家購入すると減税できるの?住宅ローン控除の概要と新たな動きを解説

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サラリーマンにとっての最大の減税策に住宅ローン控除があります。

家を購入すると住宅ローン控除が利用できるため、減税することが可能です。

家購入の際の疑問

  • 「家を購入すると減税になるって本当なの?」
  • 「どうして家を購入すると減税になるの?」
  • 「家購入を考えているけど、どれぐらいの減税になるのか知りたい」

そこでこの記事では、「家購入の際の減税」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、家を購入すると減税になる理由や、住宅ローン控除の概要と新たな動きについて知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、個人が新築住宅または中古住宅の購入、もしくはリフォームを行った際、10年以上のローンを組んでいる場合に、自分が住むことになった年から一定期間にわたり、所定の額が所得税から控除される制度

住宅ローン控除は、サラリーマンにとって最大の節税策といわれており、最も減税効果の大きな特例となります。

住宅ローン控除による控除期間の各年分の所得税から控除される金額は、以下の式によって算出されます。

ローン控除額 = 年末借入金残高 × 控除率

控除率や控除期間等は以下の通りです。

区分控除対象
借入限度額
控除率控除期間所得税の
最大控除額
住民税の控除限度額※1
消費税率8%または10%の場合4,000万円
(5,000万円)※2
1.0%10年間400万円
(500万円)
所得税の課税総所得金額等の合計額×7%
(最高年136,500円)
個人間による中古住宅の売買の場合2,000万円
(3,000万円)※2
1.0%10年間200万円
(300万円)
所得税の課税総所得金額等の合計額×5%
(最高年97,500円)

※1:所得税から控除しきれない場合に翌年の住民税から控除します。
※2:カッコ内の数字は、長期優良住宅または低炭素住宅の場合の金額となります。

住宅ローン控除は、消費税増税の緩和措置の機能を果たしています。

かつて、消費税が増税されたときに、国民の住宅取得意欲が減退しないように設けられたのが住宅ローン控除制度となります。

ここで、上表の「控除対象借入限度額」が個人間による中古住宅の売買の場合は2,000万円となっていることがポイントです。

「消費税率8%または10%の場合」は、控除対象借入限度額が4,000万円であるため、控除率1%を乗じると、最大40万円を所得税から控除することができます。

一方で、「個人間による中古住宅の売買の場合」は、控除対象借入限度額が2,000万円であり、控除率1%を乗じると、最大20万円しか控除できないことになります。

なぜ、このような大きな差がついているのかというと、住宅ローン控除が消費税の増税対策だからです。

不動産は、売主がサラリーマンのような個人の場合、消費税が発生しません

消費税は、課税事業者と呼ばれる事業者が、顧客から消費税を預り、仕入で支払った消費税を差し引いた額を国へ納税します。

国に直接消費税を納めている人は、消費者ではなく、課税事業者です。

課税事業者ではない個人は、不動産を売却しても消費税を預かりません。

そのため、課税事業者ではない個人が売主となると、消費税は発生しないのです。

よって、「個人間による中古住宅の売買」では、消費税の増税対策を取る必要がなく、控除される最大額は20万円と低くなっています。

つまり、中古物件を購入する場合、売主が個人だと住宅ローン控除で減税できる額は半分になってしまうことを理解しておきましょう。

住宅ローン控除については、下記記事で詳しく解説しています。

以上、ここまで住宅ローン控除とはということについて見てきました。

では、どのような家を購入すれば住宅ローン控除を使って減税できるのでしょうか。

そこで次に、住宅ローン控除を使って減税できる物件について解説いたします。

住宅ローン控除を使って減税できる物件

住宅ローン控除が受けられる要件としては、以下のような10年以上のローンを組んでいることが条件となります。

住宅ローン控除が受けられる条件

金融機関(銀行、信用金庫等の民間金融機関の他、住宅金融支援機構等の公的な機関も含む)などから借りている、返済期間が10年以上となるローン

また住宅ローン控除には、新築住宅や中古住宅において、それぞれ要件があります。

要件1.新築住宅の要件

新築住宅で住宅ローン控除を利用する場合、以下の要件が必要となります。

新築住宅で住宅ローン控除を利用する場合の要件

  1. 住宅を新築、または新築住宅を取得し、平成21年1月1日から平成33年12月31日までにその住宅を自己の居住の用に供すること。
  2. 工事完了の日または取得の日から6ヶ月以内に、自己の居住の用に供すること。
  3. 床面積が50㎡以上であること。
  4. 居住用と居住用以外の部分(例えば店舗など)があるときは、床面積の2分の1以上が居住用であること。(この場合は居住用の部分のみが控除の対象となる)

まず、ポイントとしては、「床面積が50㎡以上であること」という点です。

50㎡以上というのは、登記簿謄本の面積になります。

マンションの場合には、専有部分の登記簿謄本の面積が50㎡以上であることが必要です。

また、賃貸併用住宅のような物件で住宅ローン控除を利用する場合には、50%以上が自宅であることが条件となります。

要件2.中古住宅の要件

中古住宅で住宅ローン控除を利用する場合、以下の要件が必要となります。

中古住宅で住宅ローン控除を利用する場合の要件

  1. 中古住宅を取得し、平成21年1月1日から平成33年12月31日までにその住宅を自己の居住の用に供すること。
  2. 新築住宅の場合の②~④と同じ。
  3. 次のイ・ロのいずれかに該当すること
    イ. 建築されてから20年(耐火建築物の場合は25年)以内の家屋であること
    ロ. 築後年数に関わらず新耐震基準に適合することが証明されたもの又は、既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入しているもの(その家屋の取得の日前2年以内に保険契約の締結をしたものに限る。)

「床面積が50㎡以上」等の基本的な要件は新築と同じです。

中古の場合、ポイントとなるのが築年数になります。

要件の中に「建築されてから20年(耐火建築物の場合は25年)以内の家屋であること」というのがあります。

まず、原則としては築20年以内ですが、これは木造戸建て住宅のことを指しています。

「耐火建築物の場合は25年」と記載されていますが、耐火建築物とは鉄筋コンクリート造のような燃えにくい建物のことを指します。

耐火建築物とはマンションのこと

要件としては分かりにくいですが、つまり木造の戸建てなら20年、鉄筋コンクリート造のマンションなら25年以内というのが原則です。

では、木造で築20年超、マンションで築25年超の場合は、「築後年数に関わらず新耐震基準に適合することが証明されたもの又は、既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入しているもの」という要件が適用されます。

新耐震基準とは、昭和56年(1981年)6月1日以降に建築確認申請を通した建物のこと

それに対して、昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認申請を通した建物のことを旧耐震基準と呼びます。

旧耐震であっても、新耐震基準に適合していることを証明できる戸建てやマンションであれば、築20年または25年超であっても住宅ローン控除が利用できる物件になります。

また、瑕疵(かし)担保保険が付保されていると、築20年または25年超であっても住宅ローン控除が利用することが可能です。

  • 瑕疵担保保険とは、売却後、物件に瑕疵が発見された場合、その補修費用の一部を保険料によってカバーすることができる保険
  • 瑕疵とは、雨漏り等の住宅が通常有すべき品質を欠くこと

中古住宅は住宅ローン控除の要件が少し複雑なので、よく確認した上で購入するようにしましょう。

以上、ここまで住宅ローン控除を使って減税できる物件について見てきました。

では、住宅ローン控除を使うと、実際にどのように減税できるのでしょうか。

そこで次に、住宅ローン控除を使った減税シミュレーションについて解説いたします。

住宅ローン控除を使った減税シミュレーション

以下に4,000万円の住宅ローンを借りたAさんが、新築住宅を購入した場合の住宅ローン控除の計算例を示します。

Aさんの諸条件を以下のように仮定します。

  1. 家族構成:夫婦と子供2人
  2. 住宅借入金の年末残高:4,000万円
  3. 年収:800万円
  4. 所得控除額:175万円
  5. 課税総所得金額:425万円
  6. ローン控除前の所得税額:422,500円

住宅ローンの控除額は以下のようになります。

最初に所得税の住宅ローン控除額を計算します。
4,000万円 × 1% = 40万円 < 422,500円(ローン控除前の所得税額)
40万円がローン控除前の所得税額よりも小さいため、40万円までが所得税から控除されます。

以上、ここまで住宅ローン控除を使った減税シミュレーションについて見てきました。

では、住宅ローン控除には、今後どのような動きがあるのでしょうか。

そこで次に、2019年10月1日からはさらなる減税ということについて解説いたします。

2019年10月1日からはさらなる減税

住宅ローン控除は、消費税増税対策でした、

2019年10月1日から消費税は10%に上がりますが、消費税は増税対策であるため、住宅ローン控除にも、さらなる減税策が控えています。

消費税率10%が適用される住宅の取得をして、2019年10月1日から2020年12月31日までの間に居住の用に供した場合は、控除期間が10年から13年間となる

控除期間が延長されることにより、減税される期間が増え、減税効果がさらに高まる仕組みです。

ただし、13年間の延長は、あくまでも「消費税率8%または10%の場合」のみに適用されます。

「個人間による中古住宅の売買の場合」には適用されないので注意が必要です。

「個人間による中古住宅の売買の場合」は、そもそも消費税が発生しないため、増税の影響を考慮する必要がないからです。

具体的にどのような物件が13年に延長されるかというと、まず新築物件なら売主が課税事業者であるため、13年が適用されます。

中古でも不動産会社が売主となっている物件は、消費税が発生するため13年が適用されます。

多くの不動産会社は、課税事業者と呼ばれる消費税の納税義務がある企業となっているためです。

課税事業者から中古物件を購入する場合には、控除対象借入限度額は4,000万円で、控除期間は13年となります。

一方で、同じ中古でも、個人の売主から購入すると、消費税が発生しないため、10年から13年に延長されることはありません。

個人売主から物件を購入した場合には、消費税が10%となった後も、控除できる期間が10年のままとなります。

中古物件は、似たような物件でも売主が誰かによって減税できる額が大きく異なるため注意が必要です。

中古物件を購入して、より多くの減税効果を得たい場合には、不動産会社が売主となっている物件を購入するようにしましょう。

まとめ

以上、ここまで、家を購入すると減税になる理由や、住宅ローン控除の概要と新たな動きについて見てきました。

住宅ローン控除は、新築や中古によって条件が異なります。

また売主が課税事業者であるか否かによっても減税できる額が異なってきます。

制度を十分に理解した上で、損をしない買い物を目指すようにしてください。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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