不動産売却で登場する司法書士って何する人?費用相場は?

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普段、あまり接することのない専門家に「司法書士」がいます。

不動産売却では、司法書士に接する数少ない機会のうちの1つです。

司法書士は、不動産売却の最後の引渡当日に登場します。

司法書士は登記の変更手続きを代理で行ってくれる人です。

不動産売却における司法書士について気になっている人の中には、

不動産売却における司法書士に関する悩み

  • 「そもそも、不動産売却の時の司法書士の役割って何なの?」
  • 「司法書士に登記の手続きを頼むと、いくらくらいかかるの?」
  • 「登記の際に必要なものは何?」

等々のことを思っている人も多いと思います。

そこでこの記事では、「不動産売却時の司法書士」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、不動産売却の際に登場する司法書士が何をする人であるのかということや、費用の相場について知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

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1.不動産売却における「司法書士」の役割

不動産売却における司法書士の役割は、登記に関する手続きの代理です。

司法書士は、「身近な法律家」と呼ばれる国家資格者です。

不動産登記の他、会社設立登記や簡易訴訟の代理人、成年後見人などの仕事を行います。

司法書士試験は、法律系の国家資格だと弁護士に次ぐ難しさの試験です。

合格率は3.1~3.5%程度であり、超難関の国家資格に分類されます。

弁護士を目指していた人が途中から司法書士を目指す場合も多く、合格するのがかなり難しい国家資格となっています。

不動産の登記は、本来なら売主と買主が申請するのが原則です。

しかしながら、登記申請には必要な書類の作成や確認に専門的な知識が必要であるため、実務上は司法書士が代理人となって行うことがほとんどです。

司法書士は、不動産売却における引渡の当日に登場します。

通常は、不動産会社が手配してくれますので、自分で探さなくて大丈夫です。

当日、司法書士が持参してきた委任状に署名・押印し、引渡が終わったら、司法書士がその足で法務局に向かい、登記手続きを行います。

以上、ここまで司法書士の役割について見てきました。

不動産売却で発生する登記の費用負担者は誰なのでしょうか。

そこで次に、不動産売却で発生する登記と費用負担者について解説いたします。

2.不動産売却で発生する登記と費用負担者

不動産売却で発生する登記と費用負担者は、内容によって異なります。

費用には「司法書士手数料」と「登録免許税」の2種類があります。

費用1.所有権移転登記および抵当権設定登記は買主負担

所有権移転登記については、買主の費用負担にて行います。

本来、所有権移転費用は売主と買主の双方で負担すべきものですが、商習慣によって買主が負担することになります。

所有権移転登記は、司法書士手数料も登録免許税も買主負担です。

また、買主が新たに抵当権を設定する場合には、買主負担で行います。

抵当権とは、銀行がお金を貸したとき、土地と建物を担保に取る権利

抵当権については下記記事をご確認ください。

費用2.抵当権抹消登記は売主負担

売却時に住宅ローン残債が残っている場合は、抵当権抹消費用が発生します。

抵当権抹消登記とは、登記簿謄本から抵当権の記載事項を消すこと

抵当権抹消登記は、司法書士手数料も登録免許税も売主負担で行います。

抵当権抹消については下記記事で詳しく解説しています。

以上、ここまで不動産売却で発生する登記と費用負担者について見てきました。

司法書士へ依頼すると手数料が発生します。

そこで次に、司法書士手数料の費用について解説いたします。

3.不動産売却における司法書士手数料の費用

司法書士手数料にも、買主および売主で以下のような費用がかかります。

買主および売主別の司法書士手数料

  • 買主:所有権移転登記および抵当権設定登記の司法書士手数料
  • 売主:抵当権抹消登記の司法書士手数料

司法書士費用は、依頼する登記の内容によって費用が異なります。

日本司法書士連合会による司法書士の報酬アンケートによると、司法書士手数料は以下のようになっています。

所有権移転登記費用の相場:買主負担

 低額者10%の平均全体の平均値高額者10%の平均
北海道地区21,500円33,058円51,050円
東北地区21,644円35,195円54,905円
関東地区26,025円44,417円80,267円
中部地区29,710円45,779円73,056円
近畿地区29,000円54,800円103,000円
中国地区26,855円42,375円77,500円
四国地区23,231円48,496円106,750円
九州地区24,925円41,934円87,611円

抵当権設定登記費用の相場:買主負担

 低額者10%の平均全体の平均値高額者10%の平均
北海道地区21,785円31,266円45,767円
東北地区19,091円30,562円47,150円
関東地区21,961円35,029円54,842円
中部地区25,783円35,631円56,100円
近畿地区24,301円40,402円67,429円
中国地区24,692円35,986円52,208円
四国地区24,500円35,354円55,250円
九州地区24,939円34,063円50,175円

抵当権抹消登記費用の相場:売主負担

 低額者10%の平均全体の平均値高額者10%の平均
北海道地区8,888円13,186円20,500円
東北地区7,597円12,643円19,699円
関東地区8,723円14,476円23,900円
中部地区8,823円14,864円29,567円
近畿地区9,000円16,746円30,222円
中国地区9,168円13,903円22,368円
四国地区9,250円14,162円24,500円
九州地区8,757円13,640円21,333円

以上、ここまで司法書士手数料の費用について見てきました。

登記には、登録免許税が必要になります。

そこで次に、司法書士費用とは別に発生する登録免許税について解説いたします。

4.司法書士費用とは別に発生する登録免許税

登記を変更する際は、司法書士費用とは別に発生する登録免許税が発生します。

登録免許税は、法務局に対して支払いますが、司法書士が登記の手続き時に代理で支払いを行います。

そのため、売主も買主も、一旦、司法書士の銀行口座へ登録免許税を支払うのが通常です。

司法書士手数料も併せて前払いしておきます。

司法書士は、引渡当日、預かっている登録免許税を法務局へ支払います。

不動産売却における登録免許税は「所有権移転」と「抵当権抹消および設定」の2つです。

所有権移転および抵当権設定の登録免許税

所有権移転の登録免許税は、通常、買主が負担します。

登録免許税は、以下の計算式で求められます。

登録免許税 = 課税標準 × 税率 課税標準とは、固定資産税評価額のこと

中古住宅では、以下の要件を満たすと登録免許税の軽減措置を受けることができます。

中古住宅の登録免許税の軽減措置要件

  1. 自分が住むための住宅であり、床面積の90%以上が居住部分であること。
  2. 床面積が50㎡以上であること。
  3. 取得後1年以内に登記をすること。
  4. 以下のいずれかの要件を満たした住宅であること。
    (ア)木造などの非耐火建築物は築20年以内、耐火建築物は築25年以内であること。
    (イ)築年数にかかわらず新耐震基準に適合する住宅であることが証明されたこと。
    (ウ)既存住宅売買瑕疵保険に加入していること(加入後2年以内のものに限る)。

登録免許税の税率は、本則、および上記の軽減措置を受けた場合の税率は以下のようになります。

登記の種類課税標準本則軽減措置
売買による所有権移転登記土地固定資産税評価額1.5%1.5%
家屋固定資産税評価額2%0.3%

抵当権設定の登録免許税は、買主負担です。

抵当権設定の登録免許税は、以下の式で求められます。

抵当権設定の登録免許税 = 債権金額 × 税率

税率に関しては、上記の中古住宅の登録免許税の軽減措置要件を満たすと、軽減税率の適用があります。

本則、および上記の軽減措置を受けた場合の税率は以下の通りです。

登記の種類課税標準本則軽減措置
借入に伴う抵当権設定登記債権額0.4%0.1%

抵当権抹消の登録免許税

抵当権抹消の登録免許税は、売主が負担します。

それに対して、抵当権設定の登録免許税は、買主が負担することになります。

抵当権抹消の登録免許税は不動産1個につき1,000円です。

以上、ここまで司法書士費用とは別に発生する登録免許税について見てきました。

登記には、必要な資料があります。

そこで次に、登記に必要な資料について解説いたします。

5.不動産登記に必要な資料

この章では「所有権移転」と「抵当権抹消および設定」に必要な書類について解説します。

資料1.所有権移転に必要な書類

所有権移転登記のために、売主および買主に必要な書類は以下の通りです。

これらの書類は、基本的には不動産会社から指示があります。

引渡の前に不動産会社へ必要書類を確認するようにして下さい。

売主買主
(1) 登記済証(権利証)または登記識別情報通知書
(2) 印鑑証明書
(3) 固定資産税評価証明書
(4) 住民票(登記名義人の現住所が登記上の住所と異なる場合)
(5) 本人確認書類
(6) 委任状および登記原因証明情報(司法書士が用意)
(1) 住民票
(2) 本人確認書類
(3) 住宅用家屋証明書
(4) 委任状および登記原因証明情報(司法書士が用意)

売主に必要な書類

(1) 登記済証(権利証)または登記識別情報通知書

「登記済証」とは、昔でいう権利証のこと

平成17年(2005年)3月7日より改正不動産登記法が施行された以降は、「登記済証」は「登記識別情報通知書」という書類に変わっています。

登記済証は、売主が登記権利者として権利を取得した際に、登記所から渡されている書類になります。

登記識別情報通知書は、登記済証に代わる本人確認の代替物となる書類です。

(2) 印鑑証明書
印鑑証明書に関しては、登記申請日前3ヶ月以内のものを用意します。

印鑑証明書は市町村役場で取得しますが、その取得費用は、300円が一般的です。

また、売主は実印も持参します。

売主は、引渡当日、「委任状」と「登記原因証明情報」(司法書士が用意する書類)に実印で署名押印を行います。

(3) 固定資産税評価証明書
固定資産税評価証明書は、固定資産税評価額を証する市区町村長の書類です。

登録免許税の税額算出のために必要となります。

固定資産税評価証明書は、市町村町役場で取得できます。

取得費用は市町村町役場の場合、300円程度が一般的です。

尚、東京都の場合は、固定資産税評価証明書は東京都主税局で取得でき、その費用は固定資産税評価証明書1件につき400円、2件目以降は1件につき100円となります。

なお、固定資産税は精算をすることが一般的です。

詳細は下記記事で説明しています。

(4) 住民票
住民票は、登記権利者が登記申請する場合などに住所を証明するために必要です。

登記名義人の現住所が登記上の住所と異なる場合には、住所の変遷が判明する書類を用意する必要があります。

(5) 本人確認書類
本人確認書類は司法書士用に必要となります。

「運転免許証」や「パスポート」、「マイナンバーカード」等の顔写真付の公的な書類が該当します。

(6) 委任状および登記原因証明情報
委任状および登記原因証明情報は司法書士が用意する書類です。

登記申請は司法書士が代理人となって行うため、法務局提出用に代理権限を証する書類として委任状が必要になります。

また、法務局に対しては、登記原因証明情報という書類も提出します。

登記原因証明情報は、売買契約書の内容が要約されたような書類です。

登記原因証明情報には、売主の実印での押印が必須となります。

買主の押印は任意ですが、買主も押印するのが通常です。

委任状については下記に詳しく解説しています。

買主に必要な書類

住民票や本人確認書類、委任状および登記原因証明情報については、前節の売主に必要な書類」の記載事項と同じです。

ここでは、「住宅用家屋証明書」についてだけ解説します。

住宅用家屋証明書とは、居住用住宅を新築あるいは取得した家屋について、所有権の保存登記等にかかる登録免許税の税率の軽減措置を受けるために添付する証明書のこと

登録免許税の税率の軽減措置を受けられる充当の要件は、所有権移転および抵当権設定の登録免許税」に記載している下記の中古住宅の要件となります。

中古住宅の登録免許税の軽減措置要件

  1. 自分が住むための住宅であり、床面積の90%以上が居住部分であること。
  2. 床面積が50㎡以上であること。
  3. 取得後1年以内に登記をすること。
  4. 以下のいずれかの要件を満たした住宅であること。
    (ア)木造などの非耐火建築物は築20年以内、耐火建築物は築25年以内であること。
    (イ)築年数にかかわらず新耐震基準に適合する住宅であることが証明されたこと。
    (ウ)既存住宅売買瑕疵保険に加入していること(加入後2年以内のものに限る)。

住宅用家屋証明書は市町村で発行されます。

住宅用家屋証明書の発行にあたっては、各市町村のホームページを参考に頂き、必要書類等を確認するようにして下さい。

資料2.抵当権抹消および設定に必要な書類

抵当権抹消に必要な書類は売主側の銀行、抵当権設定に必要な書類は買主側の銀行が用意します。

一般的に金融機関は抵当権抹消および設定に必要な書類を事前に渡すことはありません。

引渡時に書類を持参し、残金決済が完了したと同時に、書類を引渡します。

尚、抵当権設定をする場合、買主は「印鑑証明書(3ヶ月以内に発行のもの)」と「実印」が必要となります。

6.まとめ

以上、ここまで、不動産売却の際に登場する司法書士が何をする人であるのかということや、費用の相場について見てきました。

司法書士は最後の引渡時点で登場します。

必要な書類もたくさんありますので、不動産会社にしっかりと事前確認するようにしてください。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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