家購入の年収っていくら必要?適正な住宅ローンを決める3つの基準

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住宅の購入では、年収に見合ったローンを借りる必要があります。

無理なローンを組まないためにも、住宅ローンは年収に見合った適切な範囲で借りることが重要です。

家を購入する場合に必要な年収に対する疑問

  • 「家の購入には、どのくらいの年収が必要なの?」
  • 「家購入の年収って、家族全員の年収を合わせた世帯年収でもいいの?」
  • 「家を購入する際、年収が足りていてもローンが組めないことがあるって本当?」

そこでこの記事では、「家購入の年収」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、家購入には年収がいくら必要かということや、購入の適正額、世帯収入として借りる方法について知ることができます。

年収で決まるのは借りられる住宅ローン

「家購入ではいくらの年収が必要か?」というのは適切な問いかけではありません。

「適切な住宅ローンは年収に対していくらくらいか?」という問いかけが適切です。

極端な例を言えば、全額自己資金で家を購入できれば、年収は低くでも構わないはずです。

貯金で家購入ができないことから、ローンを借りることになります。

ローンを借りる場合、借り過ぎると後で返せなくなります。

生活が苦しくならないように、住宅ローンは適切な範囲で借り、家を購入する必要があるのです。

貯金がたくさんあれば、少しだけの住宅ローンを借りても高額の家が購入できます。

そのため、家の金額と年収は、直接は関係しません。

年収で決まってくるのは、家の金額ではなく、あくまでも借りられる住宅ローンの金額ということです。

以上、ここまで年収で決まるのは借りられる住宅ローンということについて見てきました。

では、年収に対して借りられる適正な住宅ローンとはどのようなものでしょうか。

そこで次に、適正な住宅ローンの3つの基準について解説いたします。

適正な住宅ローンの3つの基準

適正な住宅ローンを借りるには、「年収倍率」と「返済比率」「完済年齢」の3つの基準を考慮する必要があります。

3つの基準は、銀行の基準と適正な基準が異なります。

筆者の考える適正な基準と銀行の基準を以下に示します。

 適正な基準銀行の基準
年収倍率5倍8倍
返済比率20%以内30%以内
完済年齢65歳80歳

銀行の基準は適正な基準よりも大きいため、実際には多く借りることができてしまいます。

よって、自分の中で適正な基準を守り、借り過ぎには注意をすることが必要です。

基準1.年収倍率

年収倍率とは、額面年収に対する住宅ローン総額の倍率

例えば年収600万円の人が3,000万円を借りる場合、年収倍率は5倍と計算されます。

銀行は、年収倍率は8倍まで許容します。

許容範囲ギリギリまで借りると、年収600万円の人は4,800万円まで借りることができてしまいます。

しかしながら、年収の8倍まで借りてしまうと、かなりきつくなるため、途中で家計が破綻する人も出てきます。

まずは、年収倍率は5倍で押さえることを目安として下さい。

基準2.返済比率

返済比率は、額面年収に対する年間返済額の金額です。

適正な返済比率の割合は20%以内となります。

銀行は30%以内まで許容しますが、やはり30%となるとかなり家計が苦しくなります。

将来、子供の成長とともに教育費が増えていくため、返済比率は20%以内で押さえていくことが重要です。

尚、年収倍率と返済比率はリンクしません

借りている金額が大きくても、返済期間が長ければ、毎月の返済額が小さくなるため、返済比率は下がります。

一方で、借りている金額が小さくても、返済期間が短ければ、毎月の返済額が大きくなるため、返済比率が上がってしまうからです。

年収倍率と返済比率は、それぞれ目安として知っておき、バランスを保つことが重要です。

返済比率については下記記事で詳しく解説しています。

基準3.完済年齢

完済年齢とは、住宅ローンを返済し終わる年齢

完済年齢は、65歳までに設定することが適切です。

今後、年金制度がどうなるかわかりませんが、今の制度が継続するとなると、年金は65歳からもらえることになります。

年金だけでは、住宅ローンを返済するのは厳しいです。

そのため、住宅ローンは年金生活となる前に返し終わるのが理想となります。

尚、銀行は完済年齢を80歳まで許容しています。

やろうと思えば、45歳で35年ローンを組むことも可能です。

適正な住宅ローンの具体例

2019年9月時点における35年住宅ローンの金利の最頻値は1.17%です。

ここで、以下の要件で借入可能額を計算してみます。

  • 年収:600万円
  • ローン:35年ローン
  • 金利:1.17%
  • ボーナス返済:なし

上記の要件で返済比率を20%として計算した場合、借入金額は「34,440,000円」となります。

年収倍率にすると5.74%となります。

この場合、年収倍率が5倍を超えていますが、返済比率を20%以内に抑えているため、適正な借入額となります。

年収倍率と返済比率は必ずしもリンクしていないことを理解しておきましょう。

以上、ここまで適正な住宅ローンの3つの基準について見てきました。

では、世帯全体の年収で住宅ローンを組むことはできるのでしょうか。

そこで次に、世帯年収で借りる方法について解説いたします。

世帯年収で借りる住宅ローンを方法

夫または妻の単独収入だけでなく、夫と妻の収入を合算して世帯収入として住宅ローンを組むことも可能です。

世帯年収で借りる方法は、以下の2つがあります。

世帯年収で借りる2つの方法

  1. 連帯債務
  2. 連帯保証

方法1.連帯債務

連帯債務とは、住宅を夫婦共有で購入し、それぞれが債務者となって住宅ローンを返済する方法

夫600万円、妻400万円の収入だったとしても、1,000万円の収入があるものとして住宅ローンを組むことができます。

年収倍率5倍で組んだ場合、5,000万円を借りることが可能です。

連帯債務にすると、夫も妻も債務者となるため、それぞれが住宅ローン控除を利用できるというメリットがあります。

住宅ローン控除とは、新築住宅等の取得で銀行から10年以上のローンを借りている場合、住んだ年から一定期間に渡り、所定緒額が所得税から控除される特例

また、2人とも所有者であることから、将来家を売却したときに2人とも「3,000万円特別控除」と呼ばれる節税特例を利用することができます。

3,000万円特別控除についてここでは詳述を避けますが、下記の記事で詳しく記載していますので、ぜひご参照ください。

ただし、連帯債務は妻に毎月の返済義務が発生するため、妻が会社を辞めて専業主婦になることが難しくなるというデメリットがあります。

専業主婦になってしまうと、妻が貯金の中から毎月住宅ローンを返済することになり、経済的にはかなり厳しいです。

連帯債務は、妻のキャリア形成の自由度が低くなるというデメリットがあります。

方法2.連帯保証

夫が主たる債務者となり、妻が連帯保証人になって組む場合でも、世帯収入として住宅ローンを組むことができます。

通常、住宅ローンを組む場合は、保証人や連帯保証人は不要です。

住宅ローンを借りる際は、保証会社を利用しますので、夫の単独収入で住宅ローンを組むようなケースでは連帯保証人は必要ありません。

連帯保証人は、あくまでも夫と妻の収入を合算するケースで必要となります。

連帯保証の場合は、住宅の所有者が主たる債務者の単独所有です。

住宅ローンについては、夫しか利用できません。

また、売却時の3,000万円特別控除も夫しか利用できないことになります。

しかしながら、債務者は夫だけであるため、妻が途中で会社を辞めても大丈夫です。

妻は債務者ではないので、収入が途絶えたとしても夫が住宅ローンを返している限り問題ありません。

妻のキャリア形成の自由度が高いというのが、連帯保証のメリットとなります。

いずれにしても、世帯収入とすれば、単独で住宅ローンを申し込むよりもずっと高い金額を借りることができます。

適正な範囲で住宅ローンの金額を増やしたい人は、ぜひ世帯収入で申し込むことを検討してみましょう。

連帯債務や連帯保証については下記記事で詳しく解説しています。

以上、ここまで世帯年収で借りる方法について見てきました。

では、年収があっても住宅ローンを組めないケースはあるのでしょうか。

そこで次に、年収があっても借りられないケースについて解説いたします。

年収があっても住宅ローンが借りられないケース

年収があっても以下のようなケースでは住宅ローンが借りられないことがあります。

年収があっても住宅ローンを借りられない2つのケース

  1. 転職したてのとき
  2. 独立したてのとき

ケース1.転職したてのとき

転職したての人は住宅ローンを借りるのが難しいです。

住宅ローンを借りられる要件の1つとして、「勤続年数3年以上」という要件があります。

転職したての場合、勤続年数3年以上の要件を満たさないことから、住宅ローンが借りられないことがあります。

特に、前職と転職先の新しい仕事が一貫していない場合や、転職理由がネガティブな場合には、「またすぐに辞めるのではないか」と懸念され、借りられないケースが多いです。

一方で、転職したてであっても、仕事内容が同じでキャリアップが分かる転職や、弁護士や公認会計士のような専門性が高い職種の事務所変更であれば、転職したてであっても借りることができます。

勤続年数3年以上の要件は、1つの目安に過ぎないので、該当する人は一度銀行に相談してみるようにしてください。

ケース2.独立したてのとき

会社を辞めて独立したての人も住宅ローンを借りるのが難しくなります。

独立した人は、基本的に独立後、3年以上黒字経営をしていることが求められます。

銀行は、本人というよりも勤務先に対してお金を貸しているため、住宅ローンは大企業や役所のような安定した勤務先に勤めている人の方が借りやすいです。

そのため、原則として住宅ローンはサラリーマンの方が借りやすくなっています。

独立したての人は、経営が安定するまで、しばらく家の購入は見送った方が良いでしょう。

まとめ

以上、ここまで、家購入には年収がいくら必要かということや、購入の適正額、世帯収入として借りる方法について見てきました。

住宅ローンは年収の5倍以内または返済比率20%以内で組むのが基本です。

適正な範囲内で住宅ローンを組み、無理のない範囲で家を購入しましょう。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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