不動産売却時の発生する税金の種類・計算式と特別控除を初心者でもわかるように解説

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不動産を売却すると税金が発生する場合があります。

発生する場合があるということは、発生しない場合もあります。

不動産を売却したときの税金は、発生したり、しなかったりするため、少し複雑です。

不動産売却したときの税金関連で悩める疑問

  • 「不動産を売却したときの税金は、どれくらいかかるの?」
  • 「不動産を売却したときの税金は、どうやって計算するの?」
  • 「不動産売却の税金を軽減できる制度はないの?」

そこでこの記事では、「不動産売却にかかる税金」についてフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、不動産売却で発生する税金の基礎知識や具体的計算方法について知ることができます。

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1.不動産売却で発生する税金は3つ

不動産売却時に発生する3つの税金

  • 1.所得税
  • 2.住民税
  • 3.復興特別所得税

正確には印紙税もかかりますが、印紙税は不動産会社とのやり取りで自動的に計算されますので、ここでは簡単に費用のみ載せておきます。

売買契約の金額印紙税額(通常)印紙税額(軽減措置)
※不動産売買の際は
基本適用されます。
1万円を超え、10万円以下200円200円(軽減なし)
10万円を超え、50万円以下400円200円
50万円を超え、100万円以下1,000円500円
100万円を超え、500万円以下2,000円1,000円
500万円を超え、1,000万円以下10,000円5,000円
1,000万円を超え、5,000万円以下20,000円10,000円
5,000万円を超え、1億円以下60,000円30,000円
1億円を超え、5億円以下100,000円60,000円
5億円を超え、10億円以下200,000円160,000円
10億円を超え、50億円以下400,000円320,000円
50億円を超える場合600,000円480,000円

不動産は購入すると、「不動産取得税」という明確な名称の税金が発生します。

しかしながら、「不動産売却税」という税金は存在しません。

サラリーマンが普段から払っている「所得税および住民税、復興特別所得税」と同じ税金が発生します。

以上、ここまで不動産売却で発生する税金について見てきました。

不動産売却の税金を理解するには、譲渡所得を理解する必要があります。

そこで次に、譲渡所得について解説いたします。

2.不動産売却の税金で大事な「譲渡所得」の定義

個人の所得は10種類あり

  • 1.給与所得
  • 2.譲渡所得
  • 3.不動産所得
  • 4.事業所得
  • 5.山林所得
  • 6.退職所得
  • 7.利子所得
  • 8.配当所得
  • 9.一時所得
  • 10.雑所得

サラリーマンがもらう給料は1.給与所得になります。

このうち、不動産を売却したときに発生する所得は、2.譲渡所得です。

譲渡所得の計算式

譲渡所得とは、以下の計算式で求められる所得です。

譲渡所得 = 譲渡価額(売却額) - 取得費 - 譲渡費用

※譲渡価額とは売却額
※取得費とは土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した後の価額
※譲渡費用は、仲介手数料や測量費など土地の譲渡に要した費用

譲渡所得は売却額ではないという点がポイントです。

また、計算結果次第では、譲渡所得はマイナスとなるため、常に譲渡所得が発生するとは限りません。

例えば、バブル時代に高く買った土地を、不景気の時期に売却した場合などは、譲渡所得はマイナスと計算されます。

譲渡所得がマイナスであれば、税金は発生しません。

つまり、不動産売却で税金が発生するか否かは、譲渡所得がプラスかマイナスかで決まり、発生する場合と発生しない場合があるということになります。

不動産売却の税金については、譲渡所得を計算することがポイントとなります。

以上、ここまで譲渡所得について見てきました。

では、税率はどのようにして決まるのでしょうか。

そこで次に、税率について解説いたします。

3.譲渡所得にかかる「税率」

譲渡所得にかかる税率は所有期間によって異なります。

所有期間は5年以下であれば短期譲渡所得、5年超であれば長期譲渡所得とされます。

それぞれの税率は以下の通りです。

譲渡所得所得税住民税合計税率
短期譲渡所得30%9%39%
長期譲渡所得15%5%20%

復興特別所得税の税率は、所有期間に関係なく、2.1%となります。

以上、ここまで税率について見てきました。

では、取得費はどのように算出されるのでしょうか。

そこで次に、取得費の計算方法について解説いたします。

4.取得費の計算方法

取得費は土地と建物で計算方法が以下のように異なります。

  • 土地:購入額
  • 建物:購入額 - 減価償却費

減価償却とは、法定耐用年数の期間の中で、あらかじめ定められた一定の法則に基づいて、建物の購入価額を減少させていく会計上の手続きです。

減価償却費は以下の式で計算されます。

減価償却費 = 建物購入額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

上記の式の中で、「償却率」というものがあります。

償却率に関しては、用途と構造によって、以下のようになります。

構造非事業用 マイホーム・セカンドハウス事業用 賃貸マンション
構造償却率耐用年数償却率耐用年数
木造0.03133年0.04622年
軽量鉄骨0.02540年0.03827年
鉄筋コンクリート造0.01570年0.02247年

尚、耐用年数を過ぎている建物の場合、建物取得費は、単純に「建物取得価格の5%」となります。

耐用年数を満了した建物の取得費の求め方は下記の通り。

建物取得価格 = 建物購入額 × 5%

以上、ここまで取得費について見てきました。

1点気になる点があります。

というのも、売買契約書を紛失してしまい、不動産の購入額が分からない人もいると思います。

購入額が分からなければ、取得費が計算できないかというとそうではありません。

5.購入額が分からない場合の「取得費」の考え方

売買契約書を紛失しているような場合、不動産の購入額が分からないようなケースがあります。

例えば、先祖代々から相続しているような土地は取得費が不明なことが多いです。

取得費が不明な場合には、「概算取得費」と呼ばれる取得費を用いて取得費を求めます。

概算取得費は、売却額の5%です。

概算取得費 = 譲渡価額 × 5%

また、建物の取得費は分かっても、土地だけ取得費が分からないようなケースがあります。

そのような場合、まず建物取得費を求めます。

そして、譲渡価額から建物取得費を控除し、その5%が土地の概算取得費となります。

  • 土地の取得費 = (譲渡価額 - 建物取得費) × 5%
  • 取得費 = 土地の取得費 + 建物取得費 = (譲渡価額 - 建物取得費) × 5% + 建物取得費 = 譲渡価額×5% + 建物取得費×95%

概算取得費を用いてしまうと、譲渡所得が大きくなり、税金も高くなってしまいます。

そのため、節税するには、なるべく購入当時の売買契約書を見つけることが重要です。

尚、概算取得費はあくまでも認められた一つの方法に過ぎません。

建物は一般財団法人建設物価調査会が公表している着工建築物構造別単価によって計算し、土地は一般財団法人日本不動産研究所が公表している市街地価格指数に基づいて算出する方法も近似値を示すものとして合理的と判定された判決もあります。

取得費が推定値で認められるケースもありますので、概算取得費を利用したくない場合には、税理士や税務署の相談することをオススメします。

以上、ここまで取得費が分からない場合について見てきました。

もう一度計算式を見てみましょう。

譲渡所得 = 譲渡価額(売却額) - 取得費 - 譲渡費用

この中の「譲渡費用」とは何でしょうか。

どんなものが費用として認められるのでしょうか。

そこで次に、譲渡費用となるものについて解説いたします。

6.譲渡費用として認められるもの

譲渡費用とは、売却に要した費用です。

譲渡費用には以下のようなものがあります。

譲渡費用として認められる主な費用

  • 売却の際の仲介手数料
  • 売却に伴う広告費や測量費
  • 売買契約書に貼付した印紙税
  • 売却に伴い支払う立退料
  • 売却時の建物等の取壊し費用

尚、売却する不動産に抵当権はついている場合、売却とともに抵当権の抹消を行います。

抵当権の抹消には、登録免許税と司法書士手数料の2つが発生します。

抵当権の抹消関連費用に関しては、譲渡費用とはならないルールとなっているため、ご注意ください。詳しくは以下でどうぞ。

司法書士についての役割や費用については下記記事で詳しく解説しています。

以上、ここまで譲渡費用について見てきました。

では、税金はどのように算出されるのでしょうか。

そこで次に、具体的計算例について解説いたします。

7.不動産売却時の具体的な計算例

この章では、以下の不動産を売却したときの税金を具体的に計算してみます。

  • 用途:木造賃貸アパート (償却率0.046)
  • 渡価額:6,000万円
  • 地購入額:2,000万円
  • 物購入額:3,000万円 (新築で購入)
  • 有期間:15年 (長期譲渡所得)
  • 渡費用:186万円

最初に取得費を計算します。

  • 減価償却費 = 建物購入額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数 = 3,000万円 × 0.9 × 0.046 × 15年 = 1,863万円
  • 建物取得費 = 建物購入額 - 減価償却費 = 3,000万円 - 1,863万円 = 1,137万円
  • 得費 = 土地の取得費 + 建物取得費 = 2,000万円 + 1,137万円 = 3,137万円

次に譲渡所得を計算します。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 = 6,000万円 - 3,137万円 - 186万円 = 2,677万円

税金は以下のようになります。

  • 所得税 = 譲渡所得 × 所得税率 = 2,677万円 × 15% = 401.55万円
  • 興特別所得税 = 401.55万円 × 2.1% = 8.43万円
  • 民税 = 譲渡所得 × 住民税率 = 2,677万円 × 5% = 133.85万円
  • 金合計 = 所得税 + 復興特別所得税 + 住民税 = 401.55万円 + 8.43万円 + 133.85万円 = 543.83万円

以上、ここまで具体的計算例について見てきました。

マイホームを売却においては、税金を節税してくれる特例があります。

そこで次に、マイホーム売却の節税特例である3,000万円特別控除について解説いたします。

8.マイホーム売却で使える3,000万円特別控除

マイホームの売却では、譲渡所得から3,000万円を引いてくれる特例があります。

この特例は、通称、「3,000万円特別控除」と呼ばれています。

3,000万円特別控除を適用すると、譲渡所得は以下のように計算されます。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円

この特例を適用し、譲渡所得がマイナスとなれば、譲渡所得はゼロとして扱われます。

譲渡所得がゼロであれば、税金は発生しません。

マイホームは、よほど高く売却できる物件でない限り、ほとんどの物件で3,000万円を引くと譲渡所得がゼロとなります。

非常に効果の大きな特例ですので、マイホーム売却時にはぜひご利用ください。

尚、この特例は、不動産が以下の要件を満たす居住用財産であることが必要です。

居住用財産の定義

  • 1.現に居住している家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合
  • 2.転居してから3年後の12月31日までに、居住していた家屋やその家屋と共に譲渡するする敷地の譲渡の場合(この間に貸付や事業用に供していても適用となる)
  • 3.災害などにより居住していた家屋が滅失した時は、災害のあった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、その敷地だけ譲渡する場合
  • 4.転居後に家屋を取り壊した場合には、転居してから3年後の12月31日までか、取壊し後1年以内か、いずれか早い日までに譲渡する場合(取壊し後にその敷地を貸し付けたり、事業の用に供したりすると適用外となる)

※出典:国税庁「No.3302 マイホームを売ったときの特例」より

簡単に言うと、居住用財産とはマイホームのことです。

アパートや賃貸マンションはマイホームではないため、居住用用財産に該当しません。

また、3,000万円特別控除を適用するには、「確定申告」が必要となります。

確定申告で手続きしないと特例は使えませんので、確定申告を忘れずに行いましょう。

確定申告については下記にて詳しく解説しています。

9.まとめ

以上、ここまで、不動産売却で発生する税金について見てきました。

不動産売却の税金のポイントは、譲渡所得が発生するかどうかです。

計算は少し複雑ですが、ご参考にして頂ければと思います。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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