レインズとは?できた背景や仕組み・役割とレインズが役に立つ人

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不動産売却を進めて行くと、「レインズ」という言葉を聞くことがあります。

レインズは、不動産会社しか利用できない不動産情報の共有システムです。

レインズについて気になっている人の中には、

レインズについての疑問

  • 「レインズって、そもそも何なの?」
  • 「レインズは、不動産売却の際にどうやって使われるの?」
  • 「レインズが役に立つのは、どんな人なの?」

等々のことを思っている人も多いと思います。

そこでこの記事では、「レインズ」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、不動産売却で登場するレインズについて知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

レインズとは

レインズとは宅地建物取引業者専用のネットワークシステム

「Real Estate Information Network System」の頭文字をとってREINS(レインズ)と呼ばれています。

レインズは、簡単に言うと、不動産会社しか見ることのできないシステムです。

不動産会社は、正式には宅地建物取引業者のことを指します。

宅地建物取引業は免許制なので、宅地建物取引士が在籍している等の一定要件を兼ね備えた会社でないと免許を取得することができません。

免許を取得した宅地建物取引業者には、レインズのIDとパスワードが付与され、レインズシステムを利用することができます。

レインズは、イメージとしてはSUUMOやアットホームといった不動産ポータルサイトの「プロしか見ることのできない版」です。

ただし、SUUMOやアットホームは物件の売り情報しか見ることができませんが、レインズは実際に決まった成約事例を見ることができます。

例えば、「Aマンションの201号室が2019年6月3日に3,300万円で売却された」といった情報を全国の不動産会社が見ることが可能です。

これらの情報は、不動産査定にも用いられます。

東京の不動産会社が埼玉県のマンションを査定できるのは、レインズがあるおかげです。

レインズは、不動産会社しか見ることのできないサイトであり、かつ、売り情報も成約情報も見ることができるシステムになっています。

以上、ここまでレインズとはということについて見てきました。

不動産会社に仲介を依頼する場合、媒介契約を結ぶことになります。

そこで次に、媒介契約と囲い込みリスクについて解説いたします。

知っておきたい媒介契約と囲い込みリスク

レインズは現在の媒介制度ができたときに、同時に登場しました。

媒介とは、不動産会社に依頼する仲介のこと

媒介契約には、「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」、「一般媒介契約」の3種類があります。

媒介契約内容
専属専任媒介契約他の不動産会社に重ねて依頼ができない。自己発見取引も不可。
専任媒介契約他の不動産会社に重ねて依頼ができない。自己発見取引は可能。
一般媒介契約他の不動産会社に重ねて依頼できる。自己発見取引も可能。

※自己発見取引とは自分で買主を見つけてくること

専属専任媒介契約と専任媒介契約は、1社の不動産会社にしか仲介を依頼できない契約になります。

それに対して、一般媒介契約は複数の不動産会社に同時に仲介を依頼できる契約です。

専属専任媒介契約や専任媒介契約(以下、「専任媒介等」と略)では、1社の不動産会社が売物件の情報を独占することになります。

例えば、A社が専任媒介等の依頼を受けた場合、A社が買主を見つけてくれば、売主からも買主からも仲介手数料を受領することができます。

売主からも買主からも仲介手数料を取ることを両手仲介という

一方で、A社が専任媒介等の依頼を受けた後、仮にB社が良い条件の買主を見つけて成約した場合、A社は売主から仲介手数料をもらえず、買主からの仲介手数料はB社がもらうことになります。

売主または買主の一方からしか仲介手数料がもらえないことを片手仲介という

A社は自分で買主を見つければ両手仲介ができたにもかかわらず、B社に情報を渡してしまうと、片手仲介となり売上が半額となってしまいます。

そこで、A社は両手仲介を行うために、どの会社に対しても情報を開示しないという行動に出る可能性があります。

これを「囲い込み」と呼びます。

囲い込みでは、ひょっとしたらB社に買主を見つけてもらえば4,500万円で売れたかもしれない物件を、A社が囲い込んだために、4,100万円でしか売れなかったということもあり得ます。

囲い込みがなされてしまうと、損害を受けるのは売主です。

専任媒介等では、囲い込みリスクがあるということを理解しておきましょう。

尚、一般媒介では、複数の不動産会社に同時に売却を依頼することができるため、そもそも1社だけに情報が囲まれることはないということになります。

以上、ここまで媒介契約と囲い込みリスクについて見てきました。

ではレインズにはどのような役割があるのでしょうか。

そこで次に、レインズの役割について解説いたします。

レインズの役割は囲い込みを排除すること

レインズの役割は、専任媒介等で生じるかもしれない囲い込みを排除することにあります。

囲い込みは、そもそも専任媒介等の契約をした不動産会社は、他社に一切の情報を見せない行為が原因でした。

そこで売物件の情報を強引に他社に見せるような仕組みを作れば、囲い込みを防止することができます。

全国の不動産会社で一斉に売り物件の情報を見ることができるシステムがあれば、囲い込みを防止することが可能です。

この仕組みがレインズということになります。

例えば、A社が専任媒介等で「○○物件」の仲介の依頼を受けたとします。

専任媒介等で依頼を受けたら、A社はレインズに「○○物件」を強制的に登録しなければいけません。

レインズは、全国の不動産会社が見ることのできるシステムでした。

強制的に登録された「○○物件」は、全国のC社やD社も見ることができます。

すると、C社やD社は、「○○物件を買いたいといっている人がいるのですが、紹介していいですか?」という問合せをA社に行います。

もしA社がC社やD社の提案を受け入れれば、「○○物件」はA社によって囲い込まれることはありません。

C社やD社が、A社の見つけてきた買主よりも高く購入する買主を見つけてくれば、売主は囲い込みリスクを受けなくても済むのです。

このように、レインズの役割は専任媒介等による囲い込みリスクを防止する役割があります。

レインズは、売主が囲い込みを受けることを防止するためのシステムといって良いでしょう。

尚、両手仲介と囲い込みについては、下記の記事に詳しく記載しています。ぜひご参照ください。

以上、ここまでレインズの役割について見てきました。

不動産会社は専任媒介等の契約を結んだら、売り情報をレインズに登録する必要があります。

そこで次に、媒介契約と登録義務について解説いたします。

媒介契約するとレインズに登録義務がある

専任媒介等の契約を締結すると、不動産会社はレインズへの物件登録義務が生じます

登録義務までの日数は、以下のようになっています。

登録義務までの日数

  • 専属専任媒介契約 ・・・ 媒介契約締結の日から5日以内に登録
  • 専任媒介契約 ・・・ 媒介契約締結の日から7日以内に登録

レインズへの登録が終了すると、不動産会社から売主へは、登録済証が発行されます。

登録済証とは、「確かに当社はレインズに登録しましたよ」と証を示すための書類

一方で、一般媒介契約にはレインズの登録義務がありません

一般媒介では、そもそも売主が複数の不動産会社に売却を依頼することができるため、レインズに登録させなくても売り情報が複数の不動産会社に知れ渡るからです。

一般媒介では、例えばA社が4,200万円の買主しか連れてくることができなかったとしても、B社が4,400万円の買主を連れてくる可能性があります。

さらにC社が4,500万円の買主を連れてくるかもしれません。

一般媒介は、売主が自ら複数の不動産会社に情報公開することができるため、情報が1社独占で囲い込まれてしまうリスクがないのです。

そのため、一般媒介では不動産会社にレインズの登録義務はありません。

レインズは、あくまでも売主が専任媒介等を依頼したときのみ登場してくるキーワードです。

一般媒介を選択する場合は、基本的にレインズという言葉は出てこないことになります。

以上、ここまで媒介契約と登録義務について見てきました。

では、レインズはどのような売主に役に立つのでしょうか。

そこで次に、レインズが役に立つ人について解説いたします。

レインズが役に立つ人

レインズが役に立つ人は、近所の人には知られずに売りたい人です。

レインズは初期版が1986年(昭和61年)に運用開始されました。

当時はインターネットもなく、もちろんSUUMOなどの不動産ポータルサイトもなかった時代です。

そのような中、不動産会社のみが共有できる情報システムは、囲い込み防止に大変有益な存在でした。

しかしながら、現在では不動産ポータルサイトで情報掲載することが主流となったため、専任媒介等で依頼を受けた不動産会社も、情報をバンバン外部に出すようになっています。

レインズに公開しようがしまいが、不動産会社は全世界に物件情報を公開しているため、囲い込みのしようがありません。

例えば、A社がポータルサイトに載せている「○○物件」を、B社が見つけて買主を紹介することができてしまいます。

そのため、レインズは囲い込み防止策といっても、現状ではほとんどの会社が物件情報を公開しているため、レインズがなかったとしても囲い込み防止がなされているのです。

一方で、不動産の売主の中には、ご近所トラブルや離婚、借金の返済などの理由で売却する人もいます。

このような人の中には、売っていることを近所に知られたくないという人も多いです。

近所に知られたくない人は、チラシはおろか、ポータルサイトへの広告も打って欲しくないと願っています。

ただ、近所に知られたくないと思っていても、囲い込みは困ります。

そこで、専任媒介等を前提に、「広告は一切しないで欲しい」と依頼すれば、レインズだけに情報公開して売却することが可能です。

専任媒介等なら、レインズには登録義務があるため、不動産会社が必ず物件登録を行います。

しかも、広告はNGということであれは広告もしません。

広告はしないため、近所に知られることはありませんが、専任媒介等なら、レインズに登録されているため、囲い込みの心配もないということです。

今どきは不動産ポータルサイトが発達していますので、レインズが役立つ人は、あえて言えば近所の人には知られずに売りたい人ということになります。

まとめ

以上、ここまで、不動産売却で登場する意味不明なキーワードである、レインズとは何かということについて見てきました。

レインズは、元々は専任媒介等による囲い込み防止のためにできたシステムです。

近所に知られずに売却したい人は、専任媒介等で依頼するのが良いでしょう。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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