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不動産売却時の法人・個人の税金の違いと注意したい消費税・消費者契約法・無償譲渡

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同じ不動産を売却するにしても、法人が売却するのと個人が売却するのではその税制や適用される法律が異なってきます。

またタダであげる無償譲渡でも、本人や相手方が個人や法人か否かで対応が異なるため注意が必要です。 

これから不動産を売却しようとしている人の中には、

  • 売主が法人と個人では違いがあるのだろうか
  • 法人が売主となる場合の注意点は何だろうか
  • 法人と個人で不動産売却において発生する税金に違いはあるのだろうか

等々のことを思っている方も多いと思います。 

そこで今回の記事では不動産売却における「法人と個人の違い」にフォーカスしてお伝えいたします。

この記事を読むことで、あなたは税金や消費税、消費者契約法、無償譲渡の違いについて理解することができます。

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1.法人と個人の不動産売却時の税金の違い

  • 法人が不動産を売却したときは法人税が発生
  • 個人が不動産を売却したときは所得税および住民税が発生

税金については、法人も個人も取得費(建物は減価償却後のもの)よりも高く売却できた場合に、その利益に対して課税が行われます。 

法人は、決算書の貸借対照表上に土地と建物の簿価が記載されています。

固定資産が簿価よりも高く売却できれば、特別利益が発生し、簿価よりも低ければ特別損失が発生します。 

特別損失が発生すれば、経常利益がプラスであっても節税をすることができます。

法人の場合は、利益が出過ぎてしまった期に、高い簿価の不動産を、特別損失を出して売却すれば節税することができます。 

また法人が特別利益を出てしまった場合は、経常利益に特別利益が加算されるため、法人税が増えることになります。 

一方で、個人の場合は、マイホームの売却に関しては利益が出たとしても、利益を圧縮してくれる特例が存在します。

利益を圧縮してくれる特例には、3,000万円特別控除というものがあります。 

特例を受けるための適用要件。

  • (1) 自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年目を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
  • (注) 住んでいた家屋又は住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の2つの要件全てに当てはまることが必要です。
  • イ その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売ること。
  • ロ 家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。
  • (2) 売った年の前年及び前々年にこの特例の適用を受けていないこと(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除きます。)。
  • (3) マイホームの買換えやマイホームの交換の特例若しくは、マイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
  • (4) 売った家屋や敷地について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
  • (5) 災害によって滅失した家屋の場合は、その敷地を住まなくなった日から3年目の年の12月31日まで(注)に売ること。
  • (注) 東日本大震災により滅失した家屋の場合は、災害があった日から7年を経過する日の属する年の12月31日までとなります(「東日本大震災により被害を受けた場合等の税金の取扱いについて(個人の方を対象とした取扱い)【東日本大震災に関する税制上の追加措置について(所得税関係)】」をご覧ください。)。
  • (6) 売手と買手が、親子や夫婦など特別な関係でないこと。
     特別な関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。

国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」より

このような利益を圧縮してくれる特例は、法人が家を売却しても適用できません。

また、売主が個人でも、売却する不動産がマイホーム以外の不動産であれば、利益を圧縮してくれるような特例はありません。 

税金に関しては、個人がマイホームを売却したときに限り、なるべく税金がかからないような手厚い特例が整備されています。 

同じ家を売却しても、売主が誰かによって、税金の特例が適用出来たり出来なかったりするということを理解しておきましょう。 

個人がマイホームを売却したときに使える税金は、下記にまとめてありますので、ぜひご参照ください。 

こちらの記事もチェック!>>
家を売却した時にかかる費用と税金は?お得な特例についても解説

以上、ここまで法人と個人の税金の違いについて見てきました。

法人と個人では、消費税の扱いが大きく異なります。

そこで次に消費税の扱いについてご紹介します。 

2.不動産を売却するときの「消費税」の扱い

不動産は、消費税に関してはとても複雑なルールがあります。 

まず消費税の仕組みについて解説します。

消費税は、毎日多くの人が買い物のときに支払っていますが、実は買い物のときに支払っている消費税は、納税をしているわけではありません。 

消費税の納税は課税事業者と呼ばれる事業者が行います。

課税事業者とは、法人や個人事業主のことです。

ここで言う個人事業主とは、理髪店やラーメン店を営んでいるような個人を指し、純粋なサラリーマンや主婦等の個人とは異なります。

とりあえず個人事業主も法人と捉えてください。 

例えば、ショップAという法人の課税事業者を例に考えます。

ショップAから100円の商品を購入すると、購入者は税込108円(平成30年5月現在)をショップAに支払います。 

ショップAは8円の消費税を預かります。

この預かった消費税のことを預り消費税と呼びます。 

一方で、ショップAはこの商品を50円で仕入れていたとします。

50円の商品を仕入れたとき、税込54円を支払いました。

ショップAは4円の消費税を支払いましたが、この支払った消費税のことを支払消費税と呼びます。 

ショップAは、最終的に預り消費税8円と支払消費税4円との差額である4円を消費税として国へ納めます。

このように、国へ消費税を納める人は、あくまでも課税事業者であり、消費者ではないということがポイントです。 

建物に消費税はかかる、土地には消費税がかからない

一方で、不動産に関しては、建物に消費税がかかり、土地には消費税がかからないというルールがあります。

つまり、不動産を売ると建物に消費税が発生します。 

ところが、個人は課税事業者ではありませんので、消費税の納税義務はないことになります。

  • 個人は不動産を売却して消費税を預かっても納税することはありません。
  • 法人は課税事業者となりますので、消費税の納税義務があります。

不動産を売却すると建物消費税を預からなければなりません。 

例えば、建物価格2,000万円、土地価格1,000万円の家があったとします。

この家を個人が売主となった場合は、3,000万円(=建物2,000万円+土地1,000万円)で売却することになります。 

一方、法人が売主となった場合には、3,160万円(=建物2,160万円+土地1,000万円)で売却することになります。

建物には消費税が発生するため、2,160万円(=2,000万円×1.08)となるからです。 

消費税の関係から同じ不動産であっても法人が売る場合と個人が売る場合では、法人が売る場合の方が消費税の分だけ高くなる

逆に言えば、中古住宅を購入する場合には個人から買った方が建物消費税の分だけ得になります。 

法人が売主の場合には、建物に消費税が発生するということを理解しておきましょう。 

以上、ここまで消費税の扱いについて見てきました。

法人が売主となる場合、消費者契約法を意識しなければなりません。

そこで次に消費者契約法の扱いについて解説します。 

3.法人で不動産売却するときに注意しておきたい「消費者契約法」の扱い

消費者契約法とは、消費者を不当な契約から守ることが目的に定められた法律

消費者契約法では、消費者と事業者との間の情報の質と量、および交渉力の圧倒的格差を考慮し、事業者の一定の行為により消費者が「誤認または困惑」した場合に消費者が契約の申し込みまたは受諾の意思表示を取り消すことができる権利を定めた法律です。 

消費者契約法は、売主が法人のような事業者、買主が個人のような消費者である場合に適用される法律です。 

売主が個人の場合には消費者契約法は適用されません。

また売主が法人であっても、買主が法人の場合にも適用されません。

さらに買主が個人事業主のような事業者の場合では、消費者契約法は適用されません。 

同じ不動産を売買するのでも、売主が法人で買主が個人の場合に、突然登場してくるのが消費者契約法になります。 

注意しておきたい「消費者契約法」

実はこの消費者契約法は、とても厄介な法律になります。

消費者契約法では、消費者(買主)の利益を一方的に害する条文をさだめることを禁止しています。 

例えば、不動産の売買では、売主が瑕疵担保責任を負います。

瑕疵とは通常有すべき品質を欠くこと

具体的には雨漏りやシロアリによる腐食等が瑕疵に該当します。 

民法では、売主は、売買契約後に瑕疵が発見されると、損害賠償を負う、もしくは契約解除を求められる責任を負うことが定められています。

この責任を「瑕疵担保責任」と言います。 

ただし、この民法の規定は、買主と売主の合意があれば変更しても良いとされる任意規定となっています。 

そのため、買主が同意すれば、売主は瑕疵担保責任を全部免責することが可能です。

個人間の売買では、売主の瑕疵担保責任を全部免責することもあり、そのような契約を締結しても有効です。 

ところが、民法とは別に、売主が法人で買主が個人の場合、消費者契約法が登場してきます。

消費者契約法は、消費者の利益を一方的に害する条項は締結できませんでした。

瑕疵担保責任を全部免責するようなことは、消費者の利益を一方的に害する契約に該当します。

よって、売主が法人で買主が個人の場合には、瑕疵担保責任を全部免責するようなことができません。 

もし買主が法人や個人事業主のような事業者なら、消費者契約法は関係なくなるため、瑕疵担保責任を全部免責することができます。

同じ不動産を売るのにも、買主が誰かによって、瑕疵担保責任を全部免責できたり、できなかったりするのです。 

非常に変な話ですが、法人が売主で個人が買主の場合には、瑕疵担保責任の全部免責は消費者契約法によってできないということを理解しておきましょう。 

以上、ここまで消費者契約法の扱いについて見てきました。

法人と個人では無償譲渡する場合も異なります。

そこで最後に無償譲渡の扱いについて紹介します。 

4.法人が買主の場合は「無償譲渡」の扱いに注意

不動産を無償譲渡する場合にも法人と個人との間で差が生じます。

無償譲渡とは、「タダであげる」ということです。 

無償譲渡で一番優遇されているのが、売主は個人、買主も個人という組み合わせです。

個人間で無償譲渡することを「贈与」と呼びます。 

贈与はあくまでも売主も個人、買主も個人のときだけ適用されます。

どちらか一方が法人の場合や、売主買主の両方とも法人である場合には贈与は適用されません。 

贈与には、暦年贈与という制度があります。

暦年贈与とは、1年間で110万円以下であれば、贈与税は発生せずに無償譲渡をすることが可能

田舎の安い土地や、小さな土地を無償譲渡する場合、110万円以内であれば個人間であれば税金は発生しません。 

買主が法人だと贈与の仕組みが使えない

ところが、売主が個人で買主が法人だと、贈与の仕組みが使えません。

買主が法人で無償譲渡を行うと、時価で売却したと見なされ、みなし譲渡所得が発生し、売主に税金が発生することがあります。 

また、もらった法人でも受贈益が発生し、受贈益が法人税の対象となります。 

さらに、売主が法人の場合には、無償譲渡を行うと、時価で売隠したものとみなされます。時価が簿価よりも高ければ、売却益が発生します。 

いずれにしても、無償譲渡の場合は、個人間以外の売買は贈与が使えませんので注意が必要です。

同じ無償譲渡でも、当事者が誰かによって税金発生の有無が異なるということを理解しておきましょう。 

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5.まとめ

以上、法人と個人で異なる不動産売却の消費税と消費者契約法、無償譲渡を解説してきました。

同じ不動産を売却しても、税金や消費税、消費者契約法、無償譲渡では法人と個人の間で扱いが異なります。

違いをよく理解した上で、不動産を売却するようにしましょう。