所有者不明土地とは?他人ごとではない!問題となるケースを解説

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ここ1~2年で「所有者不明土地」というキーワードが注目を集めています。

所有者不明土地は、九州以上の面積があるとされており、日本ではかなりの面積の土地で所有者がよく分からない状態となっています。

所有者不明土地は、さまざまな面で問題をもたらします。

所有者不明土地について知りたいと思っている人の中には、

所有者不明土地についての疑問

  • 「そもそも、所有者不明土地って、どんな土地のことなの?」
  • 「所有者不明土地は、なぜ問題になるの?」
  • 「所有者不明土地を作らないようにするには、どうすればいいの?」

等々のことを思っている人も多いと思います。

そこでこの記事では、「所有者不明土地」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、所有者不明土地とは何かということや、問題となるケースについて知ることができます。

所有者不明土地とは

所有者不明土地とは、相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなお、その所有者の全部又は一部を確知することができない一筆の土地のこと

土地は「筆(ふで)」という単位で表され、小さな「一筆」の土地でも所有者が分からなければ、それは所有者不明土地になります。

所有者不明土地は全国に広がっており、それらを全て合わせると九州以上の広さになっています。

日本は「狭い土地」と言われながらも、九州と同じ広さの土地が有効に使われていないことになり、貴重な国土をかなり無駄にしていると言わざるを得ません。

所有者不明土地は、国としても大きな問題であり、2018年11月15日には「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」という法律が一部施行されました。

現在、国でも所有者不明土地は国家的な課題であると認識しており、今後は所有者不明土地に関する関連法案が次々と施行されていく予定です。

今後は、相続時の不動産登記の義務化や所有権放棄など、新しくさまざまな制度が作られていくことが検討されています。

以上、ここまで所有者不明土地について見てきました。

では、なぜ所有者不明土地が問題となるのでしょうか。

そこで次に、所有者不明土地が問題となるケースについて解説いたします。

所有者不明土地が問題となる2つのケース

所有者不明土地が問題となるケースは、主に以下の2つです。

所有者不明土地が問題となる主な2つのケース

  1. 公共用地としての買収ができない
  2. 境界が確定できず売却できない

ケース1.公共用地としての買収ができない

所有者不明土地については、どちらかと言うと、民間よりも官公庁の方が問題視しています。

その理由としては、公共用地としての買収ができないからです。

所有者不明土地で一番困るケースは、道路用地の買収です。

所有者不明土地は、主に山林に多いですが、高速道路等を新設する際に所有者不明土地に出くわしてしまうと、それ以上道路が拡張できないという問題が発生します。

高速道路は、未だに全国のあちらこちらで新設工事があります。

道路を伸ばしていく際に、山の中で所有者不明土地に差し掛かってしてしまうと、工事頓挫するのです。

公共用地の買収は、所有者からすると、土地の売却になります。

所有者不明土地は共有のままになっていることが多いですが、共有の場合には、全ての共有者を見つけ出し、共有者全員の同意を得なければなりません。

理由としては、共有物の売却は、共有者全員の同意が必要だからです。

山林などの所有者不明土地は、所有者を調べていったら、所有者が100人以上もいることがあります。

このような所有者不明土地は、登記簿謄本が明治時代のままであり、登記簿上の所有者はとっくの昔に死亡しているというようなケースです。

登記簿に記載されている人物は、現存する子孫の5代くらい前の人となると、その子孫が全国に広がってしまっており、所有者を確定することが困難になります。

現状では、公共用地の買収で所有者不明土地に差し掛かると、相当な労力とコストをかけて所有者探索を行っています。

所有者を特定するために、皆の税金が無駄に使われている有り様であり、所有者不明土地の問題は、決して他人事ではないのです。

ケース2.境界が確定できず売却できない

所有者不明土地の問題は、公共用地の買収だけではありません。

身近な問題としては、土地を売却する際、隣地が所有者不明土地となっていたことから、境界が確定できず売却できないといった問題も発生しています。

土地の売却では、売主に境界明示義務があります。

境界を明示するためには、隣地所有者との間で境界を確定しておくことが最善の対処法となります。

境界が確定していれば問題ありませんが、境界が未確定であれば、1つ1つの境界ラインを隣地所有者との間で確定していくことが必要です。

隣地が共有となっている場合には、境界確定には原則として共有者全員の同意が必要となります。

しかしながら、隣地が所有者不明土地の場合、境界を確定しようとしたら、隣地所有者が30名以上おり、全員が分からないということもあり得ます。

境界が確定できない場合、最悪のケースとしては、その土地を売ることはできません。

境界明示ができない場合には、境界明示をしなくても良いとする買主を見つける必要があります。

自分の土地は所有者不明土地でなくても、蓋を開けてみたら隣の土地が所有者不明土地だったということもあり得ます。

自分には関係のない話だと思っていても、売却時に、突然、所有者不明土地の問題に巻き込まれるケースもあるのです。

以上、ここまで所有者不明土地が問題となるケースについて見てきました。

では、所有者不明土地はなぜ発生するのでしょうか。

そこで次に、所有者不明土地の発生原因について解説いたします。

所有者不明土地の発生原因は3つ

所有者不明土地の発生原因は、以下の3点です。

所有者不明土地の発生原因3つ

  1. 個人の場合は相続
  2. 法人の場合は破産管財人の死亡
  3. 行政も所有者探索のコストをかけられない

原因1.個人の場合は相続

所有者不明土地の最大の原因は、相続にあります。

現状の法律では、相続が発生しても、所有権移転登記の義務はありません。

相続時にきちんと名義変更しないことが所有者不明土地を生み出す原因となっています。

相続は、相続人全員の共有となります。

昔は子供の兄弟数も多かったことから、相続人はそれぞれの被相続人に5~6人ずつ居たため、2次相続、3次相続ですぐに100人近くになってしまいました。

今でも登記を移転せずに、3代にかけて相続を繰り返すと、相続人がすぐに30~40人となります。

しかも所有者が全国に散らばっていれば、共有者同士でも連絡を取ることが困難となるのです。

このように相続で共有のまま放っておかれるケースは、資産価値の低い山林に多く存在します。

山林は売却しても、ほとんど価格が出ないため、登記費用を払ってまでも相続の登記をしたがらない人が多いです。

また、山林は固定資産税評価額が安過ぎて、所有していても固定資産税がかからないこともあります。

固定資産税は課税標準額が30万円未満だと、固定資産税が課税されないという免税点のルールがあります。

雑木林程度の小さな山林だと、免税点ルールに該当することが多く、固定資産税が発生していない山林が結構多いです。

すると、所有しても特にコストがかからなければ、何もせず放っておく人たちがいてもおかしくありません。

登記したら費用がかかり、また売却しても大した金額にならず、かつ、持っていてもコストはかからないということであれば、そのまま放置しておこうとなるのです。

そのため、所有者不明土地は特に山林に多く、山林に新たに高速道路を通すときの障害となっています。

所有者不明土地の最大の原因はこの相続時に登記移転義務がないことです。

そこで、現在、国会では「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」に関連し、相続時の登記を義務化するように議論がなされています。

まだ確定の話ではありませんが、数年後には、相続時の登記は義務化されると知っておいても良いでしょう。

原因2.法人の場合は破産管財人の死亡

所有者不明土地の中には、元々法人が持っていた土地もあります。

法人は相続がありませんが、倒産することがあります。

倒産した場合、弁護士が破産管財人として選任され、資産が順次売却されていくことが通常です。

しかしながら、物件によっては、売却が難航したまま放っておかれ、そのうち破産管財人が死亡してしまうケースがあります。

すると、実質的な所有をしていた人がいなくなるという現象が生じ、それが所有者不明土地となっていることもあります。

法人が倒産するケースでは、所有者不明土地が山林とは限りません。

宅地で生じている場合には、都市部でもその隣地の人が境界確定できないようなこともあるのです。

原因3.行政も所有者探索のコストをかけられない

所有者不明土地は、今のところ、抜本的な対策がありません。

行政も所有者探索のコストをかけられないため、所有者不明土地は増える一方です。

所有者不明土地は、田舎に多く見られる現象です。

地方の自治体が持つ財源は多くないため、いちいちコストをかけてまで所有者探索できないのです。

行政側もコストをかけて探索するより、放っておく方がメリットはあり、結局のところ所有者不明土地は減らない構図となっています。

以上、ここまで所有者不明土地の発生要因について見てきました。

では、所有者不明土地を避けるには、どうすれば良いのでしょうか。

そこで次に、田舎の土地や山林は早めに処分することについて解説いたします。

田舎の土地や山林は早めに処分すること

将来、自分の土地が所有者不明土地にならないようにするには、不要な土地は早めに処分することです。

特に、田舎の土地や山林は早めに処分するようにしてください。

現在、日本は少子高齢化が進み、総じて国力が衰える方向にあります。

今はある程度の経済規模を維持していますが、今後は大量に外国人に住んでもらうなどしない限り、経済力を維持していくことはできません。

今後は、首都圏と名古屋圏以外は、急速に人口減少が進むため、田舎の土地や山林はますます売れなくなっていきます。

人口が減れば、地方の土地はますます売れなくなります

社会構造が大きく変化してしまう前に、田舎の土地は売却してしまうのが良いでしょう。

下記記事に山林や田舎の土地の売却については解説しています。

まとめ

以上、ここまで、所有者不明土地とは何かということや、問題となるケースについて見てきました。

所有者不明土地は、社会問題となっています。

自分の土地を所有者不明土地としないためにも、資産価値のない土地は早め売却するようにしてください。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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