にも注意しながら進めるようにしてください。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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