家は築年数が長いほど、その価値は下がります。
ただ、実際には、築40年を超えていても住める家は多いです。
親が建てた家を売却したいと考えている人の中には、相場が気になる人もいらっしゃるのではないでしょうか。
家の売却相場が気になっている人の悩み
- 「おおよその売却価格が分かる方法があれば教えてほしい」
- 「我が家は築40年だけど売却したい。相場はどれくらいになるの?」
- 「古い家は解体した方がいいって聞いたけど、解体費用ってどのくらいかかるの?」
そこでこの記事では、「築40年の家売却の相場」にフォーカスしてお伝えします。
この記事を読むことであなたは、築40年を超えた家売却の相場はいくらくらいなのかということや、土地や建物の売却価格を具体的に計算する方法について知ることができます。
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目 次
1.【大前提】建物価格は20~25年でゼロになる
不動産査定では、建物価格は20~25年でゼロとして査定されます。
現在の建築技術は発達しているため、築20~25年程度の建物は、実際にはまだ新しく、十分に使えることも多いです。
それを価格ゼロとするのはどうかと思いますが、価格はゼロと査定されるのが一般的です。
例えば建物価格が3,000万円の土地なら、築20年でゼロとすると、毎年150万円ずつ価値が落ちることになります。
1日に換算すると、毎日約4,000円の価値が減っていくイメージです。
毎年150万円というと、新車が買える値段ですので、毎年新車1台分の価値が消えていくと考えると、ちょっと減額が大き過ぎる気もします。
ただし、木造建物が築20~25年で価値がゼロになるのはいくつか理由があります。
築20~25年で建物価値がゼロとなる理由
- 銀行が築20年で担保価値をゼロとすること
- 木造住宅の法定耐用年数が22年であること
1つ目としては、木造戸建て住宅は築20年で担保価値をゼロとする銀行が多いという点です。
査定でいくら値段をつけたところで、お金を借りようとすると、担保価値はゼロであるため、建物価格分のお金を借りることができません。
お金を借りることができないのであれば、買う人が少なくなり、結果、価値は下がって価格はゼロに近くなります。
2つ目としては、木造戸建て住宅の法定耐用年数が22年ということです。
法定耐用年数とは、会計上、減価償却を計上できる期間ですが、一応、躯体が維持できる年数の目安とされています。
木造の戸建て住宅は、会計上は築22年で価値が新築価格の5%まで下がるというのがルールです。
このように、銀行の担保査定や法定耐用年数が存在することにより、不動産査定においても20~25年で建物価格はゼロと査定されることが多いです。
建物価格がゼロとなると、残りは土地価格のみとなります。
土地は築年数が経過したとしても、価値が下がるモノではありません。
土地の価格は周辺の土地相場を元に、計算されます。
以上、ここまで建物価格は20~25年でゼロになることについて見てきました。
では、築40年超の家の相場はどの程度なのでしょうか。
そこで次に、築40年超の家の相場は土地価格よりも安いということについて解説いたします。
2.築40年超の家の相場は土地価格よりも安い
築40年超の家の相場は土地価格よりも安くなります。
前章で紹介したように、建物価格は築20~25年でゼロとなります。
価格としてはゼロですが、築20~25年の住宅であれば普通に住むことができます。
一般的な住宅であれば、築35年くらいであれば、普通に住めるのが今どきの住宅です。
そのため、築35年くらいまでの建物だと、購入者が今の建物をそのまま使う可能性が高くなります。
すると、建物価格はゼロですので、土地建物の価格としては、ほぼ土地のみの価格ということになります。
一方で、築35年あたりを過ぎると、建物の古さが目立ち始め、購入者が取り壊しを前提に住宅の価値を判断します。
すると、購入者が建物の取壊し費用を見越した価格が前提となり、土地価格から建物取壊し費用を控除した住宅が築35年超の家の価格ということになります。
築20年で価格がゼロになると想定し、築年数別の住宅価格の求め方を見ると、以下のようになります。
築年数別の家売却相場の計算式
- 築20年までの価格
- 住宅価格 = 土地価格 + 建物価格
- 築20年~35年までの価格
- 住宅価格 = 土地価格
- 築35年超の価格
- 住宅価格 = 土地価格 - 建物取壊し費用
築40年では取り壊し費用を見込む必要があるため、土地価格よりも安くなります。
相場を求めるためには、土地価格と建物取壊し費用を求める必要があります。
以上、ここまで相場は土地価格よりも安いということについて見てきました。
では、解体費用の相場はどのくらいになるのでしょうか。
そこで次に、解体費用の相場について解説いたします。
3.家の解体費用の相場
家の解体費用のざっくりとした目安は以下の通りです。
- 木造:1坪当たり4~5万円
- 量鉄骨造:1坪当たり6~7万円
例えば、延床面積が30坪の木造建物であれば、解体費用としては、120万円~150万円程度かかることになります。
住宅の解体現場はだいたい1現場当たり150万円前後の現場が多く、総額としては150万円前後がボリュームゾーンといえます。
解体工事は、施工のしやすさによっても影響を受けます。
隣地の建物と距離が近い場合や、閑静な住宅街で騒音を抑えなければいけない場合など、重機を使わずに手壊しで壊す必要性が出てきます。
手壊し部分が増えると、解体費用は割高となります。
ざっくりした相場は坪4~5万円でも構いませんが、最終的には解体工事費は現地を見て見積もりをしてもらう必要があります。
家を取り壊して解体するときの相場や売却方法については下記記事で詳しく解説しています。

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以上、ここまで解体費用の相場について見てきました。
では、土地の価格はどのように調べれば良いのでしょうか。
そこで次に、およその土地価格の調べ方について解説いたします。
4.およその土地価格の調べ方
土地価格は、地価公示または都道府県地価調査を使って相場を調べることができます。
地価公示は全国で約26,000ポイントあり、毎年1月1日時点の価格を公表しています。
地価公示と似たものに、都道府県地価調査があります。
都道府県地価調査は、全国で約21,000ポイントあり、毎年7月1日時点の価格を公表しています。
地価公示や都道府県地価調査の価格は、一応、時価を表しているとされます。
そのため、近くに地価公示や都道府県地価調査のポイントがある場合には、それを参考におよその土地価格を調べることができます。
地価公示や都道府県地価調査のポイントは、東京都不動産鑑定士協会が提供している「東京都の地価」というサイトで調べることが可能です。

東京都の地価
グーグルマップの地図情報と連動しており、住所を入力すると、近くの地価公示や都道府県地価調査のポイントが分かります。
サイト名は「東京都の地価」、一応、全国対応しています。
地価公示や都道府県地価調査は、例えば東京都港区なら「港住10」や「港商5」というような番号が振られています。
「港住10」の「住」は住宅地、「港商5」の「商」は商業地の値段です。
戸建ての土地は住宅地ですので、近隣の「住」と書いてある地価公示ポイントの単価を用います。
尚、地価公示や都道府県地価調査については、下記記事に詳しく記載しています。
以上、ここまでおよその土地価格の調べ方について見てきました。
では、築40年の家の相場はどのように算出されるのでしょうか。
そこで次に、売却価格の具体的計算例について解説いたします。
5.売却価格の具体的計算例
築40年の家の相場は以下の式で求められます。
一番計算な複雑なので、築40年を事例として挙げています。
築年数別の家売却相場は下記の通りですので、下記に合わせて計算してみてください。
築年数別の家売却相場の計算式
- 築20年までの価格
- 住宅価格 = 土地価格 + 建物価格
- 築20年~35年までの価格
- 住宅価格 = 土地価格
- 築35年超の価格
- 住宅価格 = 土地価格 - 建物取壊し費用
築40年の家の相場の求め方
住宅価格 = 土地価格 - 建物取壊し費用
ここで、以下の条件を元に相場を計算します。
- 物件種別:木造戸建て住宅
- 地面積:140㎡(42.35坪)
- 物延床面積:100㎡(30.25坪)
- 隣の地価公示価格:151,250円/㎡(500,000円/坪)
- 物取り壊し費用単価:12,100円/㎡(40,000円/坪)
家の相場は以下のように計算されます。
最初に土地価格を求めます。
土地価格は近隣の地価公示価格をそのまま採用することにします。
土地価格 = 土地面積 × 近隣の地価公示価格 = 140㎡ × 151,250円/㎡ = 21,175,000円
次に建物取壊し費用を求めます。
よって、家の相場は以下のようになります。
相場なので、細かい数字まで出す必要はありません。
19,965,000円なら、だいたい上2桁でまとめて2,000万円とすると、相場っぽい数字となります。
以上、ここまで売却価格の具体的計算例について見てきました。
築40年超の物件なら、古民家としての売却可能性もあります。
そこで次に、古民家売却の可能性も検討することについて解説いたします。
6.古民家売却の可能性も検討する
古民家というと、築100年以上の民家を想像しますが、最近は古民家ブームもあり、なんでもかんでも古民家として売却する傾向があります。
今は古民家ブームであるため、築40年の物件でも古民家と謳うことで高く売れるケースがあります。
古民家として売り出せば、建物を使う前提の人が購入するため、取壊し費用を見込みません。
つまり、土地価格から取り壊し費用を控除した価格で購入するのではなく、土地価格で購入します。
よって、古民家として売り出すと、ほぼ土地価格で売却することが可能となります。
普通の「古家付住宅」として売り出すと、取壊しを前提とした人が購入者の中心となりますが、古民家として売れば建物を利用する前提の人が購入者の中心となります。
築40年の古民家は、「なんちゃって古民家」ですが、売り方次第では高く売ることも可能です。
古民家として売却するには、以下のような古民家専用サイトに物件登録することで、売る方法があります。
上記のようなサイトを使って、古民家を求めている人向けに情報発信をした方が、高く売れるケースがあります。
売り方の一つの方法として、ご参考にしていただければと思います。
まとめ
以上、築40年を超えた家売却の相場はどのくらいなのかについて見てきました。
築40年超の物件は、土地価格よりも価格が安くなります。
地価公示や都道府県地価調査で土地価格を求め、取壊し費用を引いた金額がおよその相場です。
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