連帯債務人と連帯保証人の違いは?夫婦で住宅ローンを組むなら連帯債務者がお得

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近年は平均年収の低下と住宅価格の高騰の両方が生じており、共働きで住宅ローンを組まざるを得ない状況が増えてきました。

夫と妻の収入を合算し、世帯収入を前提に住宅ローンを組む方法としては、「連帯債務」または「連帯保証」の2つのパターンがあります。

経済的なメリットとしては、どちらかというと連帯債務の方がお得です。

夫婦共同でローンを組もうと考えている人が悩むこと

  • 「連帯債務ってどんな住宅ローンなの?」
  • 「連帯債務の具体的なメリットはどんなもの?」
  • 「連帯債務者の注意点は何なの?」

そこでこの記事では、「住宅ローンにおける連帯債務者」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、夫婦で住宅ローンを組むなら連帯債務者がお得であるということや、その注意点について知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

1.連帯債務者とは

連帯債務者とは、主債務者と連帯して負う債務を負う債務者のこと

連帯債務者は、主債務者と同一の立場になるため、いつでも金融機関から返済請求を受けることになります。

似たような概念として、連帯保証人があります。

連帯保証人とは、主たる債務者が住宅ローンの返済が滞ったときに、代わりに返済する義務がある人

連帯債務者と連帯保証人の違い

連帯債務者は主たる債務者が返済に滞らなくても返済請求を受けますが、連帯保証人は主たる債務者が返済に滞ったときにはじめて返済瀬級を受けるという違いがあります。

連帯債務では、住宅を共有で購入するのが通常です。

共有持分割合が、夫が60%、妻が40%となる場合は、主たる債務者が夫で、連帯債務者が妻になります。

住宅ローンについては夫と妻で1本のローンを組みますが、夫が60%、妻が40%をそれぞれ返済していきます。

一方で、連帯保証では、主たる債務者が単独名義で住宅を購入します。

主たる債務者が夫で、連帯保証人が妻の場合、住宅の所有権は100%夫のものとなります。

住宅ローンについては1本ですが、夫が100%返済していきます。

本来、住宅ローンは連帯保証人を必要としません。

しかしながら、妻の収入も合算して住宅ローンを組む場合には、妻を連帯保証人として住宅ローンを組みます。

連帯債務の場合も、基本的には妻の収入も合算して住宅ローンを組むために行います。

連帯債務も連帯保証も収入合算という目的は同じです。

ただし、連帯債務では債務者が夫と妻の2人になりますが、連帯保証では債務者は夫だけになります。

また所有形態に関しては、連帯債務では夫と妻の共有になりますが、連帯保証では夫の単独所有となります。

連帯債務は夫婦の収入合算の一つの選択肢であるということを理解しておきましょう。

以上、ここまで連帯債務者について見てきました。

では、住宅ローンを組むときに連帯債務にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

そこで次に、連帯債務の住宅ローンのメリットについて解説いたします。

2.連帯債務の住宅ローンの3つのメリット

連帯債務の住宅ローンのメリットは、以下の3つがあります。

連帯債務の住宅ローンの3つのメリット

  1. 収入合算ができる
  2. 住宅ローン控除が2人分適用できる
  3. 3,000万円特別控除が2人分適用できる

メリット1.収入合算ができる

連帯債務の一番のメリットは、夫婦の収入合算ができるという点です。

収入合算できるメリットは、連帯保証も同じです。

夫婦で収入合算ができれば、住みたい場所に家を買える可能性が高くなります。

例えば、都心部の利便性の高いところに住宅を購入することができます。

夫の単独収入だけで家を買おうとすると、家が東京から電車で2時間くらい離れたところとなってしまう人でも、収入合算すれば都内に家が買える人はたくさんいます。

地獄のような満員電車に毎日2時間も揺られるよりは、通勤時間は30分程度の方が断然楽です。

例えば、年収1,000万円以上のサラリーマンは全体の4.2%しかいないと言われています。

一方で世帯収入として年収1,000万円以上の世帯は全体の12%程度もいます。

住宅ローンの年収倍率としては、世帯収入の5~6倍が適当です。

世帯収入が1,200万円の人であれば、6,000万円~7,200万円のローンを組んでも適正なローンの範囲内となります。

東京都目黒区では、60~70㎡の中古マンションの相場が6,200万円ですので、世帯収入1,200万円ある人は、目黒区の中古マンションならフルローンで購入できます。

収入合算すると都心の住宅でも購入できるというメリットが出てくるのです。

メリット2.住宅ローン控除が2人分適用できる

連帯債務のメリットとしては、住宅ローン控除が2人分適用できるという点です。

2人とも住宅ローン控除ができるという点は、蓮低保証にはないメリットとなります。

連帯保証では、債務者が主たる債務者の1人です。

夫が主たる債務者であれば、住宅ローン控除が適用できるのは夫のみということになります。

せっかく、妻も働いているのに住宅ローン控除が適用できないのは、少し不合理な気がします。

一方で、連帯謝意武者は2人とも住宅ローンの債務者となるため、2人ともそれぞれが十楽ローン控除を適用できます。

住宅ローン控除はサラリーマンができる最大の節税対策であるため、1人よりも2人で適用した方が効果は遥に大きいです。

連帯債務は住宅ローン控除が2人で利用できることから、連帯保証よりも連帯債務を選択する人が多いです。

経済的には連帯保証よりも連帯債務の方がメリットはあるといえます。

住宅ローン控除については下記記事でさらに詳しく解説しています。

メリット3. 3,000万円特別控除が2人分適用できる

連帯債務では、共有で物件を持つことから、売却時に3,000万円特別控除という節税特例を2人とも利用することができるという隠れたメリットがあります。

本来、物件の所有割合と債務の割合は必ずしも一緒にする必要はないのですが、連帯債務の場合には、基本的には債務の割合と物件の持分割合を同じにします。

住宅のようなマイホームを売却する場合、譲渡所得の計算で3,000万円特別控除という特例を適用することがあります。

3,000万円特別控除の特例を用いると、譲渡所得は以下のような計算式となります。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

※譲渡価額とは売却額です。
※取得費とは土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した額となります。
※譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用です。

譲渡所得は物件が高く売却できたような場合に発生します。

3,000万円特別控除を適用すると、3,000万円も引いてくれるため、ほとんどの場合、譲渡所得はマイナスとなります。

譲渡所得がマイナスとなれば、所得税等は発生しません。

しかしながら、希に3,000万円特別控除を適用しても、まだ譲渡所得がプラスで残っているような場合があります。

このようなときでも、共有なら3,000万円特別控除を2人で使えますので、合計で6,000万円控除することができます。

2人で3,000万円特別控除を適用すれば、控除の効果は非常に大きくなり、節税効果は一層高まるのです。

売却時も連帯保証より連帯債務の方が経済的メリットはあるといえます。

以上、ここまで連帯債務者住宅ローンのメリットについて見てきました。

では、連帯債務の住宅ローンで注意すべきことは何でしょうか。

そこで次に、連帯債務者住宅ローンの注意点について解説いたします。

3.連帯債務の住宅ローンの3つのデメリット

連帯債務の住宅ローンのデメリットには以下の3つがあります。

連帯債務の住宅ローンの3つのデメリット

  1. 仕事が辞めにくい
  2. 離婚時に解消しにくい
  3. 団信が一方しか入れない

デメリット1.仕事が辞めにくい

連帯債務者になると、債務者として毎月住宅ローンの返済を行いますので、仕事が辞めにくくなります。

連帯債務者を選択しない人の多くは、この仕事が辞めにくいということが理由となっています。

連帯保証であれば、住宅ローンを返済するのが主たる債務者である夫であるため、妻が途中で仕事を辞めていたとしても、家計の苦しさを除けば特に問題にはなりません。

夫の場合、将来収入が上がり、単独の収入だけでも十分に住宅ローンが返済できるようになる場合があります。

また、妻も子供ができると、ずっと子供と一緒に居たいと願う人もいます。

住宅ローンを組んだときは子供がいなかったため、仕事を辞めることを想定していなかった人でも、子供ができるとやっぱり辞めたいと気持ちが変わる人は結構います。

将来の変化に柔軟に対応できるのは、連帯保証です。

一方で、連帯債務者になってしまうと、妻も毎月住宅ローンを返済していかないといけないため、仕事が辞めにくくなります。

仕事が辞められないとなると、今度は保育園を探さなければなりません。

保活で苦しみ、保育園に入れた後はバカ高い保育料でも苦しむことになります。

連帯債務を選択する人は、その後の保活や高い保育料に対しても覚悟をしておく必要があるでしょう。

デメリット2.離婚時に解消しにくい

連帯債務も連帯保証も、ともに離婚時にその関係を解消しにくいというデメリットがあります。

連帯債務や連帯保証は金銭消費貸借の一つの契約形態であり、婚姻関係とは関係がありません。

連帯債務や連帯保証の関係を解消するには、債務を完済する必要があります。

つまり、離婚時には物件を売却して住宅ローン残債を完済するのが原則です。

連帯債務も連帯保証も、離婚時にはネックになるということを知っておきましょう。

離婚時の家売却については下記記事で詳しく解説しています。

デメリット3.団体信用生命保険が一方しか入れない

連帯債務の場合、住宅ローンが1本のため団体信用生命保険には1人しか入れないというデメリットがあります。

団体信用生命保険(以下、「団信」と略)とは、住宅ローンを組んだ人が死亡したときや、高度障害になったとき、保険金によって住宅ローンを返済するという保険

連帯債務では、夫が団信に入り、妻が団信に入らなかった場合、例えば妻が先に亡くなったとしても住宅ローンを完済することはできません。

このようなデメリットを解消し、連帯債務とほぼ同様の機能を果たすのが「ペアローン」になります。

ペアローンは、夫婦それぞれが住宅ローンを組み、住宅ローンとしては計2本になります。

ペアローンでは、それぞれ団信に入ることができ、住宅ローン控除も3,000万円もそれぞれ適用することできます。

ペアローンのデメリットとしては、2人が団信に入るため諸費用が高くなるという点です。

団信に入れないことが大したデメリットに感じない人であれば、連帯債務でも十分と言えます。

4.まとめ

以上、ここまで、夫婦で住宅ローンを組むなら連帯債務者がお得であるということや、その注意点について見てきました。

連帯債務は夫婦の収入を合算して住宅ローンを組むことができるローンです。

収入を合算できるため、都心の利便性の高いエリアに住宅を購入することができます。

連帯保証との違いにも十分に理解し、自分たちにあった住宅ローンを組むようにしましょう。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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