住宅ローンの返済比率の目安ってどれくらい?借入額の計算方法を解説

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家を購入するときは、気分が高揚していますので、住宅ローンも「なんとかなるだろう」と思いがちです。

しかしながら、住宅ローンはこれからずっと続きますので、一歩引いて冷静に考えることが重要です。

住宅ローンを借り過ぎかどうかの判断する目安の一つに「返済比率」があります。

住宅ローンの返済比率で迷っている人の悩み

  • 「住宅ローンの返済比率ってどれくらいが適切なの?」
  • 「住宅ローンの返済比率の計算式ってどういうもの?」
  • 「返済比率以外の適正な住宅ローンの目安はないの?」

そこでこの記事では、「住宅ローンの返済比率」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、住宅ローンの返済比率の目安はどのくらいであるのかということや、借入額の目安について知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

1.住宅ローンの返済比率の計算式

返済比率は、年収に対する住宅ローンの年間返済額の割合

年収は、「額面」なのか「手取り」なのか気になるところですが、計算で用いるのは「額面年収」になります。

返済比率の計算式は以下の通りです。

返済比率 = 年間返済額 ÷ 額面年収

返済比率の分母は額面年収であるということを理解しておきましょう。

以上、ここまで返済比率の計算式について見てきました。

では、どのくらいの返済比率が適正なのでしょうか。

そこで次に、適正な返済比率の目安について解説いたします。

2.適正な住宅ローンの返済比率の目安は20%以内

適正な返済比率の目安とは、20%以内とされています。

例えば、額面年収が800万円の人が、年間返済額が160万円の住宅ローンを組むと、返済比率は20%となります。

  • 額面年収:800万円
  • 間返済額:160万円
  • 返済比率 = 年間返済額 ÷ 額面年収 = 160万円 ÷ 800万円 = 20%

手取り年収は、だいたい額面年収の2割程度下がった金額です。

額面年収800万円の人の手取り年収を640万円とすると、手取り年収に対しては、25%(=160万円÷640万円)程度の割合となります。

また、手取りもボーナス込みの金額です。

例えば、手取り年収が640万円くらいの人が、手取りボーナス100万円くらいをもらっているとすると、ボーナスを除いた手取りは540万円です。

年間返済額160万円を、ボーナスを除く手取り年収540万円でわると、約30%となります。

そのため、ざっくり言うと毎月の手取りの中から3分の1程度のお金が住宅ローンの返済額となるイメージです。

住居費は、手取りの3分の1程度が適正と言われますが、返済比率が20%以内だと、住宅ローンをちょうど3分の1程度に抑えられるような感じになります。

月々の手取りで3分の1に抑え、なおかつ、ボーナスも全額自由に使えれば、生活にも余裕が生まれます。

ボーナス返済すれば、返済比率はもっと上がりますが、将来の子供の教育費を考えると、ボーナスはある程度貯金しておくことが重要です。

子供2人が私立大学に行くようなことになると、毎年300万円のお金が飛んでいきます。

お金を残しておくためにも、住宅ローンは余裕を持って組むことが大切です。

以上、ここまで適正な返済比率の目安について見てきました。

では、返済比率の平均額はどのくらいなのでしょうか。

そこで次に、返済比率の平均値について解説いたします。

3.住宅ローンの返済比率の平均値

返済比率の平均値は、全体で16.1%程度です。

注文住宅では19.1%、分譲住宅では15.4%、中古住宅では13.9%となります。

住宅の種類年間返済額返済比率
注文住宅156.5万円19.1%
分譲住宅126.0万円15.4%
中古住宅113.4万円13.9%
全体平均132.0万円16.1%

上記の年間返済額は、国土交通省の平成29年度住宅経済関連データの首都圏の年間の返済額を採用しています。

また、平均年収は同じ国土交通省の平成29年度住宅経済関連データより平成29年における関東大都市圏の世帯年収818万円を採用しています。

返済比率の平均値は、一番高い注文住宅であっても19.1%となっています。

平均値だけ見ると、皆かなり堅実に借りていることが分かります。

平均返済額は132.0万円(月額11万円)ですので、月11万円以上の返済をする人は、平均よりも高いということになります。

以上、ここまで返済比率の平均値について見てきました。

では、住宅ローンを組むときは返済比率だけを見ていれば良いのでしょうか。

そこで次に、返済比率以外の重要な指標について解説いたします。

4.返済比率以外の重要な2つの指標

返済比率以外の重要な指標は、「完済年齢」と「年収倍率」の2つです。

住宅ローンは、「返済比率」と「完済年齢」、「年収倍率」の3つをバランスよく加味して借りる必要があります。

指標1.完済年齢

完済年齢とは、住宅ローンを返し終わる年齢のこと

例えば、30歳で35年ローンを組めば65歳、40歳で35年ローンを組むと75歳となります。

住宅ローンの完済年齢は、65歳で設定することが適切です。

年金収入だけだと住宅ローンの返済は厳しいので、年金生活が始まる前に住宅ローンは返し終わることが必要となります。

つまり、30歳なら35年ローンでも良いですが、40歳なら25年ローンが最長ということになります。

ただし、ローン期間を短くしてしまうと、毎月の返済額が上がってしまうため、返済比率が適正値よりも高くなってしまいます。

そのため、返済比率を抑えるには、長期ローンを組むことになります。

実際には、40歳で35年ローンを組む人も多くいます。

65歳以上では年金収入だけになる可能性があるため、その前に繰上返済を実施することで返済し終わる人が多いです。

現在は、世の中の流れとして定年が高年齢化する傾向にあります。

20年後には定年が80歳になっている可能性もあります。

よって、完済年齢を65歳と設定するのは非現実的となるのは、それほど遠い未来ではないことも事実です。

ただし、一応、完済年齢をいう存在は頭の片隅には知っておいた方が良いでしょう。

指標2.年収倍率

年収倍率とは、額面年収に対して何倍程度の借入金総額を借りることができるかという倍率

適切な年収倍率は「5倍」になります。

例えば、世帯年収が800万円の人であれば、4,000万円の借入が適切という指標です。

ただし、年収倍率と返済比率はイコールではありません。

返済比率を20%とすると、年収倍率は概ね5~6倍程度となります。

5倍だと少し「保守的」な印象はあります。

適切な年収倍率よりも、適切な返済比率を意識した方が、多く借りることができます。

返済比率が20%以内であれば、年収倍率が5倍を超えていても、借り過ぎとは言い切れません。

恐らく、年収倍率5倍という常識ができたのは、金利が高かった時期に出来上がった指標と思われます。

現在は金利が安いので、6倍程度借りても適正な範囲内となる場合もあります。

尚、年収は将来増えていく可能性がありますが、増える年収を前提としてはいけません。

年収は増えますが、子供のいる家庭では、出費も増えていきます。

今、保育園代が高いと感じていても、これから先、子供が高校や大学に進学すると、教育費がもっと高くなります。

出費が増えていくため、増える年収は考慮せず、今の年収で考えることが適切なローンを組むコツとなるのです。

以上、ここまで返済比率以外の重要な指標について見てきました。

住宅ローンを組む際は、注意点があります。

そこで次に、銀行の許容値とのギャップに注意することについて解説いたします。

5.銀行の許容値とのギャップに注意

住宅ローンの仕組みを知ると、銀行はほとんど損することなく絶対もうかる仕組みになっているため、驚きます。

住宅ローンは、国が国民の住宅取得を推進するために、独立行政法人住宅金融支援機構と呼ばれるところが銀行をバックアップしています。

35年ローンなどの長期高低金利ローンは、民間の銀行が貸し出しを行ったあと、すぐにその債権を住宅金融支援機構に売ります。

銀行は取立業務を代行して行っているだけであり、住宅ローンの債権回収が不能となるリスクは住宅金融支援機構が負っています。

例えば、AさんにB銀行が4,000万円の住宅ローンを借りたとします。

B銀行は債権者ですので、本来なら「Aさんから住宅ローンを返してもらえないかもしれない」という債権回収リスクを負います。

しかしながら、B銀行はAさんに貸した債権を4,900万円くらいで住宅金融支援機構にすぐに売ってしまいます。

B銀行は債権を売った時点で利益は確定し、債権回収リスクも免れることになります。

このような背景があり、銀行にとって住宅ローンはノーリスクで絶対もうかる商売となっています。

そのため、銀行は実は住宅ローンを貸したくてしょうがないのです。

銀行が低金利合戦を繰り広げてでも貸そうとしているのは、住宅ローンは「絶対に儲かるから」という仕組みがあるからです。

すると、銀行はたくさん住宅ローンを借りて欲しいため、本人の返済能力以上に貸す傾向があります。

銀行が持っている許容値と適正値のギャップは以下のようになります。

判断項目銀行の許容値適正値
返済比率30~40%20%
年収倍率8倍5倍
完済年齢85歳65歳

返済比率に関しては、銀行は30~40%までの許容値を持っています。

「銀行はリスクを負っているはずだから、返せないようなお金を貸すことはないだろう」と考えてしまい、銀行のすすめるままに借りてしまってはダメです。

銀行にとっては、住宅ローンはノーリスクの商売ですので、「この人返せないかもしれない」という心配すらしていません。

銀行の許容値を見ても分かる通り、「借りられるお金」と「返せるお金」は違うということです。

住宅ローンは、仮に銀行が「もっと貸せますよ」と言っても、自分で「断捨離」して断らないといけないという「ややこしい商品」なのです。

住宅ローンを借りる際は、銀行の許容値とのギャップに注意し、適正金額を借りるようにしてください。

6.まとめ

以上、ここまで、住宅ローンの返済比率の目安はどのくらいであるのかということや、借入額の目安について見てきました。

返済比率は20%以内に納めることが理想です。

銀行で貸してくれる金額は、あなたが返せる金額とは限りません。

借りる額は自分で冷静に判断し、金額を抑えた形で住宅ローンを組みましょう。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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