開発許可とは?宅建受験者も読んで納得できるようにわかりやすく解説

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宅建の勉強をしていると、必ずつまずくのが「開発許可」です。

開発許可とは、一般の人にも非常に分かりにくく、理解しにくい言葉といえます。

「開発」というと、日本語ではマンション開発のように「建物を建てること」をイメージしてしまう言葉です。

しかしながら、都市計画法上の開発行為とは建物を建てることではありません。

開発許可を理解するには、まず開発とは建物を建てることではないと理解することが重要です。

開発許可を理解した人が悩む疑問

  • 「宅建で勉強中なんだけど、開発許可って何なの?」
  • 「開発許可ってわかりやすく説明すると結局何なの?」
  • 「開発許可は建築とはどう関係するの?」

そこでこの記事では、「開発許可」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、開発許可について知ることができます。

実務的な立場から、受験生の気持ちに寄り添ってわかりやすく解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

1.開発行為とは土地いじりのこと

開発行為とは、わかりやすく言うと土地いじりのこと

開発というと、マンション開発とか、再開発、商業施設の開発等々、大きな建物を建てることを日本語では「開発」と表現しています。

例えば「三井不動産や野村不動産が開発したマンション」というのは、「三井不動産や野村不動産が建てたマンション」という日本語の意味になります。

この「開発」イコール「建物を建てる」という言葉のイメージを持っていると、開発許可を理解することができません。

まずは、「開発は建物を建てることではない」と知ることが理解の第一歩です。

開発行為とは、平たく言うと、「土地いじり」・「地べたに変更を加えること」

要は、建物ではなくて、土地に何らかの行為をすることを都市計画法では「開発」と表現しています。

この章では最初に開発とは何かについて解説します。

開発行為の定義

宅建的な定義で表現すると、開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更です。

非常に分かりにくい定義ですので、間をすっ飛ばして読むと、「開発行為とは土地の区画形質の変更です。」ということです。

宅建の勉強だと、「特定工作物の定義を覚えましょう」となってしまい、徐々に意味が分からなくなりますが、とりあえず特定工作物は無視してください。

実務で1ha以上の庭球場とか、まず出てきません。

開発行為とは、「土地の区画形質の変更」であり、要は土地を掘ったり、いじくったり、使用目的を変更したりすることが開発行為に該当します。

建物を建てることではないという点がポイントです。

尚、「区画形質の変更」という言葉には、「区画」の変更と、「形状」の変更、「性質」の変更の3つが含まれます。

次節よりそれぞれの変更について解説します。

区画の変更とは

区画の変更とは、土地の区画割を変更すること

ただし、単に土地を2つに区画割するだけでは区画変更に該当しません。

開発行為で言う区画変更とは、例えば敷地内に新しく道路を新設するような区画の変更を指します。

逆に道路を廃道するような区画変更も開発行為です。

広い敷地の中に、道路をつくるようなことは、勝手にできず、なんとなく許可が必要そうなことはイメージできると思います。

実際に敷地内に道路をつくることは許可が必要ですが、その許可がまさに開発許可になのです。

形状の変更とは

形状の変更とは、切土や盛土のこと

これも子供が砂場で遊ぶような穴掘りは許可の対象ではありません。

山の斜面を大規模に切土したり、盛土したりする行為が開発行為に該当します。

特に盛土は地震の際、がけ崩れを引き起こしかねないため、勝手に行うことはできません。

一定の技術的要件を満たす必要があり、切土や盛土をするには許可が必要となります。

その許可が開発許可になるのです。

性質の変更とは

最後に性質の変更です。

性質の変更とは、宅地以外の土地(農地、雑種地等)を宅地とすること

区画や形状の変更は、ショベルカーでガガガーッと工事をする絵が浮かぶため分かりやすいです。

一方で、性質の変更だけは工事を伴わないため理解しにくくなっています。

性質の変更は、工事を伴わず、単に「地目の変更」となります。

具体的には、農地や雑種地を宅地に変更することを開発行為と呼んでいます。

宅地とは、「将来建物を建てる目的で取引される土地」または「現在建物が建っている土地」もしくは「用途地域内の土地」のこと

つまり、ぺんぺん草の生えている雑種地に建物を建てようとすると、開発許可が必要になるということです。

「あれ?そうしたら、建物を建てるには開発許可が必要で、開発許可ってやっぱり建物を建てるための許可じゃないの?」と思ってしまいます。

ここが非常に分かりにくいのですが、そうではありません。

そこで登場するのが、開発許可の面積要件になります。

では次に開発許可の面積要件について解説します。

2.開発許可の面積要件

開発許可とは、つまり「土地いじり」のことですが、一定規模以上で土地いじりをしたら許可を必要とするという要件を定めています。

開発許可は、都市計画法で定めるエリアごとに許可が必要な面積が定められています。

市街化区域とは「すでに市街地を形成している区域またはおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」です。

  • 市街化調整区域とは「市街化を抑制すべき区域」
  • 非線引都市計画区域とは、市街化区域と市街化調整区域の線引きがなされていない都市計画区域のこと

各都市計画区域における面積要件は以下の通りです。

エリア面積要件
市街化区域原則1,000㎡以上
例外市街化の状況により無秩序な市街化を防止するため特に必要があると認められ、都道府県等が条例で定めた面積以上の場合(300㎡~1,000㎡)
市街化調整区域規模に関わらず許可が必要
非線引都市計画区域 及び 準都市計画区域原則3,000㎡以上
例外市街化の状況により無秩序な市街化を防止するため特に必要があると認められ、都道府県等が条例で定めた面積以上の場合(300㎡~3,000㎡)
都市計画区域外1ha以上

市街化区域では、原則、1,000㎡以上の土地でない限り、開発行為を行っても許可は不要です。

条例によって面積は500㎡等にすることも可能です。

開発行為の中には、わかりにくい「性質の変更」というのがありました。

性質の変更は、雑種地に建物を建てようとすると必要となる開発許可です。

ここで、市街化区域なら原則、1,000㎡以上の土地でない限りそもそも開発許可は不要でした。

例えば市街化区域内で150㎡の雑種地に建物を建てようとしても、開発許可は不要ということになります。

そのため、建物を建てるために開発許可は不要であり、「開発許可は建物を建てるための許可ではない」ということになります。

繰り返しますが、開発許可とは一定面積以上の土地に対して開発行為を行う場合に必要となります。

以上、ここまで開発許可の面積要件について解説してきました。

先ほどから、「許可」という言葉が連発していますが、許可とは一体何なのでしょうか。

届出と比較すると分かりやすいので、次に許可と届出の違いについて解説いたします。

3.許可と届出は大きな違い

行政手続き上、許可と届出は大きな違いがあります。

  • 許可とは元々やってはいけないことに対し、「お許しを得てやらせてもらう」こと
  • 出とは元々やってもいいことに対し、「やりますよ」とお知らせするだけのこと

そのため、許可申請は、様々な書類の提出や、条件が本当にクリアーされているか等の審査が厳格に行われます。

許可では条件をしっかりとクリアーしたものだけが、お許しを頂くことになります。

一方で、届出申請は、届出だけですので、書類も簡単です。

届出書を出すと、「そうですか、わかりました」とあっさり受理されます。

許可と届出では、行政手続きのハードルが大きく異なり、許可というものはものすごく大変になことなのです。

実務上、開発許可では、行政側が「○○してくれたら、許可してあげる」と交換条件を出してくることがあります。

例えば、「一緒に前面道路の歩道を整備してくれたら許可してあげる」、「一緒に電柱を地中化してくれたら許可してあげる」等々、本来行政が税金で行うべき仕事を民間にぶっこんできます。

開発は許可では、行政が何の交換条件をぶっこんでくるか分からないため、民間ディベロッパーなどは開発許可に対し戦々恐々としています。

許可は「お上のお許し」を得ないとできない行為であるため、実務的に開発許可は非常に重要なテーマとなるのです。

だから宅建には毎年出題されるということになります。

以上、ここまで許可と届出は大きな違いがあることについて見てきました。

また、実務上重要なのは市街化調整区域です。

市街化調整区域はなぜ建物が建てられないのでしょうか。

そこで次に、なぜ市街化調整区域は建物が建てられないのかについて解説いたします。

4.なぜ市街化調整区域は建物が建てられないのか

市街化調整区域では、原則、建物を建てることができません。

それは、市街化調整区域の開発許可の面積要件が、「規模に関わらず許可が必要」となっているためです。

雑種地を宅地に変えることは、開発行為に該当します。

それがどんな面積でも開発許可を必要とするのが市街化調整区域です。

市街化区域では、150㎡の雑種地に建物を建てることは、開発行為ですが開発許可が必要な面積ではないため、開発許可は不要です。

一方で、市街化調整区域では、150㎡の雑種地に建物を建てることは、開発行為であり、なおかつ開発許可が必要な面積に該当するため、開発許可は必要となります。

市街化調整区域では、「規模に関わらず許可が必要」であるため、全ての土地で建物を建てようとすると開発許可が必要になるということです。

許可とは、元々やってはいけないことを、お許しを得て行う行為です。

つまり、市街化調整区域において、150㎡の雑種地に建物を建てることはやってはいけないことに該当します。

従って、市街化調整区域では、原則、建物が建てられないのです。

尚、市街化調整区域については下記記事でさらに詳しく解説しています。

5.まとめ

以上、開発許可とは?宅建受験者も読んで納得できるようにわかりやすく解説してきました。

開発とは地べたに変更を加えることです。

土地いじりの際、一定の変更については許可が必要となります。

まずは言葉のイメージを刷新し、地べたに一定の変更を加えるときは、許可が必要と理解することが重要です。

必ず宅建試験に出るところですので、十分に復習するようにして下さい。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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