不動産売却すると扶養は外れる?社会保険や税金はどうなるの?

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結論からすると、不動産を売却すると、社会保険に関しては不要から外れることはありませんが、税金は場合によっては1年だけ不要から外れることがあります。

また、国民健康保険には、そもそも扶養という考えがありませんので、不動産を売却してもからは外れません。

扶養の種類としては、健康年金と厚生年金を合わせた「社会保険」と、税法上の配偶者控除の「税金」の2種類があります。

不動産売却で扶養が外れるかどうかが不安な人の悩み

  • 「不動産売却後にパートに出ようと思うんだけど、健康保険や税金が違ってくるの?」
  • 「不動産売却をして扶養から外れると、どんなお金がかかるの?」
  • 「夫の場合と妻の場合で違うの?」

そこでこの記事では、「不動産売却後の扶養」にフォーカスしてお伝えします。

この記事を読むことであなたは、不動産売却して扶養から外れた場合、健康保険や税金がどうなるのかについて知ることができます。

ぜひ最後までご覧ください。

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1.不動産売却しても社会保険は扶養から外れない

社会保険に関しては、不動産の売却のような一時的な収入は加味しないことになっています。

そのため、不動産を売却して配偶者に収入が生じたとしても、社会保険の扶養から外れません。

以上、ここまで社会保険は扶養から外れないについて見てきました。

一方で、税金は不要から外れる場合があります。

そこで次に、税金は扶養から外れる場合があるついて解説いたします。

2.税金は扶養から外れる場合がる

税金に関しては、不動産売却によって配偶者控除の扶養から外れる場合があります。

配偶者控除とは、扶養に入っている配偶者がいる納税者から、一定の所得控除を行ない、所得税や住民税を少なくする制度

2018年より、配偶者控除が大幅に変更なりました。

配偶者控除を受けることのできる条件は、以下の通りです。

配偶者控除を受けることのできる条件

  • 妻(配偶者)の一年間(1/1〜12/31)の所得が38万円以下であること
  • 夫(控除をうける本人)の年間合計所得が1,000万円以下であること
  • 妻が民法の規定による配偶者であること
  • 夫と妻が「生計を一」にしていること
  • 妻が青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けていないこと
  • 妻が白色申告者の事業専従者でないこと

例えば、夫の年間合計所得が1,000万円以下の場合、妻の所得が38万円を超えると扶養から外れ配偶者控除が受けられなくなります。

また、扶養には配偶者控除の他に配偶者特別控除という制度もあります。

配偶者特別控除を受けることのできる条件は、以下の通りです。

配偶者特別控除の条件

  • 妻(配偶者)の一年間(1/1〜12/31)の所得が38万円超〜123万円未満であること
  • 夫(控除を受ける本人)の年間合計所得が1,000万円以下であること
  • 妻が民法の規定による配偶者であること
  • 夫と妻が「生計を一」にしていること
  • 妻がほかの人の扶養親族となっていないこと
  • 妻が青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けていないこと
  • 妻が白色申告者の事業専従者でないこと

例えば、夫の年間合計所得が1,000万円以下の場合、妻の所得が123万円を超えると配偶者特別控除が受けられなくなります。

以上、税金は扶養から外れる場合がるについて見てきました。

では、不動産売却時にかかる「所得」は、何を示すのでしょうか。

そこで次に、所得とは何かについて解説いたします。

3.不動産売却の所得とは何か

個人の所得には、給与所得の他、譲渡所得、不動産所得、事業所得、山林所得、退職所得、利子所得、配当所得、一時所得、雑所得と言った10種類があります。

サラリーマンが給料としてもらっている所得は給与所得になります。

不動産を売却したときに発生する所得は譲渡所得

所得というと、給料のようなイメージがあるため、不動産を売却したときは売却額が所得のように思いがちです。

しかしながら、譲渡所得は売却額のことではなく、以下の計算式で求められる所得のことを指します。

譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用

※取得費とは土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した額となります。
※譲渡価額とは売却額です。
※譲渡費用は仲介手数料等の売却に要した費用です。

譲渡所得は、売却額のことではなく、譲渡価額から取得費と譲渡費用を控除したものになります。

例えば、以下のようなケースで譲渡所得を計算してみます。

譲渡所得の計算例1

  • 譲渡価額:3,000万円
  • 取得費:2,500万円
  • 譲渡費用:96万円
  • 譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 = 3,000万円 - 2,500万円 - 96万円 = 404万円

上記のケースでは、譲渡所得は3,000万円ではなく、404万円ということになります。

この場合、所得が38万円を超えていますので、一時的に税金の扶養から外れます。

一方で、譲渡価額や取得費によっては、譲渡所得はマイナスになることもあります。

譲渡所得がマイナスになれば譲渡所得は発生しません。

具体的には、以下のようなケースで譲渡所得を計算してみます。

譲渡所得の計算例2

  • 譲渡価額:3,000万円
  • 取得費:3,200万円
  • 譲渡費用:96万円
  • 譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 = 3,000万円 - 3,200万円 - 96万円 = ▲296万円

譲渡価額が同じ3,000万円でも、上記のケースでは、譲渡所得が▲296万円となりました。

この場合、所得が38万円以下となりますので、税金の扶養からは外れないことになります。

このように、扶養から外れるかどうかは、譲渡所得を計算してみないと分かりません。

単純に売却額からは判断でいないため、譲渡所得を計算することが第一歩となります。

以上、ここまで所得とは何かについて見てきました。

今回は簡単な時の計算例を示しましたが、実際にはさらに複雑です。

そこで次に、譲渡所得の計算方法をさらに詳細を見ていきたいと思います。

4.譲渡所得の計算方法

譲渡所得は譲渡価額から取得費と譲渡費用を控除して計算します。

譲渡費用に関しては、仲介手数料や印紙であり、売却時の領収書等で確認できるので簡単です。

しかしながら、取得費に関しては、建物の減価償却の計算が必要であるため、少し面倒です。

そこで、この章では取得費を中心に譲渡所得の計算方法についてご紹介します。

取得費が判明しているケース

取得費とは土地は購入価額、建物は購入価額から減価償却費を控除した額となります。

  • 土地取得費 = 土地購入額
  • 建物取得費 = 建物購入額 - 減価償却費

土地については減価償却を行いません。

土地は購入価額がそのまま取得費となります。

建物については、減価償却を行います。

そのため、購入価額の内訳から、建物価格だけを抜き出し、減価償却の計算を行います。

減価償却費は以下の式で計算されます。

減価償却費 = 建物購入額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数

上記の式の中で、「償却率」というものがあります。

償却率に関しては、用途と構造によって、以下のようになります。

構造非事業用 マイホーム・セカンドハウス事業用 賃貸マンション
構造償却率耐用年数償却率耐用年数
木造0.03133年0.04622年
軽量鉄骨0.02540年0.03827年
鉄筋コンクリート造0.01570年0.02247年

例えば、以下のようなケースで取得費を計算してみます。  

  • 建物の類型:木造のマイホーム(償却率は0.031)
  • 年数:25年
  • 物購入額:2,000万円
  • 地購入額:3,000万円

最初に減価償却費を求めます。

  • 減価償却費 = 建物購入額 × 0.9 × 償却率 × 経過年数 = 2,000万円 × 0.9 × 0.031 × 25年 = 1,395万円
  • 建物取得費 = 建物購入額 - 減価償却費 = 2,000万円 - 1,395万円 = 605万円
  • 得費 = 土地取得費 + 建物取得費 = 3,000万円 + 605万円 = 3,605万円

また、「耐用年数」というのも登場します。

耐用年数とは、減価償却計算が行われる期間です。

マイホームの木造なら33年、鉄筋コンクリート造なら70年の間、減価償却が計上されます。

耐用年数を過ぎた建物に関しては、自動的に購入価額の5%が減価償却後の建物取得費となります。

耐用年数を超過した建物の取得費の求め方は下記の通り。

建物取得価格 = 建物購入額 × 5%

例えば、以下のようなケースで取得費を計算してみます。

  • 建物の類型:木造のマイホーム
  • 年数:40年
  • 物購入額:2,000万円
  • 地購入額:3,000万円

建物は耐用年数(33年)を過ぎていますので、建物取得費は以下のようになります。

建物取得価格 = 建物購入額 × 5% = 2,000万円 × 5% = 100万円

よって、取得費は以下のように計算されます。

取得費 = 土地取得費 + 建物取得費 = 3,000万円 + 100万円 = 3,100万円

耐用年数を超過した建物は、取得費が比較的簡単に求められます。

まずは、建物が耐用年数を過ぎているかどうかを確認することが重要です。

取得費が不明なケース

古い不動産の場合、購入時の売買契約書を紛失しているケースなどで、購入額が分からない場合があります。

このような場合は、「概算取得費」というのを用います。

概算取得費は、譲渡価額の5%です。

取得費が不明なケースで譲渡所得を計算すると、以下のようになります。

  • 譲渡価額:3,000万円
  • 得費:不明
  • 渡費用:96万円
  • 譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 = 譲渡価額 - 概算取得費 - 譲渡費用 = 3,000万円 - 3,000万円×5% - 96万円 = 3,000万円 - 150万円 - 96万円 = 2,754万円

概算取得費を用いてしまうと、譲渡所得がどうしても大きく計算されてしまいます。

税金を増やさないようにするには、まずは購入価額が分かる売買契約書がないかどうかを確認することが重要です。

以上、ここまで譲渡所得の計算方法について見てきました。

では、配偶者の扶養から外れた場合、税金はどうなるのでしょうか。

そこで次に、扶養から外れた場合の税金について解説いたします。

5.扶養から外れた場合の税金

扶養から外れた場合、税金に関しては夫と妻に以下のような影響が生じます。

扶養から外れた場合の税金の影響

  • 夫:配偶者控除及び配偶者特別控除が受けられなくなる。
  • 妻:譲渡所得による所得税及び住民税の支払が発生する。

夫の税金

夫の年間合計所得が1,000万円以下の場合、妻の所得が38万円を超えると「配偶者控除」を受けられなくなります。

配偶者控除は13~38万円の控除額の効果があり、夫はその恩恵が受けられなくなります。

夫の合計所得金額控除対象配偶者
900万円以下38万円
900万円超 950万円以下26万円
950万円超 1,000万円以下13万円

また、夫の年間合計所得が1,000万円以下の場合、妻の所得が38万円以下または123万円以上となると、「配偶者特別控除」も受けられなくなります。

配偶者特別控除は1~38万円の控除額の効果があり、夫はその恩恵が受けられなくなります。

配偶者(妻)の合計所得金額本人(夫)の所得
900万円以下
本人(夫)の所得
950万円以下
本人(夫)の所得
1,000万円以下
38 万円超 85 万円以下38 万円26万円13 万円
85 万円超 90 万円以下36 万円24万円12 万円
90 万円超 95 万円以下31 万円21 万円11 万円
95 万円超 100 万円以下26 万円18 万円9 万円
100 万円超 105 万円以下21 万円14 万円7 万円
105 万円超 110 万円以下16 万円11 万円6 万円
110 万円超 115 万円以下11 万円8 万円4 万円
115 万円超 120 万円以下6万円4 万円2 万円
120 万円超 123 万円以下3万円2 万円1 万円

妻の税金

38万円等の所得の金額に関わらず、妻に譲渡所得が発生すれば、妻には所得税および住民税、復興特別所得税の税金が発生します。

所得税等 = 課税譲渡所得 × 税率

所有期間は5年以下であれば短期譲渡所得、5年超であれば長期譲渡所得とされます。それぞれの税率は以下の通りです。

所有期間所得税住民税合計税率
短期譲渡所得30%9%39%
長期譲渡所得15%5%20%

復興特別所得税については、所有期間に関わらず2.1%となります。

妻の税金は、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に確定申告を行って、納税します。

6.まとめ

以上、ここまで、不動産売却して扶養から外れた場合、健康保険や税金がどうなるのかについて見てきました。

不動産の売却では、扶養が外れるかどうかを気にしなければならないのが税金だけです。

社会保険に関しては、1次的な収入ですので不要から外れることはありません。

不動産を売却する際は、まずは譲渡所得が38万円以下となるかどうかをしっかりとけいさんすることから始めるようにしてください。

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合同会社ラビッツ 石川貴裕

IT会社で勤務しながら、親族の会社で不動産仲介を経験。専門用語が多く初心者に優しくないサイトが多いと感じて不動産メディアを多数立ち上げる。

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