親子リレーの住宅ローンとは?知っていると得する制度を徹底解説

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住宅ローンには、親子2代にわたって支払う「親子リレーローン」があります。

親子リレー住宅ローンは、親と子供が同居しているケースや二世帯住宅を建てるケースなどでよく使われています。

親子リレーローンを考えている人の悩み

  • 「親子リレー住宅ローンってどんなローンなの?」
  • 「親子リレー住宅ローンでは、どんなことができるの?」
  • 「親子リレー住宅ローンの相続時はどうなるの?」

そこでこの記事では、「親子リレー住宅ローン」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、親子リレーの住宅ローンについての基礎知識や得する制度を知ることができます。

1.親子リレーとは

親子リレーローンとは、親が主たる債務者、子供が後継者として連帯債務者になり、親子で一本の住宅ローンを借入する方法

親と子が連帯債務で住宅ローンを組む行為であり、基本的には夫婦で連帯債務の住宅ローンを組むのと同じです。

連帯債務とは、連帯債務者が主たる債務者と連帯して債務を負う形式のローン

親子リレーローンを組んだときは、親も子供も住宅ローンを返済することになります。

連帯債務者である子供は、主たる債務者と同じ立場の債務者になります。

連帯債務者については下記記事に詳しく記載しています。

親子リレーの3つのメリット

親子リレーのメリットは、主に以下の3つです。

親子リレーの3つのメリット

  1. 親子の収入を合算できる
  2. 親の年齢で借りることのできない長期ローンを組むことができる
  3. フラット35なら年金も収入として認められる

1つ目は親と子の収入合算できるという点です。

二世帯住宅などは延床面積が大きくなり、建築資金が大きくなる傾向があります。

高額な住宅ローンを必要とする二世帯住宅を作る場合には、親子リレーは最も理にかなっているといえます。

2つ目は親の年齢で借りることのできない長期ローンを組むことができるという点です。

親子リレーは子供の年齢を基準に住宅ローンを組むことが可能です。

通常の住宅ローンでは、完済年齢は80歳を上限として定めているため、65歳の人が35ローンを組むことができません。

しかしながら、子供が30歳であればその年齢を基準とすることができるため、35年ローンを組むことができます。

3つ目としては、フラット35で親子リレーを組む場合、年金も収入として認められるという点です。

通常、年金は住宅ローンの返済原資と認められないため、年金生活者は住宅ローンを組むことができません。

ところが、フラット35の親子リレーであれば、年金も安定した収入として求められるため、年金生活者であっても住宅ローンを組めるようになります。

親子リレーの3つのデメリット

親子リレーのデメリットは主に以下の3つです。

親子リレーの3つのデメリット

  1. 持分を調整しないと贈与とみなされる場合がある
  2. 未婚の子供と使うと将来同居しない可能性がある
  3. 相続の遺産分割で揉める可能性がある

1つ目は、親子リレーでは持分を調整しないと贈与とみなされる場合があります。

例えば、住宅ローンの返済負担割合が、親60%、子40%の場合、住宅の所有権割合も親60%、子40%としなければならないということです。

住宅ローンの返済負担割合が、親60%、子40%なのに、親が100%所有しているような物件だと、子供が親に贈与していることになります。

親の住宅を途中から親子ローンに借り換える場合には、親子間で持分を売買して返済負担割合と所有権割合は同じにする必要があります。

2つ目は、未婚の子供の場合、将来同居しない可能性があるという点です。

子供の妻が同居を嫌がり、子供が出て行ってしまうと、子供は住んでないのに住宅ローンを払わなければならないことになります。

子供に親子リレーローンが残っていると、新たな住宅ローンが組みにくくなります。

親子リレーローンを利用する場合には、同居が将来に渡って続くことが確定していることが望ましいです。

3つ目は、相続の遺産分割で揉める可能性があるという点です。

親子リレーでは、一緒に住宅ローンを組んでいる子が基本的にはその家を相続します。

もし、住宅以外の財産が少ない場合、子に兄弟がいると相続人間で引き継ぐ財産の金額に大きな不公平が生じる可能性があります。

親子リレーを組む際は、将来、誰がどの資産を引き継ぐのかということに関し、相続人にはある程度認識してもらうことが必要となります。

以上、ここまで親子リレーについて見てきました。

では、どのような条件があれば親子リレーができるのでしょうか。

そこで次に、親子リレーの条件について解説いたします。

2.親子リレーを借りるときの都市銀行とフラット35の条件

親子リレーの融資条件は都市銀行とフラット35で異なります。

都市銀行の2つの条件

都市銀行による親子リレーでは、主に以下の2つが条件となることが多いです。

都市銀行により親子リレーの2つの条件

  1. 1.親の年収は300万円以上を目安としている
  2. 2.公的年金の収入は収入として認めない

1つ目として、都市銀行の場合、親の年収は300万円以上を目安としています。

親子リレーローンでは、親も債務者であるため、住宅ローンを毎月返済していきます。

そのため、親にも収入があり、返済能力を持ち合わせていることが大前提となります。

では、親がどの程度収入があれば良いかというと、その目安として300万円という数値を設けている銀行が多いです。

2つ目として公的年金の収入は収入として認めないという条件があります。

300万円という年収目安だと、年金だけで越してしまう高齢者は多くいます。

しかしながら、都市銀行では年金は住宅ローンを返済するための収入原資として認めない銀行が多いです。

都市銀行で親子リレーを組む場合、年金以外で300万円以上の収入が必要となります。

フラット35の2つの条件

フラット35とは、旧住宅金融公庫が前身である住宅金融支援機構が提供している長期固定金利の住宅ローンのこと
住宅金融支援機構とは、国土交通省と財務省が管轄する独立行政法人

昔の住宅金融公庫が戦後の住宅難を解消するための役割を果たし終えたことから、組織の形が変わり、住宅金融支援機構となりました。

都市銀行と比べるとフラット35の条件はかなり緩く、以下のようになっています。

フラット35の2つの条件

  1. 70歳を超えていても組むことができる
  2. 公的年金も年収として認められる

1つ目として、親子リレーのフラット35なら70歳を超えても組むことができます。

通常のフラット35は70歳未満であることが必要ですが、親子リレーになると70歳超でも組めるようになります。

2つ目として、フラット35では公的年金も年収として認められます。

退職した人でも年金収入さえあれば、親子リレーが組めるという特徴があります。

以上、ここまで親子リレーの条件について見てきました。

では、親子リレーにおける団信の扱いはどうなるのでしょうか。

そこで次に、親子リレーと団信について解説いたします。

3.親子リレーと団体信用生命保険

団体信用生命保険(以下、「団信」と略)とは、住宅ローンを組んだ人が死亡または高度障害になった場合に、保険金が下り、その保険金により住宅ローンが完済される生命保険のこと

通常、住宅ローンを組む際は団信への加入は必須になります。

都市銀行で親子リレーを組む場合は、団信については金融機関によって「後継者の子供のみ加入する」ケースや、「親子で加入する」ケースの2パターンがあります。

子供のみで加入するケースでは、親が亡くなったときの住宅ローンの債務は、当然にそのまま残ります。

また、親子で加入するケースでは、親が亡くなったときの住宅ローンの債務は、親の負担割合の分だけ弁済され、子供の住宅ローンは残る形となります。

一方で、フラット35では、親または子のいずれか1人が団信に加入します。

親が加入した場合、親が亡くなれば子供が新たに加入することになります。

また、親が加入した場合でも、親が80歳未満で死亡・高度障害になった場合には、親子の弁済の負担割合に関わらず、子供のローン残高も含めて全体のローンが弁済されます。

親が80歳未満で亡くなれば、子供の住宅ローンの分まで亡くなるため、都市銀行の親子リレーローンとは大きく異なります。

以上、ここまで親子リレーと団信について見てきました。

では、親子リレーを行うと相続時はどうなるのでしょうか。

そこで次に、親子リレーと相続時の控除について解説いたします。

4.親子リレーと相続時の控除

相続では親の債務はマイナスの財産として引き継ぎます。

しかしながら、親子リレーの場合、団信の加入の仕方によって引き継ぐ債務の内容が異なってきます。

例えば、都市銀行の親子ローンで団信に子供しか加入できないケースでは、親が亡くなったときは親の住宅ローン債務が残ります。

この場合、マイナス財産として相続財産から控除することができます。

一方で、親も団信に加入しているケースでは、親が亡くなると親の負担割合の住宅ローン債務はなくなります。

この場合、親子リレーによって相続財産から控除できるマイナスの財産は発生しません。

そのため、相続対策として親子リレーを活用する場合には、親は団信に入らない方が有利になります。

相続対策が不要な人は親も団体信用生命保険に入る

それに対して相続対策が不要の人は、親も団信に入った方が有利です。

団信への加入の有無は、相続対策の必要性も踏まえた上で決定することがポイントとなります。

以上、親子リレーと相続時の控除について見てきました。

現在、単独ローンを組んでいる人も、親子リレーローンに借り換えることができます。

そこで次に、親子リレーと借り換えについて解説いたします。

5.親子リレーと借り換え

親が既に高齢になっており、まだ多額の住宅ローンが残っている場合には、親子リレーに借り換えるとう選択もあります。

親子リレーでは、子供の年齢を優先してローンを組むことができるため、既に高齢でも35年のような長期のローンを組むことができます。

長期ローンにすると、毎月の返済額が小さくなるため、生活が楽になります。

また、一度も借り換えをしたことない人であれば、金利が下がる可能性もあり、全体の返済額も下がる可能性もあります。

ただし、親子リレーローンとするには、所有権割合をローンの返済割合と同じにすることが必要です。

現在、親が100%所有している物件であれば、親子間で一部売買を行い、所有権割合も調整する必要が出てきます。

現状、毎月の住宅ローンの返済が重く、かつ、その家を子供が相続する可能性が高い場合であれば、親子リレーローンへ借り換えるのも一つでしょう。

6.まとめ

以上、ここまで、親子リレーの住宅ローンについて、知っていると得する制度について見てきました。

親子リレーローンは独特の特徴があるため、うまく合致すると効果的に活用することができます。

親の収入や財産状況に合わせて、自分たちに適した親子リレーローンを選択するようにして下さい。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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