土地売却でかかる税金と使える可能性のある3つの節税特例

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不動産の売却の中でも、土地については税金を節税できる特例があまり用意されていません。

ただし、一部には土地を売る際にも利用できる税金特例が存在します。

土地売る際の税金や節税に対する疑問

  • 「土地を売ると、どのような税金がかかるの?」
  • 「土地を売るときの税金特例はないの?」
  • 「土地を売るときの控除は、どのような条件で適用されるの?」

そこでこの記事では、「土地を売る際の税金」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、土地を売るときでも使える可能性のある税金の3つの節税特例について知ることができます。

なお、不動産を売却した時の税金の概要は下記記事で詳しく説明しています。

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土地売却と税金の基本

基本1.譲渡所得

個人の所得には、給与所得、譲渡所得、不動産所得、事業所得、山林所得、退職所得、利子所得、配当所得、一時所得、雑所得という10種類の所得があります。

不動産を売却したときの所得は「譲渡所得」です。

譲渡所得は以下の式で計算されるものになります。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用
・譲渡価額とは売却額
・取得費とは土地の購入価額
・譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用

土地の購入価額が分からないときは、概算取得費というものを用います。

概算取得費とは、「譲渡価額の5%」

基本2.所有期間と税率

税金は、譲渡所得に税率を乗じて求めます。

税金 = 譲渡所得 × 税率

税率については不動産の所有期間によって決まります

1月1日時点において所有期間が5年超の場合は長期譲渡所得、1月1日時点において所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得と分類されます。

それぞれの税率は以下の通りです。

 所得税住民税合計税率
短期譲渡所得30%9%39%
長期譲渡所得15%5%20%

復興特別所得税については、所有期間に関わらず2.1%となります。

以上、ここまで土地売却と税金の基本について見てきました。

家を取り壊した場合に適用される控除があります。

そこで次に、居住用財産を取り壊した場合の3,000万円特別控除について解説いたします。

居住用財産を取り壊した場合の3,000万円特別控除

居住用財産と呼ばれるマイホームを売却すると、譲渡所得から3,000万円を控除できる「3,000万円特別控除」の特例があります。

3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

通常、3,000万円特別控除はマイホームを売却したときに利用できる特例ですが、以下に示す要件の下では、土地の売却にも利用することができます

土地のみの売却で3,000万円特別控除の特例を受けるための要件

  1. 災害などにより居住していた家屋が滅失した時は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その敷地だけ譲渡する場合
  2. 転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取り壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡する場合
    (取り壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりすると適用外となる)

1つ目のケースは、災害で建物が滅失した場合に、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、3,000万円特別控除が適用できるという要件です。

2つ目のケースは、転居後に建物を取り壊し、転居してから3年後の12月31日までか、取り壊し後1年以内か、いずれか早い日までに売却すれば、3,000万円特別控除が適用できるという要件になります。

ただし、取り壊した後に、その土地を駐車場等の事業の用に供したりすると3,000万円特別控除を利用することができません

3,000万円特別控除を利用した結果、譲渡所得がマイナスとなれば、譲渡所得はゼロとして扱われ税金が発生しないことになります。

3,000万円特別控除の節税効果は非常に大きいので、取り壊す場合は売却タイミングも要件に合わせるように考慮しましょう。

尚、3,000万円特別控除については、以下の記事で詳しく記載しています。ぜひご参照ください。

以上、ここまで居住用財産を取り壊した場合の3,000万円特別控除について見てきました。

特定の期間に土地を取得した場合に適用される控除もあります。

そこで次に、平成21年及び平成22年に土地等を取得した場合の1,000万円特別控除について解説いたします。

平成21年及び平成22年に土地等を取得した場合の1,000万円特別控除

平成21年及び平成22年に取得した土地等を所有期間が5年を超える時点に売却した場合、土地の譲渡所得については、1,000万円特別控除を利用できるという特例があります。

1,000万円特別控除を利用すると、譲渡所得は以下のように計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 1,000万円

平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除の適用要件は以下の通りです。

1,000万円特別控除の特例を受けるための要件

  1. 平成21年1月1日から平成22年12月31日までの間に土地等を取得していること。
  2. 平成21年に取得した土地等は平成27年以降に譲渡すること、また、平成22年に取得した土地等は平成28年以降に譲渡すること。
  3. 親子や夫婦など特別な間柄にある者から取得した土地等ではないこと。(特別な間柄には、生計を一にする親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども含まれます。)
  4. 相続、遺贈、贈与、交換、代物弁済及び所有権移転外リース取引により取得した土地等ではないこと。
  5. 譲渡した土地等について、収用等の場合の特別控除や事業用資産を買い換えた場合の課税の繰延べなど他の譲渡所得の特例を受けないこと。

ただし、平成21年及び平成22年に土地等を取得した場合の1,000万円特別控除は、前章で紹介した3,000万円特別控除を利用する場合には、適用することができません

以上、ここまで平成21年及び平成22年に土地等を取得した場合の1,000万円特別控除について見てきました。

相続した空き家を取り壊した場合に適用される控除もあります。

そこで次に、相続空き家を取り壊した場合の3,000万円特別控除について解説いたします。

相続空き家を取り壊した場合の3,000万円特別控除

相続空き家を取り壊すと、取り壊した後の土地売却で3,000万円特別控除が使えるケースがあります。

家屋の要件

一定の要件を満たす空き家を相続し、それを売却した場合には、3,000万円特別控除を適用できます。

譲渡所得は、通常の3,000万円特別控除と同様に、以下のように計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

相続空き家の3,000万円特別控除を利用するには、売却する家屋に以下の要件が必要になります。

相続空き家の売却時に3,000万円特別控除を利用する条件5つ

  1. 相続開始直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋であること。
  2. 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること。
  3. マンション以外の家屋であること。
  4. 相続開始直前においてその被相続人以外に居住したいた者がいなかったこと。
  5. 相続のときから譲渡のときまで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていなかったこと。

家屋でポイントとなる要件は、「マンション以外の家屋」、「昭和56年5月31日以前に建築された家屋」の2点です。

まず、マンションでは相続空き家の3,000万円特別控除は利用できません

対象は戸建てのみです。

次に、建物の築年数が、「昭和56年5月31日以前に建築された家屋」に指定されています。

実は、「昭和56年5月31日以前に建築された家屋」であれば、その建物は取り壊しても相続空き家の3,000万円特別控除を利用することができます。

建物を取壊して更地で売却する場合は、上記要件に加え、さらに以下の要件も加わります。

取り壊して更地を売却する際に3,000万円特別控除を利用する追加条件2つ

  1. 相続のときから取壊しのときまで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていなかったこと。
  2. 土地が相続のときから譲渡のときまで事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていなかったこと。

取り壊すまで「事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていなかったこと」と、取り壊した後も事業の用、貸付けの用または居住の用に供されていなかったこと」が要件となっています。

例えば、取り壊した後に駐車場のような貸付けの用を行ってしまうと適用できなくなります。

また、相続した空き家を一時的に誰かに貸していた場合も適用できないです。

相続空き家を相続したら、売却の予定がある人は安易な活用は避けるようにしてください。

適用期間

相続空き家の3,00万円特別控除では、「相続」と「売却」のタイミングにも指定があります。

適用期限は、平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間で、かつ、相続のときからその相続の開始のあった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの間に譲渡したものに限られます。

譲渡の要件

相続空き家の3,00万円特別控除では、譲渡の要件もあります。

相続空き家の3,00万円特別控除を適用するための譲渡の要件

(譲渡する人の要件)

  • 相続又は遺贈(死因贈与を含む)により取得した相続人

(譲渡する際の要件)

  1. 譲渡価格が1億円以下であること
  2. 家屋を譲渡する場合、譲渡時において、その家屋が現行の耐震基準に適合するものであること

相続空き家の3,00万円特別控除は、実は建物を取壊して更地売却することを誘導しています。

上記要件の中に、「その家屋が現行の耐震基準に適合するもの」という要件があります。

ただし、家屋の要件には「昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること」があり、昭和56年5月31日以前の建物は現行の耐震基準を満たしていません

そこで、昭和56年5月31日以前の建物を売却するには、わざわざ耐震改修をして現行の耐震基準を満たした後に売却しなければいけないことになります。

そのため、相続空き家の3,00万円特別控除を使って空き家の建物を売るのはかなり馬鹿馬鹿しいため、結局のところ、取り壊して更地で売るという選択肢が現実的となってくるのです。

相続空き家を取り壊す予定のある人は、相続空き家の3,00万円特別控除の利用をぜひ検討してみてください。

相続した土地の税金については下記記事で詳しく解説しています。

まとめ

以上、ここまで、土地を売るときでも使える可能性のある税金の3つの節税特例について見てきました。

土地の売却では、利用できる節税特例がほとんどありません。

3,000万円特別控除等は、要件を満たせば利用できる可能性がありますので、土地の売却時に利用できないか、確認してから売却するようにしましょう。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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