インスペクションとは?義務化はいつから?費用や無料でやる方法も解説

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最近、不動産売買で「インスペクション」という言葉が使われるようになってきました。

インスペクションとは、建物の専門家による住宅の劣化や性能低下の有無について調査することです。

インスペクションについて気になる疑問

  • 「インスペクションって、そもそも何なの?」
  • 「インスペクションって義務なの?」
  • 「インスペクションって、お金がかかるの?」

そこでこの記事では、「インスペクション」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、インスペクションの意味や費用について知ることができます。

1.インスペクションとは

インスペクションとは、日本語で言うと建物状況調査のこと

中古住宅の基礎、外壁等の部位ごとに生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合、傾きの有無を目視、計測等により行う調査を指します。

インスペクションは中古住宅の売却前に行われるケースが多いです。

建物の専門家が中古住宅の状態を検査しますので、買主が素人目線で物件を確認するよりは、安心して中古住宅を購入できるようになります。

インスペクションは、建築士の中でも既存住宅状況調査技術者講習を修了した人が行います。

一定レベル以上のプロが目視、計測等によって物件の状態を判断します。

インスペクションの所要時間は半日程度です。

半日程度の時間で、目視や計測しかしないため、インスペクションで合格した建物は「絶対に大丈夫」というお墨付きを与えるものではありません。

しかしながら、家の傾きやシロアリによる床下の腐食等、一般人では調査できない部分も見てくれるため、中古住宅を購入する人にとっては十分に価値のある検査内容となっています。

以上、ここまでインスペクションについて見てきました。

では、インスペクションの義務化とはどういうことでしょうか。

そこで次に、いつから誰が何を義務化されたのかについて解説いたします。

2.いつから誰が何を義務化されたのか

結論からすると、売主も買主もインスペクションを実施することは義務ではありません。

インスペクションは、2018年4月1日より、宅地建物取引業者(不動産会社のこと)に対し、以下のことが義務化されました。

宅地建物取引業者に義務化された内容

媒介契約書に「建物状況調査を実施する者のあっせんの有無」について記載することが義務化

媒介契約書とは、不動産会社に仲介を依頼する際、不動産会社との間で締結する仲介サービスの契約書

媒介契約書の中に「建物状況調査を実施する者のあっせんの有無」を記載しますので、「有」か「無」かを契約当事者と確認することになります。

契約に締結する内容である以上、不動産会社は当然に「建物状況調査(インスペクション)とは何か」「インスペクションのあっせんを希望するか」といった内容を説明します。

不動産会社は、直接的には売買契約書への記載の義務だけにとどまりますが、間接的にはインスペクションのあっせんの義務を負っていることになります。

不動産会社がインスペクションを希望するか否かを聞くことが義務化された

そのため、単純に言うと、不動産会社と媒介契約を締結する際、不動産会社が「インスペクションを希望しますか?」と聞くことが義務化されたということです。

不動産会社は売主または買主に対して、インスペクションの希望を聞き、もし「インスペクションをしたい」ということになったら、既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士(インスペクター)を紹介することになります。

売主や買主は何の義務も負っていないため、不動産会社から「インスペクションを希望しますか?」と聞かれても、「不要です」と回答しても全く問題ありません。

義務化された人は、あくまでも宅地建物取引業者であり、売主や買主はインスペクションの実施を自由に選べます。

以上、ここまで、いつから誰が何を義務化されたかについて見てきました。

では、インスペクションにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

そこで次に、インスペクションのメリットについて解説いたします。

3.インスペクションの2つのメリット

インスペクションのメリットは、以下の2つです。

  1. 売主も買主も安心して売買できる
  2. 既存住宅売買瑕疵(かし)保険(以下「瑕疵担保保険」と略)に加入できる

1つ目としては、売主も買主も安心して売買できるという点です。

プロが建物を見てくれるため買主は安心して物件を購入することができるのは分かります。

では、なぜ売主も安心して売却できるのでしょうか。

それは、売主には瑕疵担保責任があるためです。

瑕疵とは、家の傾きや、シロアリによる床下の腐食、雨漏り等の売買契約の対象となる目的物が通常有すべき品質を欠くこと

売主は、売買契約後に瑕疵が発見されると、損害賠償を負う、もしくは契約解除を求められるという瑕疵担保責任が課されます。

一般的には、売主は売却後3ヶ月間の瑕疵担保責任を負う契約を締結します。

売却してから3ヶ月間の間に瑕疵が発見されてしまうと、売主は損害賠償や契約解除を要求されてしまう可能性があるのです。

もし、インスペクションに合格していれば、3ヶ月間の間に瑕疵担保責任が追及される可能性は大幅に減ります。

インスペクションは半日程度の目視検査であるため、完璧なものを保証するものではありませんが、それでも素人が簡単に発見できる以上の瑕疵は事前にチェックできます。

そのため、インスペクションに合格していれば、相当の確率で瑕疵担保責任が問われる可能性は低くなるため、売主も安心して売却できるというメリットがあるのです。

瑕疵担保責任については下記記事で詳しく解説しています。

2つ目としては、インスペクションに合格すると瑕疵担保保険に加入できるというメリットがあります。

瑕疵担保保険とは、瑕疵が発見された際、その修繕費用の全部または一部について保険金がおりるという保険

万が一、瑕疵が発見されても、お金がおりるため、買主としては一層安心になります。

この瑕疵担保保険は、人間で言えばガン保険や生命保険であるため、建物が健康な状態でないと加入できません。

その健康な状態を証する役割を果たすのがインスペクションの合格であり、人間で言えば健康診断のようなものに該当します。

また瑕疵担保保険に加入している物件は、登録免許税や不動産取得税、住宅ローン控除等の軽減措置を受けることができる要件となっています。

中古住宅は、木造の戸建てなら築20年以内、鉄筋コンクリート造のマンションなら築25年以内でないと登録免許税の軽減や住宅ローン控除の適用対象にはなりません。

しかしながら、瑕疵担保保険に加入している物件に関しては、木造で築20年超、鉄筋コンクリート造で築25年超であっても登録免許税の軽減や住宅ローン控除の適用対象になります。

特に住宅ローン控除が適用できるかどうかは、売却価格に与える影響は大きいです。

木造で築20年超、鉄筋コンクリート造で築25年超の物件であれば、インスペクションの合格は非常に価値があるものといえます。

瑕疵担保保険については下記記事で詳しく解説しています。

以上、ここまでインスペクションのメリットについて見てきました。

では、インスペクションにはどのくらいのお金がかかるのでしょうか。

そこで次に、インスペクションの費用について解説いたします。

4.インスペクションの費用は5万円程度

インスペクションの費用は、5万円程度になります。

戸建ての場合、面積によっても金額は多少異なります。

  • 戸建て;延床面積が165㎡未満なら45,000円程度、165㎡以上250㎡未満なら50,000円程度、250㎡以上500㎡未満なら65,000円程度
  • マンション;面積に関わらず50,000円程度

インスペクションの期間としては、申し込みから報告書の受領まで2週間程度の時間を要します。

検査自体は3時間程度ですが、日程調整に1週間、報告書作成に1週間程度の時間を要します。

尚、インスペクションは売主または買主のいずれかが行っても構いません。

買主が行う場合には、売主の了解を取ってから行うことになります。

海外では、むしろ買主からの依頼でインスペクションが行われることが多いです。

今後は買主からの申し込みが一般化する可能性がありますので、買主の人はインスペクションを検討してみるのも良いでしょう。

以上、ここまでインスペクションの費用について見てきました。

では、インスペクションに費用をかけない方法はないのでしょうか。

そこで次に、インスペクションを無料で行う方法について解説いたします。

5.インスペクションを無料で行う方法

買主はありませんが、売主にはインスペクションを無料で行う方法があります。

現在、大手の不動産会社を中心に、専任媒介または専属専任媒介を条件としてインスペクションを無料で実施する仲介サービスが広がってきています。

専任媒介または専属専任媒介とは、仲介の依頼を1社にしかできない形式の媒介契約になります。

それに対して、複数の不動産会社に同時に売却を依頼できる形式の媒介契約を一般媒介と呼びます。

専任媒介や一般媒介については、下記記事に詳しく記載しています。

専任媒介や専属専任媒介は、不動産会社が他の不動産会社に物件を横取りされることがないため、不動産会社にとって有利な契約条件となります。

不動産会社からすると、インスペクションの無料実施を引き換えにすることで、有利な条件である専任媒介または専属専任媒介の契約をできるということです。

専任媒介や専属専任媒介でも構わないという人であれば、インスペクションを無料で実施している不動産会社を探し、そこに依頼すればインスペクションを無料で行うことができます。

ほとんど大手の不動産会社がインスペクション無料を行っていますので、大手ならインスペクションを無料としている不動産会社をすぐに見つけられると思います

売主側でインスペクションを実施しておくと、物件を高く売却できる可能性が高まります。

インスペクションに興味のある人は、無料サービスをぜひ検討してみてください。

ただ、自分で探すのは面倒ですよね。

そこで便利なサービスが不動産一括査定と呼ばれるサービスです。

不動産一括査定を使って信頼できる不動産会社を探す

不動産一括査定とは、その名の通り「不動産の査定相談を複数の不動産に一度でお願いできるWEBサイト(サービス)」。

不動産一括査定サイトのイメージ

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PC、スマホのWEB画面から簡単な情報を入力するだけで、その日のうちに複数の不動産会社から物件の簡易査定額と併せて、メール等でのコミュニケーションをとることが可能です。

その際に、併せて営業担当の対応や人間性を確認しながら不動産会社を選定していくのです。

不動産一括査定の利用は無料です

ただし、不動産一括査定は1つだけではなく、国内に複数存在しています。

ここからはオススメの不動産一括査定を紹介します。

不動産のプロが厳選!不動産一括査定の選ぶ基準とオススメ4サイト

ここからは、筆者が厳選したオススメの不動産一括査定4サイトを紹介。

筆者の厳選基準は下記4つ。

オススメの不動産一括査定サイトの基準は4つ

  • 基準1.参加不動産会社が魅力的である(大手~地域密着まで査定できる)
  • 基準2.実績が豊富(利用者数+運営歴)
  • 基準3.セキュリティ対策をしている(プライバシーポリシーの取得)
  • 基準4.不動産会社をしっかり審査している(悪徳不動産業者の排除)
これら4つの基準を満たす一括査定サイトは下記4つになります。

厳選したオススメの不動産一括査定サイト4選

  1. すまいValue
  2. HOME4U
  3. イエウール
  4. リガイド

それぞれの不動産一括査定の特徴を一覧表にしました。

比較項目すまいValueHOME4Uイエウールリガイド
運営会社小田急不動産(株)、住友不動産販売(株)
東急リバブル(株)、野村不動産アーバンネット(株)
三井不動産リアルティ(株)、三菱地所ハウスネット(株)
株式会社NTT
データスマートソーシング
株式会社Speee株式会社ウェイブダッシュ
サービス開始年2016年2001年2014年2006年
査定数非公表累計30万件20万件非公表
サイト利用者数非公表年間700万人累計1,000万人非公表
提携している不動産会社の数大手6社約1,300社約1,700社約700社
特徴国内最大手に頼める。 都会に強く地方に弱い傾向がある。NTTデータグループなので安心感はトップ。 一括査定の歴史最長の老舗。参加企業数がNo.1で、企業一覧と特徴も見ることができる。厳選された不動産会社がウリ。 運営も長く、旧SBIグループの安心感がある。

※2019年11月時点の情報

不動産一括査定の上手な使い方は併用利用する

紹介した不動産一括査定は、どれも安心して利用できます。

ただし、それぞれの不動産一括査定には弱みがあります。その弱みを防ぐ方法があります。

弱みを防ぐには不動産一括査定を併用利用(組み合わせ利用)するのです。

都心部や県庁所在地などの人口が多い都市の方:すまいValue+HOME4U+SRE不動産(※旧ソニー不動産)
オススメの組み合わせ:「すまいValueHOME4USRE不動産(※旧ソニー不動産)

三井のリハウスや東急リバブルなどの国内最大手の不動産会社は、「すまいValue」にしか参加していません。

そして、大手・中堅・地域密着の不動産会社参加の「HOME4U」は、NTTグループ運営で最も安心して利用できるサイトの一つ。

つまり最大手の不動産会社に依頼「すまいValue」+大手・中堅・地域密着の不動産会社に依頼「HOME4U」を組みわせるのです。

ただ、大手は両手仲介の可能性が高いです。対象地域(一都三県+大阪、兵庫)の方は、売主専門としている「SRE不動産(※旧ソニー不動産)」も合わせて申し込んでおくと安心です。

地方や郊外の方:HOME4U+イエウール
オススメの組み合わせ:「HOME4Uイエウール

大手の不動産会社は都心に強いですが、地方や郊外では対応できない場合があります。

特に「すまいValue」を使って依頼できる最大手の不動産会社は地方や郊外は対応していない可能性があります。

地方や郊外の方は「HOME4Uイエウール」を併用するといいでしょう。

最大手の不動産会社に依頼できるのは「すまいValue」だけ

すまいValue

すまいValue

すまいValueは国内最大手6社(三井のリハウス、住友不動産販売、三菱地所ハウスネット、東急リバブル、小田急不動産、野村の仲介plus)が共同で運営する一括査定サービス。

強力な販売ネットワークとノウハウを持っていますし、営業担当者の質も全体によいので、確実に依頼はしたいところ。

ただし、お伝えした通り大手は両手仲介の可能性が高いです。

対象地域(一都三県+大阪、兵庫)の方は、売主専門としている「SRE不動産(※旧ソニー不動産)」も合わせて申し込んでおきましょう。

3分で最高額がわかる!すまいValueをチェック

※「机上査定」を選ぶと電話なしで、メールで概算査定額がわかります。

NTTグループが運営の安心実績「HOME4U」

HOME4U

HOME4U

2001年から運営と最も長い、一括査定の老舗。

運営がNTTデータグループという安心感は抜群で、個人情報保護やセキュリティ対策などの技術力も信頼できます。

参加している不動産会社は、大手から中堅・地元密着まで約1,300社。

イエウールの1,900社と比べると1,300社で少なめに見えますが、厳しい審査を通過した不動産会社だけが参加しているというのが売りです。

3分で最高額がわかる!HOME4Uをチェック

※「机上査定」を選ぶと電話なしで、メールで概算査定額がわかります。

参加不動産会数No.1の「イエウール」

イエウール

イエウール

参加している不動産会社は大手、中堅、地元密着型まで約1,900社と最多。

つまり一番不動産会社が見つかる可能性が高いということです。

サイト運営の歴史は比較的浅いですが、利用者も多く、安心して利用できます。

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※「机上査定」を選ぶと電話なしで、メールで概算査定額がわかります。

投資用物件に強い「リガイド」

リガイド

リガイド

旧「SBI不動産一括査定」というサイトで、「HOME4U」の次に運営が長い老舗サイト。

入力はYahoo!やFacebookから情報を引き継ぐこともでき、入力しやすいフォームです。

最大10社まで一括で査定依頼できるので、効率良く多数の会社に査定依頼したい人にも向いています。

HOME4Uなどと比べると600社で少なめに見えますが、独自審査を通過した優良不動産会社というのが売りです。

また、投資用物件にも強く、資産の組み換えも相談できます。

3分で最高額がわかる!リガイドをチェック

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不動産一括査定サイトは、無料で利用できますので、まずは申し込んで信頼できる不動産会社に査定相談をしてみることをオススメします。

不動産一括査定については下記記事でさらに詳しく解説しています。

まとめ

以上、ここまで、インスペクションはいつから義務化されたのか、その費用や無料で行う方法について見てきました。

インスペクションは売主と買主の双方にメリットがあります。

スムーズに不動産を売却できるようになりますので、これから住宅を売却する人であれば、ぜひ検討してみましょう。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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